自民・石原伸晃対民進・松原仁、無能界の竜虎の争い
小池百合子女史に都知事選圧勝された後始末で、自由民主党も民進党も実に酷い責任転嫁を取る中間管理職が出て、大変なことになっております。子供に見せられないレベルです。
山本一郎です。朝っぱらからいろんなところを行脚しておりました。
そんな足で書くのもなんですが、都知事選で小池百合子女史の快勝を巡って各地で敗戦処理が発生し、当事者である自民党都連、また民進党都連各々で騒ぎが勃発しております。別に揶揄する意図はないのですが、その流れがあまりにも罪深いので、取り上げずにはいられないわけであります。
都知事選で推薦候補敗北石原伸晃都連会長「党本部マター。責任者は谷垣幹事長だ」(sankei biz 16/8/2)
:何言ってるんですかね、この人…。
自民党東京都連会長の石原伸晃経済再生担当相は2日午前の記者会見で、都知事選で党推薦の増田寛也氏が敗北した問題に絡み、「知事選は党本部マター。お金も都連でなく党本部が集めたのであり、責任者は幹事長(やまもと註:谷垣禎一さん)だ」と述べた。
自ら都知事選に立候補するべく乾坤一擲の転身を図ろうと、やり方はともかく一応は自民党都連に推薦を求めた小池百合子女史に対し、内部の小池擁立論を廃して当初は櫻井俊さんを、後に落選することになる増田寛也さんを担いで小池外しを進めたのはほかならぬ石原伸晃さん本人であります。
敗戦の責任を痛感しつつも、自民党としての責任は幹事長にあると豪快な責任転嫁を果たした先の谷垣禎一さんは、ご存知のとおり自転車事故で重篤な状態で、幹事長の職を惜しまれながらも続けられない状態にある病床の身であることを考えると、石原伸晃さんの脳障害を疑うレベルです。政治家としてというよりは、人としてヤバく、責任の取り方も身のかわし方も分からない状態で、本当に大丈夫なのかと思うわけですね。
そういうヤバい一角が竜の石原伸晃さんだとすると、もう一方の虎が民進党の松原仁さんです。
「鳥越氏を連れてきた責任を全うせよ」民進・松原仁都連会長が岡田克也代表を公然批判(産経新聞 16/7/31)
何を言っているんですか、この人…一番最初に、鳥越俊太郎さんを口説こうと動いたのが松原さんじゃないですか…その後、鳥越さんに断られて、別の候補者をといって、よりによって古賀茂明さん連れてきて、その古賀さんに「宇都宮さんが降りて野党統一候補になれるなら」という条件をつきつけられたのが松原さんじゃなかったでしょうか。
そして、我らが日本の誇る最高峰のクオリティペーパーである東京スポーツにはこんな記事が出てきています。
落選の鳥越氏に恨み節全開民進都連会長・松原氏から禁断ワード(東京スポーツ 16/8/1)
:どういうことなの…そもそも、宇都宮健児さん以外で野党統一候補に拘り、候補者選びが難航した理由のひとつは松原さんにもあったように思うのですが、こっちはこっちで「自分は悪くない」的な流れになっているのはびっくりであります。
最後は気苦労の多い同氏に取材陣が「でも松原さんにはみんな同情していますよ」と声を掛けると「おまえらいいこと言うな。もっと言ってくれ」と上機嫌だった。
自民党も民進党も、都連責任者が口先では「責任を痛感している」とか「4党の結集が実現されれば、当初から勝利することができるだろうと思っていた」などと問題を認識していながら、最終的には党本部が決めたこととエクスキューズをする姿勢はさすがに自民党と民進党で鳥獣戯画でも仕上げたいのかと感じるぐらい酷い事例じゃないかと感じるわけであります。
これでは既存の政党政治が人材不足以前の機能不全に陥っていると東京都民に知らしめるかのごときの状況で、誰も責任を被らないのでは話にならないのではないかと思います。
その小池百合子女史は、当初は除名も視野にと言われていた状況から一転、お咎めなしの模様になってきました。もちろん、「いまは」東京都民は地すべり的大勝とも言える小池支持に回ったわけですが、もともと東京10区ではとりわけ女性からの支持が薄く選挙に弱い不人気小池という地金があるので、いずれメッキが剥げたところで都議会側優位になるよう話を運ばせようとするのでしょう。
自民、小池百合子氏の除名見送りへ都知事選「圧勝」で世論の反発警戒(産経新聞16/8/2)
この大都市東京で、なんとも酷い蠱毒のような状況もあるわけですけれども、まずは小池都知事の船出を見送りつつ、この断末魔のような責任の押し付け合いを見せられるストレスを解消していきたいと思います。あー、疲れた。