今年もWindowsサポート終了にまつわる騒動がやって来そうですね
昨年は「Windows XP」のサポート終了で一騒ぎありましたが、今年も「Windows Server 2003」のサポートが満了する予定です。お役所方面は大丈夫なのでしょうか。
山本一郎です。拙宅でもXPはワープロ専用機として現役でした。
昨年は、そんなWindows XPがサポートを終了するということで色々と波乱がありました。ちょっと思い返しつつ雑記を書きたいと思います。
XP終了で世の中が色々と盛り上がったようです(14/4/24)
しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよく言ったもので、あの時の騒ぎを踏まえて今後は用心しようなどと思っている人はそれほど多くないのかもしれません。
今年もまたWindowsの名前がつくOSの一つがサポート終了を迎えることになります。サポート終了を一年前に控えた昨年の夏にはIPA(情報処理推進機構)からも注意喚起が行われておりました。
Windows Server 2003のサポート終了に伴う注意喚起(情報処理推進機構 14/7/15)
2015年7月15日(日本時間)にマイクロソフト社が提供しているOS「Windows Server 2003」のサポートが終了します。OSのサポートが終了すると、たとえ新たな脆弱性が発見されたとしても、修正プログラムが提供されなくなり、脆弱性を悪用した攻撃に遭う可能性が高まります。情報処理推進機構Windows Server 2003はサーバーOSという性格上、その普及台数はXPに較べるとはるかに少なくなります。
Windows Server 2003の国内稼働台数は26万4827台、MM総研(ITpro 14/12/5)
国内で稼働するWindows Server 2003搭載サーバーは、2014年10月末時点で26万4827台となった。これは、国内のx86サーバー稼働数の12%に相当するという。しかし、このようなWindows Server 2003搭載サーバーは当然のことながら、企業や団体の重要なデータを扱っている可能性が非常に高く、しっかりしたセキュリティ確保が求められるのは言うまでもありません。当然ながらOSのサポートが終了すればセキュリティ面での担保が出来なくなりますから、それ以前にOSの移行を完遂しているのが理想となります。しかし、上記記事によれば「サポート終了までに入れ替えが完了すると見られる台数は、総台数の39%に留まって」いるとあります。つまり6割を越えるWindows Server 2003ユーザーは、サポートが終わってもそのままセキュリティに不安を抱えたままの状況に突入するということになりそうです。
(中略)
国内で動いているWindows Server 2003搭載サーバー26万4827台のうち22万3327台が、従業者数250人未満の中堅中小企業・団体が保有していると推計する。ITpro
これはなかなか大変な事態になりそうだなと思っていたわけですが、さらにひどい話が舞い込んできました。
7割近くでサーバー更新間に合わない見込み(NHKニュース 15/1/27)
NHKが全国のすべての都道府県庁を取材したところ、全体の7割近い32の都道府県で更新が間に合わず、使い続ける見込みであることが分かりました。使い続ける理由として、各自治体は、更新のための予算確保が難しいことや、開発したソフトウエアが使えなくなることを挙げていて、期限切れ以降は外部と接続しない対策を取るなどとしています。東京都や大阪府、愛知県って、大規模都市ばかりじゃないですか。「期限切れ以降は外部と接続しない対策を取る」とか随分と悠長なことを言っているようですが、サーバーである以上は役所内の他のマシンから接続されるわけですから、その経路からサイバー攻撃される可能性は間違いなく存在します。さすがに、マイナンバー関連のようなデータが古いWindows Server 2003マシン上で処理されることはないと思いますが、東京都や大阪府が「サーバーのリース期間がまだ終わらず、新たに契約すると費用がかかるため」この際セキュリティ面は目をつぶるというのはなんともすごい感覚だなと感心するばかりです。
(中略)
サポートが打ち切られたあとも「『ウィンドウズサーバー2003』を使い続ける」、または「使い続ける見込みだ」と回答したのは、東京都や大阪府、愛知県など全体の7割近い32の都道府県でした。NHKニュース
今年は役所から個人情報が大量流出して世界中のハッカーサイトに掲載されるみたいな事件が起きても何の不思議もないですね。古いOSでも使いどころがちゃんとしていれば問題ないとはいえ、問題が起きてからでは遅いのだという危機感を持ってどう取り組んでいくのかはとても重要なことだと思うので。
そろそろ東京五輪2020もあることですし、根本のところを考え直さないといろんな問題を起こし始めるのではないかと心配する次第であります。