iPhoneのTwitterアプリで年齢制限引き上げがあって若い利用者が混乱
日本では全年齢に広く定着しているTwitterですが、iPhoneアプリの年齢制限が従来の「12歳以上」から「17歳以上」に引き上げられ17歳未満のTwitter利用者に混乱が広がっているようです。
山本一郎です。先日話題になっておりましたが、iPhoneなどのApple iOSデバイス向けに提供されているTwitterの公式アプリで年齢制限の引き上げが最近実施されたようです。
Twitter」iOSアプリに年齢制限「17歳以上」に(ITmedia 17/3/27)
「Twitter」のiOSアプリが3月25日にアップデートされ、新たに「17歳以上」の年齢制限が加わった。なるほど。この内容だけを見ますとこれまで曖昧にやり過ごしてきたApple側のアプリ規定についてTwitter社がどうやら厳密に対応することにしたというニュアンスに読み取れなくもありません。
(中略)
Twitter JapanによるとTwitterはそもそも、13歳以上を対象にしてきた。
(中略)
iOSの年齢制限には「4歳以上」「9歳以上」「12歳以上」「17歳以上」の4種類しかない。Twitterは、確実に13歳以上のユーザーに使ってもらうため、「17歳以上」のレーティングを選んだようだ。
で、こうした年齢制限の変更の結果、多くのティーンエイジャーがiPhoneでTwitterアプリを利用できなくなってしまう状況が発生し、一時ちょっとした騒ぎになっていたようです。
iOS版Twitterアプリ、年齢制限を「17歳以上」に引き上げ一部ユーザーから「アイコンがホーム画面から消えた」「使えない」の声(ねとらぼ 17/3/27)
まあ、確かにいままでTwitterを使っていた17歳未満のユーザーからすると突然使えなくなるわけで、混乱はするでしょうね。
上記の記事にはAppStoreのレビュー欄へ寄せられた不平や星一つ評価の殺到した様子が画像で掲載されておりどんな感じであったかが分かりやすいです。まあ、我が国ではTwitterは中高生間で絶大な人気があるのでそうなりますよね。本田雅一さんがこうした状況について以下のようなコメントを寄せておりました。
ティーンの情報検索ツールとしては定番の「ツイッターで情報検索」が、こういう形で封じられるようになるとは……。女子高生達…あ、男子もか…の引っ越し先や何処に(一部ミスタイプをこちらで修正):本田雅一(本人未確認)|https://twitter.com/rokuzouhonda/status/846506424884641792「ツイッターで情報検索」という事態が一体どういうことなのかについては以下の記事が詳しいです。
知りたいことは「Twitter」「Instagram」で検索--友達の言葉を鵜呑みにする10代(CNET Japan 16/2/20)
若者を対象にしたLIDDELL調べ(2016年2月)によると、「最近検索によく利用する検索サービスはどれか。どのような時に利用するか」という質問に対して、非常に興味深い回答が得られた。Googleが33%でトップなのは大人世代と変わらないが、次いでTwitter(31%)、Instagram(24%)、Yahoo!(12%)となっている。なんと、GoogleとTwitterは利用率がほぼ同じ。InstagramはYahoo!の2倍となっているのだ。記事の最後は「情報の真贋を見極める力がとても乏しいため、鵜呑みにして軽挙妄動に走ることがないよう、周囲の大人が見守る必要があるのではないだろうか」というご意見で締められていますが、現実にはいい歳をした大人でもTwitterやFacebookに流れて来る与太やガセネタをそのまま信じ込んでいる人は決して少なくないので、なかなかむつかしいものがあります。大人も往々にして騙されるネット上のガセネタをティーンには見分けろというのも酷な話です。
(中略)
気になるTwitterだが、「速報などを知りたい時」「検索エンジンでもヒットしない情報を探す時」となっていた。ニュース速報、ライブ情報、ゴシップ・トレンドなど、最新の情報を探す時に使っているのだ。新作アプリやリアルタイムネタなどは検索エンジンではヒットしないため、Twitterが向いているとのこと。CNET Japan
それはともかく、じゃ、若者の多くがTwitterを捨ててどこかに引越したのかといえば、すでに問題のアプリ年齢制限を回避するための情報がネット上に数多く流布しているので、おそらくiPhoneを使う若者の多くはそうした技を使って無事に今もTwitterを楽しく利用しているのではないかと思われます。
【対処法】Twitter公式アプリが起動できない!原因は年齢制限?(iPhone Mania 17/3/26)
で、こうした状況で興味深く感じるのは、Android版のTwitterアプリの年齢制限は今も「12歳以上」となっていることです。
Twitter(Google Play)
先にあったTwitter Japanの「Twitterはそもそも、13歳以上を対象にしてきた」という見解と完全に矛盾しているわけですが、Android版はデタラメな運用でも良しということなんでしょうか。もちろんTwitter社もいろんな対策は考えようとしているのでしょうが、何を考えているのかはまったくもって謎です。
ちなみに、iOSデバイス向けTwitterアプリの年齢制限引き上げは日本国内に限定されて実施されたものではなく世界共通で行われております。しかし、簡単にざっと検索してみた限り日本以外ではそれほど大きな騒ぎになっていないように見受けられます。同アップデートがされたばかりの時に米国向けApp Storeのレビューではティーンエイジャーの一人が年齢制限に苦情を書き込んでいるのを確認したのですが、改めて見にいってみたところそのレビューは見えなくなっていました。まあ、日本以外ではiPhoneは高価すぎるスマホなので多くの若者はより安価なAndroid端末を利用しているでしょうし、そもそもTwitterよりもSnapchatなど別のサービスを活用しているはずですから、日本の若者と同じような反応は起きにくいのかもしれません。
これだけ日本の若者から愛されているTwitterなのですから、Twitter社はもっともっと日本市場にフォーカスしたサービスを展開して、良い意味で経営改善を目指すと良いのじゃないかと無責任なことを思ったりしましたが、どうでしょうか。