無縫地帯

日本は民主荘園公領制になるようです

自治体再再編待ったなしの状況ですが、人口5万人に満たない自治体に対して中央から総務省の若い官僚が送り込まれるという素敵な制度が検討されており、これは荘園制復活ののろしではないかと思うわけです。

山本一郎です。老後は先祖のお墓を守りながら田舎でオクラでも栽培しながらゆっくりしたい派です。

ところで、先日ニュースで素敵な話題が流れてきており「おっ」と思いまして。

人口5万の自治体に中央官僚派遣政府、地域活性化を後押し(47news 14/09/29)

もちろんいままでも数々の自治体に対して中央から官僚の方が降りていくシステムはありましたけれども、今回は「地域活性化を後押し」する目的でそのまま若手官僚が現地入りする仕組みになりそうです。

「日本版シティーマネジャー制度」と銘打ち、人口5万人程度の自治体を対象に、地方創生の取り組みを実行する政策立案や予算編成に当たり首長を補佐する。

新たな派遣制度に関し、石破茂地方創生担当相は29日、官邸で記者団に「来年度からできるよう、これから詰める」と強調。人口5万の自治体に中央官僚派遣政府、地域活性化を後押し
いやー、まさかの守護職復活ですよ。

地域が活性化するかどうかはともかく、仕組みとして「とりあえずできそうなことからやってみよう」という意気込みがビンビンに伝わってくるロマンティックな制度ですね。しかも、現地には民主的に選ばれた首長がいたうえで、それを補佐する仕組みですので、かなり本格的な荘園公領制であり、地方交付税という意味では不輸不入の権が確立していますので、これは幕府直轄領にするための布石なのではないかと感じてしまうわけですよね。そのうち奥羽探題とかも制度的に回帰しそうな気になるので不思議です。

それだけ日本の人口減少に伴う地方経済の疲弊は対策待ったなしだという話であります。それだけ、地方が自力で立ち上がろうにもなかなかむつかしいということの裏返しでもあるのでしょうけど。そして、地域活性化のために現地入りした役人さんがいつの間にか自治体再再編の尖兵として自治体の尊厳死に導きお経を上げる僧侶に変身するかもしれず、それはそれで大事な役割を担うことになるんですね。

その意味では、やはり生きていける自治体と死ぬしかない自治体を然るべき形で峻別して、生き残れるところに対してしっかりと予算を落として人口を寄せていき、衰退を防ぐという方法論以外にないという判断なのでしょう。たとえその方法論が微妙だったとしても。

そのうち中央で功績を挙げた重臣が地方に転封されて豪族化して武家政治が始まって戦国時代になるのかもしれませんが、そうなったら活気ある日本が帰ってきたということで喜ばしいことでございますね、はい。