無縫地帯

レイバンのスパムがTwitterで流行っているようです

このところ、レイバンの販売サイトへ誘導するスパムが流行しており、しかもその発信源は何者かに乗っ取られた普通のTwitterアカウントからでありまして、物議を醸しております。

山本一郎です。スパムで初めてレイバンが何かのブランドであることを知りました。

というのも、Twitterユーザーの間でレイバンが流行っているようでして。流行るといっても、レイバンのサングラスを着用する人がTwitterユーザーに増えているということではなく、レイバンの偽広告ツイートが横行しているという話ですが。

「レイバン激安」Twitter乗っ取りでスパム送信、勢い衰えず有名人も被害に(ITmedia 15/3/6)

今年1月ごろからTwitterで出回っていた、ユーザーのアカウントを乗っ取り、ブランド品の激安通販サイトを宣伝するスパムの勢いが、3月に入っても止まらない。特に「レイバン」のサングラスを宣伝するスパムが目立っており、芸人のぜんじろうさんなど有名人も被害にあっている。ITmedia
どれくらい流行っているかをうかがい知れるデータとしては漠然としていますが以下のような数字がありました。

ツイッタースパム撃退法、別ソフト利用の新手も(読売新聞 15/3/6)

筆者が3月4日に観測しただけでも、リツイートが数千件に及ぶ宣伝ツイートが複数あり、少なくとも数千人、実際には万単位のTwitterが乗っ取られていると思われる。読売新聞
あくまでも個人が観察した範囲からの推測ということですが、今回のTwitter界隈の騒ぎぶりからすると「万単位」でアカウントが乗っ取られているという可能性も決して大袈裟ではなくあり得る話かもしれません。なお、この読売新聞の記事では、Twitterでスパム行為の被害に遭った際の対応策や被害に遭わないための予防策なども記されていますので、Twitterユーザーなら一度目を通しておくといいでしょう。

SNSをはじめとしたネットサービス等のアカウントを乗っ取る行為はこのところ増加傾向にあり、また乗っ取るための手法もさらに手が込んできていて、例えば今回のレイバンの件のようなスパム行為の被害に遭ったユーザーを狙ってさらに乗っ取りを目論もうとするツイートなども横行しています。

ツイッターで「広告が勝手にRTされる方へ」という、スパムツイートに注意!(まちなか情報キャット 15/2/8)

Twitterのタイムラインに、「広告が勝手にRTされる方へ」や「スパム対策アプリを作りました」などのツイートで、ウソの対策アプリへ誘導するケースが発生しています。

ツイートには「アプリ承認すると自動削除が開始します」となどと書かれ、記載されているのURLをクリックするとTwitterのアプリ認証画面に誘導されます。認証してしまうと勝手に広告や不適切なリツイート(RT)をされてしまいます。まちなか情報キャット
このようにして、ネットのリテラシーにおける食物連鎖が構成されておるのですなあ。

被害に遭ったユーザーを狙ってさらに追い打ちをかけるというパターンでは、iPhoneの盗難に遭ったユーザーを対象にしたフィッシングも報告されています。

iCloudのログイン情報を盗むフィッシングサイトが登場--Symantecが注意喚起(マイナビニュース 15/3/6)

この手の詐欺を防止するためのポイントは見知らぬ送信元から迷惑メッセージが届いたら警戒し、リンク先のWebサイトのURLを注意深く確認することだという。マイナビニュース
大切なスマホの情報が無くなったりしてパニック状態にあると、こういう冷静な対応はむつかしいであろうことを逆手にとった犯行とも言えそうです。幸いなことにこちらの事案はまだ今のところ日本では起きてないようですが、今後同じような事が起きる可能性は決して低くないでしょう。注意したいものです。

それにしても、スパムそのものはともかくレイバンのモノを売っているサイトはちゃんと実在するのですから、スパム業者に何らかの係わり合いのあるこの販売サイトを締め上げれば仕組みのひとつも分かるんじゃないかと思うんですが、あまりそういう話にはなってないですね。

こういうスパムを派手にやると、返り血をしっかり浴びるシステムが求められているような気がします。