無縫地帯

マイナンバー制度開始を間近に控えてトンデモ案件も準備が進んでいるようです

マイナンバーですったもんだする一方、「マイナンバー占い」が商標登録出願され、日経グループとは無関係と見られる日経ゴルフという会社が出願人となっていて問題ありげで注目を集めています。

山本一郎です。牛乳を飲んだらくさいうんこが出ました。

ところで、今年の10月から国民一人一人に向けてマイナンバーの通知が順次開始されます。しかし、ナンバーをもらったからといってそれを直ぐに使う機会はあまりないかもしれません。せっかく手に入れた番号なので、何かで試しに使ってみたいと思うような好奇心の強い人がいたとしてもあまり不思議ではないかもしれません。

で、そういう人達のためにマイナンバーを使う機会を作ろうじゃないかと考える人も当然いるわけです。

[商願2015-50403]
商標:マイナンバー占い /
出願人:株式会社日経ゴルフ /
出願日:2015年5月15日 /
区分:9(録音済みのコンパクトディスクほか),16(書籍ほか),41(インターネットによる映像の提供ほか)商標速報bot
マイナンバー占い…。これはやってしまいましたなあ。

インパクトありますね。これはもしかして、マイナンバーを入力すると占いが出来るサービスが企画されているということでしょうか。ネット対応も検討されているようです。

これだけの面白ネタをネット民が見逃すわけもなく、早速、出願人のことなどが言及されておりました。

なにこれ。しかもこの会社は日本経済新聞とはまったく関係ないらしいし。> 「マイナンバー占い」flurry
「あれ?日経ゴルフって日本経済新聞にもあったよね?」と思って調べてみたら正しくは「日経ゴルフガイド」だったししかも2年以上前に閉鎖してた( golf.nikkei.co.jp ) FX-702P
改めて日経ゴルフで検索してみたところ、ゴルフ会員権の売買を生業とする企業のようです。

日経ゴルフ会社案内

さらに、同社の社長はネット黎明期に大きな成功を手にした一角の人物でもあるようです。

【本田 晃一】インターネット黎明期にインターネットだけでゴルフ会員権を18億円売り上げたスゴい人!(日刊スゴい人 14/7/25)

2年掛かりでホームページを作り、スタートしたら初年度で10億の売上が上がりました。日刊スゴい人
ホームページ制作に2年ですか。今の時代ではとても考えられないような非常に壮大で夢のある話ですね。やはり昔は良かったということなのかもしれません。とはいえ、その時代でそれだけの仕事をしていた本田晃一さんという人を聞いたことがないんですよね。

で、こうした流れの中で、とある弁護士の先生が興味深いことをつぶやいておられました。

うは、昨日の日弁の委員会で「マイナンバー占い」とかいって番号を集めるサービスとか出てきそうだな、と冗談で話題に出たことが現実味を帯びてくるとは!(´・ω・`) YUKIKeiichi
やはり関係各所では、好ましくないマイナンバーの使われ方などを事前に色々とシミュレーションしており、さすがにそれはやらないだろうというような悪質なパターンが最初に登場してきたという感じでしょうか。

残念ながら、占いのためにマイナンバーや諸々の個人情報を嬉々として入力してしまうような人は決して少なくないような気がします。その対策として、今から国民のITリテラシー教育に力を入れて誤ったマイナンバーの使い方がされないように注意を促そうみたいな悠長な話はちょっと厳しい。それでも諦めずに地道に啓蒙していくしかないわけですが。

それにしても、年金機構の情報漏洩事件を巡るゴタゴタなどを見ていると、大規模な組織でセキュアな情報管理を徹底するということのむつかしさを痛感します。さらにそれを国家全体規模で実現しようとなると、まず事故をゼロにすることは不可能でしょう。従って、最初から情報漏洩などの事故が起きることを前提にして、事が起きたときの効率的な対応と被害を拡大させないためのルール作りが肝要であると思う次第です。

このマイナンバー占いがリリースされてしまった暁には、どういう属性の人がマイナンバーをぶち込んでしまうのか、いまから興味津々でなりません。むしろ、国が買い取ってマイナンバーを入力した人を片っ端から「低知能認定しますた」とか「本格的に頭が悪いンゴねぇ…」などと煽る仕組みができると日本国民のリテラシー底上げに貢献できるような気がしました。

今後ともよろしくお願い申し上げます。