新国立競技場が「もんじゅ」「えふいち」処理みたいになってる
新国立競技場の建設問題を巡り、国民の関心が集まり始めて対処が後手に回っている安倍政権の支持率が急落。森喜朗元首相、石原慎太郎元都知事といった文字通りの老害が跋扈して税金の無駄遣いと瞑想が止まりません。
山本一郎です。
先日、鈴木寛先生が記事を寄せておられて、その後の新国立競技場の処理についての話題が盛んになって、今回の安倍内閣支持率にも深刻な影響を及ぼし始めました。
安保法制のすったもんだよりも、新国立競技場の建設予算に関する問題のほうが安倍政権の不支持率増大の寄与率は高いということ、また担当大臣の下村博文さんの悪印象急上昇で各種基礎調査での「嫌いな政治家」2位に急上昇するなど、影響がどんどん大きくなってきています。
やはり「屋根」は必要!新国立競技場に関する誤解を解く(鈴木寛 ダイヤモンドオンライン 15/6/11)
新国立競技場「もう引き返せぬ」(ルポ迫真) (日本経済新聞 15/7/14)
「キールアーチをやめれば五輪には間に合う」とする建築家らの主張に対し、五輪組織委幹部は首を振る。「森会長の思いを知らないから言えること。ラグビーを飛ばして、五輪のための競技場を造るという選択肢はない」違和感を強く感じるのは、組織委会長の元首相、森喜朗(78)さんが話の中心にいることです。
新国立競技場「もう引き返せぬ」(ルポ迫真)
多額の税金が使われることと、森会長の思いがどうとかは無関係なんじゃないですか。
1,300億円が当初予算であって、これが予見できない膨らみをみせてしまったのであれば、当初計画を変更して実現可能で予算内で収まる案と、2019年ラグビーW杯の開催については代替地(日産スタジアムなど)を検討すればいいだけの話です。なぜ森会長の思いが多額の税金の使途よりも優先されることになるのでしょう。意味が分かりません。
もうひとつの障害は元都知事の石原慎太郎さんです。
石原慎太郎氏が言いたい放題「IOCの白人は傲慢」「安藤忠雄さんに責任ない」「遠藤五輪相は小者すぎ…」(産経新聞 15/7/13)
「東京都が建設費の半分を出すなんてことは私の権限で言えるわけがない。晴海につくろうとは言った。安藤君にデザインを頼むとも言ったが。(略)ここまで来たら東京と国が協力して自前でやる以外ない。ただ東京が工事費の半分出すなんて全然あり得ない」東京都が建設費を負担するという「密約」については、公然と否定してきました。ならばなぜ、そもそも東京都が国の施設の建設費を出す話が出ていたのか不思議でしょうがないわけですが、ともあれ東京都が出す理由がないことが石原元都知事の口から出たことで、これで舛添要一都知事が東京都として負担する道義的な道筋は完全に無くなりました。自民党の東京都連もどうするつもりなのでしょう。
石原慎太郎氏が言いたい放題「IOCの白人は傲慢」「安藤忠雄さんに責任ない」「遠藤五輪相は小者すぎ…」
舛添要一都知事が下村博文文科相の「ずさん」発言をTwitterで非難(スポーツ報知・LIVEDOORニュース 15/7/12)
舛添さんも数日前に途中で日和ったくせに何を言っているんだかいまいち分かりませんが、森さんにせよ石原さんにせよ新国立競技場が老害の象徴となるようなすったもんだを自演した挙句、盛大に梯子を外すような発言を連発したり、周囲が森さんの首に鈴をつけられないのか税金の無駄遣いが温存されるような流れに成り果てているのは国民の不幸以外の何物でもありません。
文字通り晩節を穢すどころではない状態になって、原発処理よりも悲惨な状況にオリンピックをしたければこのままでいいんでしょうが、もうこうなると安倍晋三首相がどこかで英断を下すしか方法がなくなっています。そして、ちゃんとした判断を国民の前に提示できていないから支持率が大きく下がっているのだということを政党関係者も官邸にいる人たちも良く理解したうえで捌いてもらうしか方法は無いんじゃないかと感じます。
ラグビー関係者も頭を抱えているそうですが、身体を張って相手の暴走を止めるスポーツをやってきたんじゃなかったですか。