日本の出生率を上げようよ、平たく言うと子供生もうよ
我が国の閉塞感の原因は、子供の不足です。高齢化じゃないんですよ。なんで長生きして閉塞するんですか。子供の割合が少ないから、将来に希望が持ちづらいんじゃないですか。
やまもといちろうです。
産経新聞の記事で、膝打ちした内容がありました。
人口減少対策「出生率2.0」実現に総力を(産経新聞)
これはもう、仰るとおりです。7年ほど前に、Finalvent爺がこんな記事を書いておられました。fenestraeさんの指摘も、「人口増加している先進国は移民が多い」という偏見を打ち破ってくれます。
出生率向上は米国にも学んだら(極東ブログ)
フランスの出生率2.0へ(Finalventの日記)
フランスの高出生率を支えるもの--移民の子だくさんという先入観。(fenestrae)
総覧としては、出口治明さんがDiamondで連載しておられますこの記事が示唆に富んでおります。
若い人が子どもを生まないのは国の責任。駅に24時間営業の保育所を!(出口治明の提言:日本の優先順位)
データを見れば人口減少の深刻さは自明。なぜ人口を増やす政策を総動員しないのか(出口治明の提言:日本の優先順位)
出口さんも論じておられるとおり、人口に関するシラク三原則については、我が国についても然るべき分析は行われ、議論として充分に成立していることは良く分かります。平成24年度の「子ども・子育て白書」を読んでも、大変な力作となっており、子育てしている私にとっても納得する記事や指摘が満載です。概要だけでも読んでみてください。
子ども・子育て白書 (旧少子化社会白書)
また、社会保障データベースが更新されました。日本の現状が良く分かりますね。凄いペースで日本人が減っていきます。次の世代が過疎である責任は、いまの世代を生きる私たちが負うべき問題でもあるのです。
社会保障統計年報データベース
「議論を尽くされているのに子どもは増えない」状態というのは深刻です。たばこの健康への悪影響を頭では分かっていながら禁煙が進まないのと同じです。社会のために子どもを生むわけではないけれど、自分のために子どもを生み、育てるインセンティブが国から提示されなければ、なかなか国民は子どもを生もうとしません。それは、国の責任であることは言うまでもないのです。
政治がいけない、指導力が無い、と批判するのは簡単なんですが、子どもを増やす政策を政治家が取るための、指導者自身のインセンティブを握っているのもまた私たち国民であります。幸いにして、産経新聞の言うように菅さんが発言してくれているような方向へ政策が動き、具体的な活動に従事できるようにすることが、私たちにとって喫緊の課題であると思うんですよね。
ぶっちゃけ、出生率を向上させるためには国民の出産へのインセンティブが必要で、インセンティブをかきたてるには政策が必要で、政策を実現するには政治家のインセンティブが必要で、政治家のインセンティブを高めるには国民の要請が必要です。出生率の議論は有識者の間では「何が必要か」がすべて分かっているので、一人でも多くの国民が「地域や社会を衰退させないために、政府や自治体が出生率改善のための予算をつけるべき」という主張をしないといかんということなんですね。逆に言えば、出生率向上に寄与したがらない政党は売国奴だと批判されても仕方が無い状況なのだということでもあります。
我が国では、シラク三原則に加えて労働行政の不徹底も根底にあるので、そう簡単ではないのかもしれませんが、一刻も早く踏み出さないとみんなどんどん年を取っていきます。かなり待ったなしの状態だと思うんですよね。シラク三原則に日本的なアレンジは必要だとは思いますけれども、早く対策を取ってもらえるよう行動していかないといけないと思います。
そういう私も、現在家内が第三子を妊娠しており、週末は家族サービスに駆り出されている真っ最中であるわけですけれども。大変だけど、楽しいですよ、子育て。