AmazonがIoTビジネスでリードを広げるべく新施策を展開中のようです
Amazonが新しいサービスとしてプライム会員向けにDash Buttonを無料リリース。まさにIoTの概念で主たるサービスに位置づけたい系統のビジネスですが、果たして勝算はあるのでしょうか。
山本一郎です。なんか急にまた寒くなってしまいましたが、皆さん体調には充分ご留意いただければと思います、はい。
ところで、またAmazonの話題を取り上げることに…最近は同社ネタが続いて申し訳ありませんが、それだけビジネス拡大を目論み貪欲に頑張っているということでもあるかと。で、今回はドローンと並びIT界隈におけるバズワードの筆頭であるIoTにまつわる案件です。
アマゾン、日用品の『物理ポチッとボタン』Dash Buttonを無料配布。押すだけで補充品を配達(Engadget日本版 15/4/1)
ネット通販を超えて『買い物』の概念そのものを粛々と書き換えつつある米Amazonが、プライム会員向けに新デバイス Dash Button の無料配布を始めました。小さなボタンが単独でネットに接続されて機能するという、まさにモノのインターネット的な発想のサービス。記事を読むだけでは分かりづらいですが、リンクされている動画を見れば一目瞭然です。
Dashボタンはどこにでも貼れるシンプルな1ボタンだけデバイス。食品や洗剤など定期的に補充する日用品の近くに貼っておき、減ってきたところで物理的にポチッとすれば、自動的にアマゾンに再注文して追加が届く仕組みです。Engadget日本版
実はAmazonは専用ガジェットを使って日用品の通販に特化したサービスをすでに昨年から提供していましたが、それをさらに一歩突き進めたという感じでしょうか。
音声入力もできる発注バーコードスキャナー「Amazon Dash」登場(ITmedia 14/4/5)
米Amazon.comは4月4日(現地時間)、音声入力あるいはバーコードの読み取りで商品を発注できるガジェット「Amazon Dash」をAmazonFresh会員向けに発表した。ITmediaしかし、これだけでは用途が限定されているのを見ますと、これで本当にビジネスとして広がりがあるのだろうかと疑問を感じなくもありません。そこはAmazonも抜かりがなく、真に可能性を探っているのは同時に発表された次のサービスであろうと想像されます。
Amazon.com、日用品をボタン1つで注文できる小型機器「Dash Button」(ITpro 15/4/1)
Amazonは、外部企業と連携し、商品の自動注文を可能にする「Dash Replenishment Service(DRS)」を発表した。これはさまざまな機器に消耗品の使用期限などを感知するセンサーを組み込み、Amazonへの注文を自動化するというサービス。Wall Street Journalによると、Amazonは同サービス開始に向けて浄水器メーカーのBRITA、家電メーカーのWhirlpool、ブラザー工業などと提携した。Britaは現在、フィルターの交換時期が来ると自動でAmazonに注文するポット型浄水器を開発している。またWhirlpoolは、洗剤とシート柔軟剤を自動注文する洗濯機と乾燥機を、ブラザー工業はインクカートリッジを自動注文するプリンターを、開発しているという。ITpro消耗品の自動発注サービスこそまさにIoTが目指す王道の一つ。それを機器メーカーと提携してすでに開発中というのはさすがAmazon。自前でAWSという最先端のクラウドインフラを持っていることも強みとなりそうです。まあ頑張ってくれよ。この辺りの体力差は、今後IoT的なものが普及していく際に大きく影響してくる可能性はあるのではと感じます。電子書籍同様にAmazonがデファクトの地位をあっさりと持っていってしまうのかどうか。まだ始まったばかりの戦いではありますが、ここでのんびりしていると一気にリードを広げられてしまいますので、とくに国内事業者にはしっかりと頑張っていただき拮抗できるような優れたサービスの登場を期待したいところであります。
mixiのIoT参入と早期撤退を心よりお待ち申し上げております。