無縫地帯

LINEが相変わらず絶好調なようです

いまや我が国のコミュニケーションツールとしてのデファクトにもなりつつあるLINE。確かに便利ですね。そのLINEに関する現状の記事を集めてみました。なんかこちらまで好調になった気分です。

山本一郎です。Kakaoと提携しているヤフーの媒体でこんなことを書いていいのかと自問自答するわけではありますが、LINE凄いっすね。

当初は数ある事業の一つでしかなかった無料通話・メッセージアプリが、あまりに絶好調すぎて、いっそのこと社名もそのアプリ名にしてしまえということで、NHN JapanがLINE株式会社になりました。まさに今のLINEは「飛ぶ鳥を落とす勢い」といったところでしょうか。

「LINE株式会社」が発足ゲーム事業は「NHN Japan」に(ITmedia 2013/4/1)

ロイターの記事でも、SNSとして世界トップに君臨するFacebookの地位を脅かす存在の一つとして、LINEの名前が挙げられています。

焦点:無料通話アプリの利用者急増、フェイスブック脅かす存在に(ロイター 2013/4/2)

また、安倍首相もLINEがお気に入りのようです。

安倍首相:「失敗恐れるな」…LINEで新社会人を激励(毎日新聞 2013/4/1)

さらに、広告事業でもナショナルクライアントを巻き込んでの新たな展開を開始しました。

LINEの新広告「LINE マストバイ」スタート~第一弾は日本コカ・コーラ(MarkeZine 2013/4/2)

日本経済新聞がLINE発足を前にして同社首脳陣を取材した特集記事を読むと、旧NHN Japan時代に基幹事業であったはずのゲーム事業との齟齬が実はあったというニュアンスの話が語られており、なかなか興味深いものがあります。

新会社LINE発足会社分割に隠された深謀遠慮(日本経済新聞 2013/3/31)

当初は、LINEとゲーム事業を一緒にすることで、それぞれ一緒に伸ばしていけるかなという期待があった。ただ、あまりにLINEが成長しすぎたんですね。LINEがコミュニケーションのプラットフォームとして展開し始めた結果、矛盾が生じてきた。
実は、韓国では、LINEと同じようなコミュニケーションプラットフォームとして大成功している「KAKAO TALK」を提供するKAKAOが、ゲーム事業にも力を入れて大成功しているという報告例があります。このあたりは、各企業の文化が異なれば、やり方も異なるということなのでしょう。

【Google Play】1年で見えてきた【北米+日本+韓国】3つの巨大アプリ市場ざっくりまとめ。(Android × グローバル 2013/4/2)

LINEとは異なり、KAKAOゲームは週数本のゲームが投下されます。以前はリリース1ヶ月程度でダウンロードレンジも100万~500万ダウンロードが当たり前、アプリによっては500万~1000万のダウンロードもありました。
LINEの経営状態については、東洋経済がちょっとひねった見出しの記事を出して面白かったのですが、これを見たネット民が「ぷぎゃー、LINEは実はもうオワコン、ザマー」みたいな予想通りの反応をしていて、お前らちゃんと記事を読めよと。

LINE、実は営業赤字(東洋経済 2013/4/2)

実はこの記事で一番驚いたのは、LINE社長の森川亮氏が「今やスマホユーザーの9割がLINEを使って」いると発言している点です。これは国内スマホユーザーのみを意味するのでしょうが、それにしても、そんなにみんながLINEを使っているのかという……。

まだまだしばらくLINEバブルは続きそうですが、そのおこぼれに預かろうとする輩も雨後の竹の子のようにどんどん出てきています。「非公式」とつければそれで許されるのかというとそんな訳ないだろうとは思いますが、こんなのもありました。

LINEナビ|LINE非公式情報発信基地局!

これ、何がひどいかというと、LINE関連ニュースとして掲載されている記事が全部、どこかの記事の全文転載なんですね。さすがに商用サイトでこれはアウトでしょう。単なるパクリですからね。

それもこれも、勢いあって急拡大の歪みってことで、笑って済ませられる日がくるといいなあと思ったりもします。あとは、未成年者の被害とか、そういう方面で余計な横槍が入らないといいなあ、とか。

こういうコミュニケーションツールが興隆を誇ると、必ず通る道でもあるんですが。