風船画伯、焼け野原の掘立小屋に死す

百間外伝 第11話

風船画伯、焼け野原の掘立小屋に死す

風船のように空に消えた版画家。戦前は奇抜な画想が、百間のほか日夏耿之介や佐藤春夫らに愛され、童話や随筆などにも才筆を揮ったが、戦時に孤立し飢え渇えた。空襲で焼け出され、瓦礫の空き地にカボチャを植えて露命をつないだが、終戦翌年に力尽きた。本コラムの表題「これくん風到来」は、彼を懸命に救おうとした百間への感激のことばである。=敬称略、約1万3400字

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