米Amazonが相変わらず元気なようです
米EC大手にしてクラウドサービスで利益を出しているAmazon(アマゾン)ですが、2017年第2四半期の決算が発表になると同時に、ヘルスケア事業への進出を検討している観測もでているようです。
米Amazon.comが2017年第2四半期の決算を発表しておりました。
Amazon.com、売上高は2桁増も技術投資がかさみ77%の大幅減益(ITmedia 17/7/28)
売上高は前年同期比25%増の379億5500万ドルと好調だったが、純利益は77%減の1億9700万ドル(1株当たり40セント)と大きく減少した。新技術やコンテンツ開発のための投資やマーケティングコストの増加が響いた。ITmediaAmazonは儲かった分をどんどん投資していくのが常なので今回もいつもと代わり映えしない展開になっていますが、ほぼ同じようなタイミングで同社株が上昇したことから一見派手な見出しのニュースも報じられておりました。
アマゾンCEO、世界長者番付で一時首位ゲイツ氏抜く=米誌(ロイター 17/7/28)
米経済誌フォーブスは、米インターネット小売り大手アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)の総資産が一時906億ドル(約10兆0600億円)となり、世界長者番付で米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏を抜いて首位となったと発表した。アマゾンの株価上昇が資産を押し上げた。ロイター決算発表で大幅減益が知らされるや株価は下落、当然のようにベゾスさんの資産もあっと言う間に目減りして首位から転落という流れですが、ネタ元のフォーブス記事がなかなか興味深い論考を書いていたのでご紹介しておきます。
世界一の富豪、一時ジェフ・ベゾスに同日中にゲイツが返り咲き(フォーブス 17/7/28)
ゲイツがこれまでに膨大な額の資産を慈善事業に投じていなければ、ベゾスは世界一の富豪の座には遠く及ばなかっただろう。フォーブス含みがあるといいますか、それだけゲイツさんは色々な意味ですごいという話でもありますね。
で、このところのAmazonのビジネスモデルの話になると毎度言われることでもあるのですが、非常に分かりやすい見出しの記事がありました。
もしAWSがなかったら、Amazonは大赤字(TechCrunch Japan 17/7/28)
Amazonが他の収入源を探り続ける中、サーバーの入ったビルを山ほど建設するという巨大な賭けは報われているようだ。(中略)AWSは成長が減速しているとはいえ、当分の間Amazonを支える柱の一つになることは間違いない。TechCrunch JapanAmazonのビジネスというのはAWSの稼ぎを全部注ぎ込んでそれほど割が良さそうにも見えないEC事業を世界規模で展開するという壮大な自転車操業に見えなくもないのですが、競合事業者はどこもAWSのような打ち出の小槌を持っていないためAmazonと同じやり方をすれば大赤字になってまず勝てないみたいな流れになってるのがすごいですね。
Amazonとしてはクラウドサービス方面でGoogleかMicrosoftあたりがAWSを打ち負かすような画期的な事業を始めると今のやり方を続けるのがむつかしくなりそうですが、これまでのやり方を見ているとベゾスさんはそういう弱気な考え方は一切しなさそうです。今後もイケイケでやっていくのでしょう。株主に対しても「次の四半期から赤字に戻るかもしれないと予告」しているくらいなので長者番付で世界一の富豪になることにそれほど興味はなさそうです。すでに新たな事業への進出も噂されていますし、まだまだ勝負を続ける気満々というところでしょうか。
アマゾン、次のターゲットはヘルスケア? 極秘チーム「1492」を立ち上げ(BUSINESS INSIDER JAPAN 17/7/27)
CNBCによると、研究所は医療機関が保有する電子記録を消費者や、そのかかりつけ医師が利用しやすい形にしようと研究しているようだ。またインターネットを利用して患者と医師を結ぶ遠隔医療システムの開発も検討している。さらにアマゾンエコーなど、同社のデバイス向けにヘルスケア関連アプリの開発も考えている。BUSINESS INSIDER JAPANAIアシスタント市場でもAmazonは他社よりもかなり先行している印象がありますが、これでヘルスケア方面も上手くいくと、米国内コンシューマ市場での影響力がとてつもないものになりそうです。はたしてどうなることか、まずは継続してヲチしていきたいと思います。