民進党代表・蓮舫女史が、代表辞任の意向を伝える(追記あり)
「民進党 蓮舫代表が周辺に辞意伝える」という速報が出され、激震が走っております。また、蓮舫女史が27日午後の記者会見で正式に辞意を表明するという報道が入ってきました。
先日、民進党幹事長の野田佳彦さんの交代が伝えられた民進党執行部人事ですが、ここにきて民進党代表の蓮舫女史自らが代表を辞任する意向を伝えるという発表がありました。都議会選挙の敗勢や蓮舫女史自身の二重国籍問題などが遠因となって責任を取り辞任する流れになったものと見受けられますが、伝えられる中には「蓮舫女史は即刻の退陣を考えている」という内容と「国会が始まる前にけじめと言った話が独り歩きしているだけで、すぐの話ではない」という内容とが錯綜しており、気になる展開になっています。
民進党 蓮舫代表が周辺に辞意伝える(FNN 18/7/27)
民進党内の各レイヤーでの都議会選総括では、民進党の敗北と受け止めたうえで「批判が高まる安倍政権の受け皿になるべき野党第一党の民進党で、所属都議らの選挙直前の離党・都民ファーストの会への鞍替えが相次いだ。地方組織が民進党執行部への不満を募らせて存続すら危うい状況になっている」(民進党幹部)という危機的な現状認識の声が相次ぎ、つまりはこのまま蓮舫女史を上に担いで民進党を頑張っても都民ファーストの会に反自民・反政府票をごっそり奪われるだけなので身動きがとれなかろうという議論が出ているようです。
また、蓮舫女史を支えた野田佳彦幹事長は、仙台市長選をはじめとする野党共闘路線を今後も堅持する方針でしたが、幹事長の交代によって、この路線変更を余儀なくされる可能性が強いと見られています。というのも、民進党の支持母体である連合が、共産党を含む野党共闘路線は容認できないとしつつも、首相経験者で連合への配慮が深い野田幹事長がいるからこそ一定の我慢もしてきた部分はあります。ほかにも反原発政策の一部撤回や、最低賃金の引き上げその他、各論についても民進党が進めたいと考えている政策と連合が実現したい政策とに乖離が見られる部分もあるため、一般的な民進党支持層と、組織選挙を担う連合との関係と、党内融和をどう進めるのか、さらには野党共闘路線をどう細かにバランスとっていくのかというのが物凄く大事な状況になっているのです。
翻って、蓮舫女史というのは、まあ、ああいう人ですので、あまり細やかな利害関係の調整を繰り返すよりも、「やあやあ我こそは」と獲物片手に討ち入りするほうが能力的にもキャラクターとしてもあっているという点で、いまの民進党の党勢回復という点ではまことに適していない人物だったという風にも感じます。代表就任当時から言われていたことですが、蓮舫女史の人気にあやかりたいという議員はいても、蓮舫女史についていきたいという組織はひとつもありません。去年の都知事選立候補見送りからの参院選出馬→民進党代表就任→二重国籍問題噴出でその蓮舫人気が雲散霧消してしまい、171万票とった2010年参議院選挙東京選挙区の勢いは半減以下になってしまいました。その東京で小池百合子都知事にやられたも同然なのですから、責任を代表として取らずに野田さんだけ詰め腹を切らせるのはおかしいと言われても仕方がありません。
連合との関係を保ちつつ、野党共闘の盟主のような政治的なポジションをキープするためには、結局のところ幹事長に岡田克也さんの手腕に恃むしかないのでは、あるいは、ウルトラC的な突拍子もない人事を発令するのではという風評はあったのですが、民進党や連合の周辺から話を聞く限りでは岡田さんからも幹事長就任を固辞され、周辺の幹部からも色よい返事をもらえず、打つ手が無くなって代表としての運営に行き詰まったなかで代表辞任の流れに抗し切れなかったのでは、とみられます。
こうなると、遅かれ早かれ民進党代表選が執り行われ、ただでさえ安倍政権の支持率が低迷してチャンスカードを引ける状況で民進党自体が大混乱に陥るという体たらくになります。野党共闘路線を諦めた時点で民進党の意義が失われて「解党的出直し」ではなく「解党待ったなし」となりかねません。明らかに民進党の組織としてのビジョン欠如とマネジメント不在とが最大の問題で、両方を一朝一夕に解決できる人材など見当たらない以上、周囲が如何に「民進党は機能的にも必要な存在だから頑張ってほしい」と思っても沈んでいってしまいます。
願わくば、蓮舫代表辞任の話が誤報であってほしいと思うわけですが、解決の道筋が見えない責任者ほど辛いものはありません。本来は活かされるべき持ち味や才覚が違う場所に置かれた以上、苦しいのかなあという気もしますが、続報を待ちたいと思います。
(追記14:28)
民進党代表・蓮舫女史は、きょう午後の記者会見で代表からの辞任を発表する模様だと伝えられました。
民進 蓮舫代表 辞任の意向を周囲に伝える(NHKニュース 17/7/27)
すいません、横浜市長選途中なんですけど!