小池百合子さん、都民ファーストの政治資金集めパーティー開催当日に「希望の党代表辞任」報道(訂正あり)
東京都知事にして、国政政党「希望の党」の共同代表であった小池百合子さんが、希望の党の代表辞任を宣言、都政に専念するという観測が流れております。
葛飾区議選で都民ファースト5名出馬中当選がわずか1名に終わるなど、風が止んだ状態の希望の党&都民ファーストですが、その希望の党の共同代表選で玉木雄一郎さんが選出された直後のこのタイミングで「小池百合子、希望の党の共同代表辞任」という観測記事が流れてきました。今日は都民ファースト初の政治資金集めパーティーが開催される予定でしたので、実に微妙な雰囲気になっております。
折しもこのパーティーに呼ばれている都民ファーストの関係者にもつい14時過ぎにこの小池辞任が伝えられたとのことですので、例によってあまり組織的なコンセンサスもなく小池百合子さん本人とその薄い側近だけで電撃的に決まった話なのではないかと思料するわけであります。
希望の党共同代表に玉木雄一郎氏を選出(産経ニュース 17/11/10)
小池氏、希望代表辞任へ…都政に専念(読売新聞 17/11/14)
「都政に邁進する」とのことですが、そもそも小池百合子さんは7月3日に同じく「知事に専念する」と宣言して都民ファーストの代表を野田数さんに据え直した経緯があります。その後、さらに二転して都民ファーストの代表は荒木千陽さんが就任、その父親が都民ファースト候補として東京の選挙区から出馬して無事落選しておられます。
都知事としての仕事を頑張ると言いながら、結局は国政に色気を出して衆議院選に注力し、お膝元の東京選挙区で惨敗し葛飾区議選でも5名擁立して当選したのは元民進党系の区議の方のみとなると、日本初の女性首相の夢などと言っていられなくなります。
小池氏、都民ファースト代表辞任「知事に専念」(日本経済新聞 17/7/3)
小池百合子「都庁に着いたら5分で極右」の衝撃(訂正とお詫びあり)(ヤフーニュース 山本一郎 16/8/3)
どうにもならないのは小池百合子さんが都知事就任後真っ先に手を付けた豊洲新市場の移転問題に絡んで、追加工事すらも満足に発注が進まないという事態で、非常に深刻な状態にあります。落札する業者の側としては、どのような工事をしっかり行っても後からトップの小池さん自ら業者の問題点を騒ぎ立てる可能性があるわけでして、ここで単独受注すると当然落札率は100%近い価格になってまた叩かれる、ということであれば、納期も短い上に言いがかりをつけられかねない受注に応じたくないのは当然です。
豊洲市場の工事、また入札不調落札は全9件中2件のみ(朝日新聞 17/11/14)
つまりは都知事就任後に都民、国民の関心を惹き付け小池都政の期待感を煽ろうという結果が、順調に進み問題を起こさなくても良い事案に火をつけて都政が崩壊しかねない状況であることは、小池さんと側近の間で進められた判断のブラックボックス度に問題があったと判断せざるを得ません。しかも、その小池さんのブレーンについては各々の専門から外れた素人集団であったことが分かってきている以上、旋風を巻き起こした「小池流」では都政に邁進されても都民にとっては困るという状況ではないかと思います。
この一年の小池都政はかなり取り返しのつかないレベルでの大失政をやらかしたと判断せざるを得ず、都議会主流派を維持しながら何とか体制を整えたいと小池さんが考える気持ちは分かります。ただ、森山高至さんのガセネタを信じて豊洲移転問題で大きな穴を空け、その後に都庁内で起用した上山信一さん、安東泰志さんといったブレーン、さらには代表を務めた野田数さん、希望の党にスライドした小島敏郎さん、「排除いたします」発言を進言して希望の党壊滅に寄与した上杉隆さんなど、小池さんの周辺には成果を出すための専門性を持った人物がおらずまともな行政判断を小池さんが下せない仕組みが出来上がってしまっているように思います。
最近では、小池百合子さん自身が周囲の人間関係に自信を失い、次なる有識者候補たちに対して「イタ電」でもしている状況のようで、どうにも…という状況に陥っています。もちろん都知事である以上は都政に専念していただくのはまったく構わないのですが、さらなる都政の混乱が続くような側近政治が続くようであれば、再び東京都は50億円をかけて都知事ガチャを回す羽目に陥るのではないかと危惧するところです。
(訂正17:59)
ご指摘があり、本日のパーティーは都民ファースト主催のパーティーであるとのことでした。ご指摘に感謝いたしますとともに、謹んで訂正し再掲載いたします。