無縫地帯

LINEの成長速度が半端ないです

LINEの快進撃が止まらない状態になっていますが、海外展開の内容も踏まえてそのフィーバーぶりを振り返ってみたいと思います。このまま離陸していくのでありましょうか。

山本一郎です。飛ぶ鳥になりたいです。

昨年ぐらいから飛ぶ鳥を落とす勢いのLINEですが、さらにその勢いが止まらないようです。

LINE登録ユーザー1億5000万人突破、南米・中東でも展開(日本経済新聞 2013/5/1)

ユーザー数が1億を突破したのは2013年1月18日、4月2日には1億3000万人突破を発表しており、日本以外でも順調にユーザーを獲得している様子がうかがえる。なお、日本国内の登録ユーザー数は4月10日時点で4500万人を超えている。日本経済新聞
今年の1月に1億ユーザーを突破したばかりで、それから半年を待たずして5000万人増というのはすごいですね。日本国外でも着実にその存在感が大きくなっているのは間違いなく、TechCrunchの英国在住記者がLINEの急成長を記事としてとりあげています。

日本発の無料メッセージ・サービス、Lineのユーザーが世界で1億5000万人に―1月の1億人からさらに急成長(TechCrunch Japan 2013/5/2)

Lineは世界市場での急成長を助けている要因の一つとして、昨年末にスペインでリリースしたスペイン語版アプリ(iOSとAndroid)とそのテレビCMのおかげで1000万のユーザーを獲得できたことを挙げている。また南米のスペイン語圏でも着実に成長中だとい。さらに フランス語版とブラジル・ポルトガル語版のアプリも3月に追加されている。TechCrunch Japan
英語圏ではすでにFacebook等の先行サービスに追いつくのが難しい中、世界的に母国人口の多いスペイン語圏で勝負に出たというのは、なかなか商売が上手ですね。アメリカも実は英語よりもスペイン語を母国語とするヒスパニック人口が多いですから、もしかするともしかするかもしれません。同じラテン語圏ということでフランス語とブラジル・ポルトガル語にも強いSNSとなれば、かなり強力なのではないでしょうか。

また、モバイルアプリの市場調査を専門とするAppAnnieの3月度アプリ動向レポートでも非ゲームアプリに関しては、iOS/Android共にLINEが収益率1位の座を獲得しており、なにか凄まじいものを感じさせます。

【最新AppAnnie報告】2013年3月の注目非ゲームアプリは?(APPREVIEW 2013/5/1)

さらにLINE関連ビジネスが目ざといのは、子供をターゲットにしたブランド戦略が粛々と進められている点かと思います。

タカラトミー「LINE」玩具シリーズ、5月より展開開始年間50億円目指す(アニメ!アニメ!ビズ 2013/4/23)
LINE、テレビアニメ「LINE TOWN」を4月から放映開始(インターネットコム 2013/3/18)

小さな子供達が親の持つスマホに強い関心を持つことはもう周知の事実であり誰も疑いようはありませんが、そういう小さな子供を持つ母親層などがLINEを普段使っていれば、当然のように子供達もLINEに登場するキャラクターへ興味を持つわけでして、そこを狙い打ちにするのは版権ビジネスの鉄則でもあります。もしかすると、半年後にはスペイン語圏でもLINEのアニメが公開され、キャラクター商品が販売されるのかもしれません。

なんとなくこの動き、ゲームから派生してどんどんビジネスを広げていったポケモンの流れをなぞっているようでもあり、まさに本来であればクールジャパン的な事例の典型として評価されても良さそうですが、しかし残念ながら、LINE株式会社は資本上韓国NHNの100パーセント子会社であり、真っ正面から日本発と謳うことは適いません。この部分が今後、LINEにとってなのか日本にとってなのかは分かりませんが、何かの弱点となってどこかに影響が出てくるのかどうか。今後も生暖かく見守りたいと思います。