無縫地帯

丸田みわ子さんという野菜ソムリエが他人の画像を勝手に加工して掲載して炎上そして他サイトに延焼

他人の画像を反転してWeb記事にするのがどうやら一部のサイトで流行っているようですが、野菜ソムリエの丸田みわ子さんがやらかし、さらにそのネタをばいらるメディアがパクって騒ぎが広がっているようです。

山本一郎です。不幸なことに、私の記事をパクられたことはほとんどありません。善良で格調の高い文章しか書かないからでしょうか。

ところで、かなり深刻な画像のパクリ行為があったといことで、ネット民の間で騒ぎになっていたのですが、事の経緯が分かりやすい形でまとめられたブログ記事がありますのでご紹介しておきます。

シニア野菜ソムリエの丸田みわ子さん、画像を反転させて盗用するという手口がバレた上に余罪が芋づる式に見つかる事態に(今日も得る物なしZ 14/12/16)

なんかブログの画像がパクられたという話があったので調べてみたらすごかったという話です。
(中略)
見た感じ、ブログに載ってる写真で写真提供者の名前が掲載されてないものはかなり怪しいと思っている。
おかしなトリミングが施されていて料理写真が右半分に偏ってる写真とか。
つか画像を加工してまで盗用をしているので「盗用は悪」という認識が多少なりともあるはずで、その上で盗用してるんだからかなり質が悪い。
そもそも基本的に料理写真は一番美味しく見えるように計算されて撮影されてるはずなので左右反転なんかしたら台無しだということを料理研究家のくせにわかってないのだろうか。
今日も得る物なしZ
なるほど、これはちょっとひどいですね。思わず液晶の前で「これはやってしまいましたなあ」と口から出てしまいました。ネット上に公開されている画像を無断で使用している上、元の画像とすぐには分からないように反転するなどの加工を行っていたということのようで、かなりの確信的なぱくり行為と疑われても仕方ないことではないでしょうか。

問題の記事を執筆したご本人もさすがに言い訳できないということで、謝罪文を個人ブログの方に掲載されております。

画像使用についてのお詫び(美養食研究家/シニア野菜ソムリエ 丸田みわ子のビューティー野菜料理教室 14/12/16)
上記ブログ記事のウェブ魚拓

私が連載しているIGNITE様の記事のうち、「今年の秋冬にブレイクの予感!クリームポテトを使ったおつまみレシピ3点」(平成26年9月25日付け)において、Twitterアカウントbrownsugar_t様のb’s mono-log掲載の写真1枚をbrownsugar_t様に無断で使用し、brownsugar_t様にご迷惑をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げます。

インターネット上の素材集をまとめたサイトに掲載されていた画像について、実際にはbrownsugar_t様が著作権を有しているにもかかわらず、著作権の問題の有無を確認しないまま使用し、さらに反転、加工を行ったというのが今回の無断使用の経緯です。美養食研究家/シニア野菜ソムリエ 丸田みわ子のビューティー野菜料理教室
ここに記された「インターネット上の素材集をまとめたサイトに掲載されていた画像」というのは、どこの誰が作ったかも分からないような怪しいまとめサイトに無断で集められた画像をコピペして使ったということなのでしょうか。料理ライターとして「東洋経済Books Online」などに連載を持つ一方、テレビ番組にも出演し、さらにはフロリダ州柑橘局のPR活動までされているプロの方でも、著作権に関する意識というのはこんなに低いんですね。かなり驚きました。

まだネットが牧歌的だったころは、拾い物画像に面白コメントをつけて楽しむ的な大喜利遊びが流行りましたが、さすがに著作権に関する考え方が浸透したいまとなっては、出所不明の画像を流用するのはなかなかむつかしいことになる局面が増えるわけですね。

美容食研究家/シニア野菜ソムリエ 丸田みわ子のプロフィール(Ameba)

今回の事件をきっかけに、もう少し著作物に対する意識を高めたいただきたいところです。画像の扱い方ということでは、こちらのブログ記事などが参考になるかと思います。

ストックフォトエピソード著作物の改変(神楽坂で働く社長のひとりごと 12/6/22)

ネット上に存在する無償のコンテンツは、著作者人格権は行使しないのか?ということです。
上記に述べたように無償で配布されたものでも、加工、改変は許したことにはなりません。
加工、改変したものを原著作者が見つけて、同一性保持権の侵害だと訴えたとしたら、非は加工した側にあります。
無償で配布して、加工された画像を見つけて不正利用を訴えるという詐欺みたいなオフサイドトラップだって可能性はあります。
こういうリスクがあることは覚えておいたほうがよいですね。神楽坂で働く社長のひとりごと
で、問題の記事を執筆した当人は謝罪したわけですが、一方で当該記事を掲載したバイラルメディアの方は、とくに問題があったことをサイト上で説明するでもなく、ただ記事中の写真を差し替えるだけで、何も起きなかったこととして事件を葬り去る意向のようです。写真を無断使用された当事者であるB(@brownsugar_t)さんの心中を察すると、私まで怒りを感じずにはいられません。

.@ignite_jp 編集部より提示された12月17日中の説明はなされませんでした。予定より遅れている旨の事前連絡も特になし。誠意ある対応をしていただけない、とみなすことにします。B
こういう事態に義憤を感じている人は少なくないと思いますが、ジャーナリストの石野純也氏もそうした一人で、熱いツイートを書き込んでおられます。

イグナイトとかいうバイラル剽窃メディアは、結局逃げ切るつもりなんだろうか。謝罪するとか言ってギリギリまで何もアクションなしだから、そう思われても仕方ないし、何よりも誠意がまったく感じられない。Junya ISHINO/石野純也
まだ掲載される気配もないどころか、連絡すら絶ってるようなので、改めてRTしとくか。こういういい加減な会社が小学館とか徳間書店に関わってるのがホントに不思議。同レベルに見られるのは非常にかわいそうというか、怪しいところはさっさと切った方がいいのでは? と思ってしまう。Junya ISHINO/石野純也
首が捻挫するほど激しく頷くことしきりでありますが、他にも多くのネット民がこの事件には参戦しているようで、その辺りの様子は以下のまとめなどから窺えます。

【常習犯?】野菜ソムリエがおつまみ写真を無断転載「節子、それクリームポテトやない!いぶりがっこマスカルポーネや!」(Togetterまとめ)

まあ、やりすぎると水に落ちた犬を撲殺方面になりかねず、程度を考えたほうがいい場合もあるかもしれませんが、いまなおこの手の剽窃は絶えません。

バイラルサイト側のとぼけっぷりも十分に堪能できますので、この辺りの祭りが好きな方は是非。