無縫地帯

ドコモが最近ダメなのはやはり組織的うつ病なんでしょうか

ドコモがスマホ向けメールのサービスをさらに半年ほど延期しました。何ということでしょう。外部からその理由を想像するだけでワクワクしますね。

山本一郎です。朝っぱらから置物生活を送っております。
出番のない会議やノマドって本当に嫌ですね。

さて、現役官僚によれば「組織的うつ病」で衰退し続ける日本のモノづくりですが、ドコモがやはりそういう事情なんでしょうか。キャリアメール施策でまた大きく躓いております。

ドコモ、スマホ向け新メール「ドコモメール」の提供開始を遂に10月下旬へ延期(インターネットコム 2013/4/22)

NTT ドコモは、スマートフォン向け新メール サービス「ドコモメール」の提供開始時期を2013年10月下旬に延期すると発表した。当初2013年1月に開始するとしていたが、計画に遅れが生じ、これまでも提供を先送りしてきていた。現在のところ、具体的な提供開始日は未定。
このドコモの発表が出る直前の4月17日に、モバイル事情に強いジャーナリストの神尾寿氏が「ケータイメールは死ぬのか」というコラム記事を書いていたのは、なんという奇遇なのでしょうか。まさにまた一歩死に近づいてしまった感があります。

当然こうした状況が色々な憶測を呼んでいるわけですが、中にはこういう見方もあるんだなという面白いブログ記事がありました。

ドコモメールの不自然な延期の理由について私が妄想してみる(鈴の音情報局blog 2013/4/21)

私の感覚なんですが、この延期を繰り返して年単位の遅れになっていることは実に不自然過ぎます。ドコモの開発力を持ってして、たかがWEBメールを年単位の延期なんて有り得ないんですよね。

で、予想なんですが、恐らくLINE越え辺りが目標なんだろうって気がしています。この延期は色々快調過ぎる結果で、欲が出まくり状態なんだろうというところかと。開発が調子付きすぎると有り勝ちです。うまい具合に世間は余り期待していないし、社内的にも延期説得しやすいような内容を含んでいるって事でしょう。
恐らくドコモの本気が見られると思いますよ。
かなりの皮肉が込められた内容でもありますが、もしかしたらそういう可能性がほんの少しはあるのかもしれないと思わせるのが、やはりドコモという通信業界における巨人ならではの存在感でしょうか。

もっとも、巨人になってしまったが故にむつかしいという話もあるわけですね。そのあたりの思いを、ドコモでiモードメール開発に携わられた栗田穣崇氏がTwitter上でコメントしておりました。

「iモードメールの父」が語るiモード成功の理由とキャリアメールの今後(Togetter)

ドコモのあまねく人に公平にサービスを提供する、という使命感は素晴らしいし、ただそれが呪縛になっていることも社内にいた人間としてはよく分かる。いちばんいいのはやはりドコモは土管に徹し、上物のサービスを社内で作ろうとはせずに、外部の会社と連携して提供していくことだと思う。
キャリアという立場とサービサーという立場が、結果として相反する価値観となって対立してしまうというお話でもあります。ドコモが本気を出すとすれば、この課題に対してどう落とし前をつけていくかということなんですが、今はまだちょっと外からは何も見えてこないなと感じます。

あと、ドコモとは直接関係ないのですが、日本の衰退論に関しては同じようなタイミングでこんなものもありました。

(ブログ更新)まじめに規則を守って仕事をすればするほど、ダメになっていく日本(竹内研究室の日記 2013/4/20)

「良いルールや必要なルールもあるんだから、規則は駄目だと一緒くたに語るな」という気もしますが、お話としては面白いので良しとします。やりたいことをやろうとすると、まず雑用から片付けなければならないのが組織ですからね。

経済に関してはアベノミクスという言葉で色々と盛り上がっておりますが、経済を支える産業の現場は笛や太鼓だけでは問題を解決できないという現実でもあります。ドコモはもしドコモメールの開発が本当に厳しいのであれば、一刻も早くmixiボイスを採用するべきですね。