KDDIがやってしまいましたが他のキャリアはこれをどう見ているのか気になります
KDDIがauの高速回線人口カバー率を過大に広告宣伝していたかどで、消費者庁から措置命令を受ける事態となりました。ぜひ早々に改善し、iPhone5ユーザーや私を救済して欲しいところです。
山本一郎です。auのiPhone5ユーザーです。
そのauのKDDIがかなり大きなミスをしでかしました。
消費者庁:景表法違反でKDDIに措置命令エリア誤表示(毎日新聞 2013/5/21)
KDDIに措置命令LTEで不当表示消費者庁(日本経済新聞 2013/5/21)
LTEの地域が限定的 再発防止命令(NHKニュース 2013/5/21)
KDDIが景表法違反、iPhoneのLTEサービスに不当表示(ケータイWatch 2013/5/21)
「うわー、どこの地方都市いってもLTE速いなー」って喜んで騙されていた私はピンポイントで愚弄されている感じでありましょうか。残念でなりません。おのれmixiめ。
すでにこの件は多くのメディアで報じられていますから、経緯をここで改めて書くこともないでしょうが、同社の信頼性を大きく損ねる事態であります。主に私からの信頼性を大きく損ねたといっても過言ではないでしょう。
とりあえず、この件を不服としてユーザーが解約を申し出ても、KDDI側としてはそれに対する特別の配慮を昨日の時点では特に用意しないとありますが、はたしてそれで多くの人が納得できるのかも気になるところ。
今回の内容を受けて、仮に利用者が解約を申し出た場合も通常通りの解約処理となる。通信サービスとしては提供されており、前述した通り、下り37.5MbpsのLTEエリアが使えているためだという。ケータイWatch今回の件ではITジャーナリストの本田雅一氏がTwitterで以下のように発言されています。まさにそういうことでしょう。
エリア問題に引っかかるのはiPhone5ユーザーだけだから、そこにどう対応するかでKDDIの信頼感が大きく変わる。次のiPhoneが出る時の乗り換えプログラムとかやるのかな。それぐらいで批判が収まるとも思えないけれど@rokuzouhondaまた、ITジャーナリストの石川温氏が日経でかなり長めの記事を書かれています。
不当表示でKDDI窮地、「iPhoneで優位に」への焦り(日本経済新聞 2013/5/22)
こちらの記事は会員限定のため未登録だと全文を読めないのですが、なかなか示唆的な内容で興味深いです。特に同氏が突っ込んだ書き方をしている部分を以下に引用してみます。
今回のKDDIの件は、明らかに虚偽の内容だったため、消費者庁からの命令を受けることになった。だが、虚偽ではないものの誤解を招きかねない表示は、KDDIだけでなくソフトバンクやNTTドコモといったライバル会社でもよく見かける。まさにその通りですね。どのキャリアの謳い文句も消費者視点から見ればあまり差は感じません。だからこそ、今回のような事が起きたとさらに石川氏は続けています。
この背景としては、エリアや速度、端末といった、これまで特徴としてきた点について、明確な差異化をすることが難しくなってきたことが挙げられる。クアッドコア、5インチ、フルHDといった端末のスペックはほぼ横並びになり、接続率でも96.7%と96.2%といった小数点での争いになっている。各社とも自社サービスを魅力的に見せるギリギリの競争をしており、そんな中でKDDIがうっかり一歩踏み越えてしまったのが今回の事件だ。みんな、私のためにこんなにたくさんの記事を書いていただいて恐縮至極です。
もっとも、だからといって「うっかり」で許されるわけにもいきません。
他のキャリアが今回のKDDIのミスを突っ込むような形で自社のメリットを声高に宣伝したとしたら、それはブーメランのように自分に帰ってきてダメージとなる地雷が含まれている可能性もありそうですが、はたしてそれでもやるんでしょうかね。もしくは他山の石とするのか。それにしても、KDDIはやってしまいましたねぇ……。