無縫地帯

地味な省エネの話も見方によっては面白い件

Googleが省エネのために排熱に生活排水を活用するという話がニュースになっておりましたが、地味だけど大事な努力だと感じます。そういう方面の雑感でも、ひとつ。

山本一郎です。地味な男です。

やや地味なネタではありますが、Googleが新しいデータセンターを公開したというニュースがNHKで取り上げられていました。

グーグル 最新“省エネ技術”を公開(NHKニュース 2013/5/9)

データセンターではコンピューターから出る熱を冷やすために大量の電力を使いますが、この施設では至るところにパイプが張り巡らされ、近くにある下水処理場から生活排水を引きこんで冷却に充てることで、電力の消費を抑えています。NHKニュース
生活排水を冷却水に使うという手法は、従来の太陽電池や風力発電を導入するといった耳目を集めるタイプではありませんが、その効果が着実に期待できると誰にも思わせる点でCSR(企業の社会的責任)のPRに有効な点に加えて、下水処理場との連携でデータセンターの省エネを実現するというこれまでありそうでなかった新しい取り組みから目の付け所が他所とは違うでしょと感じさせるところなど、さすがGoogleは優秀な広告企業だなと感心してしまいます。これは皮肉でもなんでもなく、省エネ問題をより多くの人に考えてもらう機会を作るという意味で、優れた広告だということです。

省エネといえば、今年の夏は東日本大震災後初めて、数値目標付きでの節電要請が見送られます。

夏の節電要請を発表政府、数値目標は設定せず(日本経済新聞 2013/4/26)
初めて全地域で数値目標見送り政府、強力は要請(MSN産経ニュース 2013/4/26)

茂木敏充経済産業相は閣議後の会見で「地域一律の数値目標は設けないが、できる限りの節電をお願いしたい」と述べた。MSN産経ニュース
数値目標は設定しないが節電はするようにという、なかなか玉虫色なお話でもあります。まあこのご時勢だからね、しょうがないね。

最近は街中でもこれまで節電目的で消されていた商業施設のイルミネーションなどが以前のように煌々と輝いている光景を目にする機会が増えているように感じます。また、アベノミクスのかけ声で産業全体の動きも再び活発化していますから、当然のように工場などでの電力需要も増加していることでしょう。喉元過ぎれば熱さを忘れるではありませんが、このまま暑い夏がやってきたときに、そうした勢いによる電力需要が供給を上回ってしまうことのないような、効果的な省エネ施策も地道に進めていかなければと思う次第です。

それにしても、決まったルールだから寒くても上着を着ないクールビズ実施というのは何か省エネとは関係無い話に向かって突進しているようで苦笑するしかありません。

「まだ寒いのに...」 札幌市、10日からクールビズ(読売新聞 2013/5/8)

市職員の間でも、「まだ上着は欠かせない」「半袖は早い」と警戒する声が上がる。節電を担当する市環境局は「薄手のセーターを用意するなど、臨機応変に対応してもらいたい」としている。読売新聞
こちらの秋田県知事の話も、記事の論調が知事に対してやや否定的なニュアンスであるのとは裏腹に、ごく当たり前の答弁のようにも見えます。

服装について言う筋合いない…クールビズで知事(読売新聞 2013/5/8)

知事は「暑い人は脱げばいいし、寒い人は着ればいい。役所が幼稚園の子供にものを教えているみたいで嫌ですね」と行政主導のクールビズに否定的な姿勢を示した。「服装は人に不快感を与えない範囲で自由。服装についてなんやかんやと(職員や県民に)言う筋合いはない」とも述べた。クールビズ推進の見直しまでは言及しなかった。読売新聞
そういえばこの佐竹知事、ロシアとの経済交流活動の縁からプーチン大統領に秋田犬を送って、そのお礼にシベリア猫を受け取った御仁でしたね。

秋田県の佐竹知事、プーチン大統領のシベリア猫に早くもメロメロ会見で猫への愛を語りまくり(2013/1/17 ねとらぼ)

ああ、猫ちゃん愛おしい。かわいいですね、このにゃんこは。
で、何の話でしたっけ。