無縫地帯

感動と癒やしのSNS、素晴らしいですね

新しいツールやサービスが流行すると、一気に盛り上がって、やがて疲れていなくなるの繰り返しをしているウェブ界隈ですが、ポケベル利用のころから情報流通というのはやはり根っこに「感情」を宿すようです。

山本一郎です。どうも膝が痛いので、いっぱいオクラを食べている毎日です。

普及レベルですでにキャズムを越えて久しい感のあるSNS「LINE」ですが、ちょっと気になる話を見かけました。

LINEで勝手に他人のメールアドレスを登録できる件 (追記あり)#LINE(あろえの備忘録 2013/3/16)

LINEはメールアドレスを利用した登録フローが簡易化されているため、他人のメールアドレスで偽装登録することも比較的簡単にできてしまうようです。

上記ブログでは、追記として、LINEカスタマーサポートから連絡がありブログ記事を書かれた方のトラブルは解消されていますが、依然として問題のある登録フローについては「現在対応を検討中」とのこと。これだけ人気のあるSNSが、なりすましや乗っ取りを簡単に許してしまうシステムで運営されているのは由々しき問題ですから、早急な対応を望みたいところです。

LINEといえば、ネタ記事としてこんな話もありました。

LINE世代は「感動」「泣けた」話ばかり2chおっさん「世界が違う」と嘆く(J-CASTニュース 2013/3/18)

さすがJ-CASTニュース、興味は持てるけどまったくもってどうでもいい話で、絶妙な筋を攻めるセンスが凄いです。こういう「感動」を売りにしているのは何もLINEに限ったことではありません。古くはテレビ・ラジオ・週刊誌といったマスメディアから、件の比較対象となっている2ちゃんねるのスレでも感動ネタは多数目にすることができますし、mixiもしかり。また、Facebookではデマで感動の大安売りが流行っているようです。

デマでも感動的なら良いの?Facebookで拡散される「ウソいい話」と指摘まとめ(NAVERまとめ 2012/2/17)

人は感動を求める生き物なのかもしれませんね。デマもフィクションの一部と考えれば、他人に迷惑のかからないような罪のない類なら、それはそれでありなんでしょう。また、津田大介さんばりに「デマもネットなら複数の目で修正される」という信心も、あまりのデマの多さにあまり機能しない雰囲気すら感じます。

この手のSNSで人気がある話題といえば、他に「癒やし」系な話や画像などもよく共有されていますが、その癒やしネタで一儲けたくらんだ業者がいたようです。

Facebookの人気画像まとめ「癒されたらシェア」書籍化で非難「問題あったら連絡してね」は許されるのか?(ねとらぼ 2013/3/15)

「癒されたらシェア!」は、かわいい動物や美しい景色などの写真を中心に紹介している人気ページ。以前から「転載画像でユーザーを集めている」といった指摘はありましたが、このページが「書籍化」されることがアナウンスされると、たちまち「あり得ない」といった指摘が相次ぎました。
SNSの抱える問題の一つに、出所が不明確な情報を皆で共有・転載していってしまうという事実があって、これは著作権侵害行為となりうるわけですね。SNSの中だけで、誰も営利につながっていない間は「グレー」ということで、なんとなく不問になっていることも、一度誰かが営利行為につなげてしまうと、もう一つのネットの華、「炎上」につながるというわかりやすい例でした。

上の事例では、当該事業者が問題点を本当に理解しているのかどうか、単にとぼけているだけなのか、なんとも怪しいようにも見えますが、それにしても著作権にまつわる諸々は、専門で仕事をしていないとなかなか理解が難しいという話でもあります。画像の転載とはまた別の事例ですが、こんなお話がありました。

【基本】対象が著作物でなくても著作隣接権は発生します(栗原潔のIT弁理士日記 2013/3/17)

割と勘違いされている(自分も昔は勘違いしていた)著作隣接権に関する重要ポイントについて書いておきます。
著作権関連について高い見識をお持ちの栗原氏でさえも勘違いされていたということですから、普通の人が著作権を誤りなく運用するのはなかなかハードルが高いです。SNSが普及して、誰もが簡単に情報を共有できてしまう事実はもう覆せないわけですから、著作権については、誰もがわかりやすく、なおかつ納得できるようなルールと説明が望まれているのかなと感じます。

もうこの辺は、SNS疲れとか言ってる前に利用者のリテラシーを向上させて「デマに流されないようにしよう」という話をするしかないんでしょうが、でもやっぱりそれっぽいデマがネットで流れてくると興味持って見てしまいますわなあ…。