無縫地帯

モバイル向けのクレカ決裁サービスが話題のようです

モバイル向け決裁サービスの「Square」が注目を集めているようです。アメリカでも好調なようですし、クレジットカード文化がイマイチ未成熟な日本でも普及の切り札になるのでしょうか。

山本一郎です。夏の似合わない男です。

ところで、このところにわかに国内でモバイル向け決裁サービスの「Square」が注目を集め、IT系ニュースサイトなどを中心として記事に取り上げられていました。Squareはスマホをクレジットカード決済端末として利用できる販売事業者向けのサービスです。

モバイル決済「Square」が日本上陸、Twitter創業者が開発(INTERNET Watch 2013/5/23)
「Square」が日本上陸--スマホをカード決済端末に(CNET Japan)
スマホでカード決済できる「Square」、日本での提供を開始(ASCII.jp 2013/5/24)

Squareがここまで注目されるのは、Twitterの共同創業者が立ち上げたサービスであるという話題性もあるでしょうが、それと同時に米国での実績が好調であることも影響しているようです。二年前にはすでに年間決済処理額が100億ドルを突破というニュースがありました。

モバイル決済のSquare、年間決済処理額が100億ドルに到達(CNET Japan 2012/11/15)

また、競合となりそうなPayPalが純粋な金融系事業者ではないソフトバンクと合弁会社を設立しての日本国内展開だったのに対して、Squareは三井住友カードという国内クレジット会社と提携したのも、外から見ている限り今後の展開に有利な印象を与えているようにも感じます。実際どうなのかは分かりませんが……。

で、早速、Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏が、販売事業者等にとってどのモバイル決済が使いやすいか比較するブログを書かれています。

初期費用ゼロ、手数料最安、支払い最速!モバイル決済の本命Squareと、Coiney, PayPal here, 楽天スマートペイとの比較表を作ってみた(キャズムを超えろ! 2013/5/23)

でまぁ、何を言いたいのかというとSquare最強ということ。みんな決済手数料に目がいくが、決済手数料を業界最安値である3.25%に抑えつつ、資金繰りが厳しい飲食店なんかに対して翌営業日正午までの支払いとしているのが強烈に強い。この部分は楽天スマートペイも相当頑張っているものの、手数料約5%ってのは流石にねぇ...と。これはなかなかどうして面白いことになりそうですよと。キャズムを超えろ!
こうしたモバイル決裁については国内外を問わず、スマホの普及が進めば進むほど扱う事業者も増えてくることでしょうから、さらなる混戦となる可能性は高そうです。

注目のモバイル決済サービスをまとめてみた注目のモバイル決済サービス10選!(ハイベロシティ 2013/1/16)

この記事を書いているタイミングでも、また新しいサービスが一つ登場したというニュースがありました。なお、こちらはクレジットカードベースではないようです。

「世界の決済を変えたい」 - QRコードでモバイル決裁「znap」が日本上陸(マイナビニュース 2013/5/27)

日本は米国に比べると一般小売店などでクレジットカード決裁が利用される割合は低いですから、こうしたサービスに今後どれくらい需要が集まるのかはまだよく分かりませんし、こういう数字もあるようです。

電子マネー普及の一方で、低下する若年者のクレジットカード保有率(財経新聞 2013/2/27)

クレジットカード保有率は87%で、2011年度の88%、2010年度の90%と減少傾向にあり、月平均クレジットカード利用額は昨年比2千円減の5.3万円となっている。財経新聞
ここで分かるのは3年間だけの傾向ですが、それにしても年々減少しているというのはちょっと意外でした。それだけ今は若年層にとって景気が厳しいということなのかもしれません。

いっそ、アベノミクスで国民全員にクレジットカードを配布、とかやってみてはいかがでしょう。低所得者にはクレジットカードの与信が安心の0円になってる感じの。納税額連動で増えたり減ったりするのがいいんじゃないでしょうかね。

余計なお世話ですかそうですか。