ドコモがソフトバンクの真似だけでは足りなくて、今度はKDDIの真似をするようです
ドコモが定額制コンテンツ配信事業に改めて名乗りを上げたということで、業界では健やかな笑いが広がっています。できることはなんでもやろうという精神は素晴らしいですね。頑張って欲しいものです。
やまもといちろうです。主力の電話ではドコモを使っています。ドコモには頑張って欲しいんですよね、マジで。
前回に続いて、またドコモ関連ネタとなり恐縮ですが、日経ビジネスの「特報」によると、ドコモがスマホ向けに新しい定額タイプのコンテンツサービスを近々開始するようです。
【特報】ドコモも「スマートパス」開始(日経ビジネス 2013/3/13)
NTTドコモがスマートフォン向けに、ニュースや天気情報、交通案内など様々なコンテンツを月額固定料金で使い放題にするサービスを6月にも開始することが、本誌の取材で明らかになった。記事の見出しにもなっている「スマートパス」は、KDDIが2012年3月から開始したサービス名ですが、アプリやWebサービス、クーポンなどを月額390円で使い放題なのが特徴。この1年間で会員数が500万件を突破するなど好調ぶりがアピールされています。
auスマートパスが会員数500万を突破、プレゼント企画も(ケータイWatch 2013/3/6)
これを倣った施策は既にソフトバンクも昨年10月から開始していますが、いよいよドコモがこの定額コンテンツサービス事業へ参入してくるということですね。
面白いのは、初年度の会員獲得目標数値が「500万人」と、KDDIが1年間で獲得した数と全く同じところです。これはドコモにしてはやや弱気にも見えますが、以前に大風呂敷を広げて痛い目にあったNOTTVの轍は踏まないという反省もあるのでしょうか。
NOTTV契約者数が1月6日に50万超え、初年度目標の半分(ITpro 2013/1/7)
目標は1000万契約、いよいよ「NOTTVおっぱじまる」(ITpro 2012/3/26)
ドコモの新サービスの名称は「スゴ得コンテンツ(仮称)」と、KDDIのスマートな感じに比べるとかなりベタな印象ですが、ソフトバンクの「白戸家」を真似して「ドコモ田家」の広告キャンペーンを打ってしまったりするように、もはや国内ナンバーワンキャリアのブランドにあぐらをかいている余裕は無いということがひしひしと伝わってきます。
「ソフトバンクの白戸家を意識してますか?」(楽天woman 2013/2/13)
これを機会に、「Xi」という誰も普通に読めないようなブランド名も「LTE」にしてしまったほうが良いのではと思ったりもしますが……。っていうか、「Xi」は名前としてはいいんですけど、もうちょっと尖ったサービスの名称に使って欲しかったと感じるんですよね。だって、サイですよ。ツノおっ立ててどっか走っていくイメージしかないです。
それはともかく、このスゴ得コンテンツ(仮称)ですが、日経ビジネスの記事によると、コンテンツをネイティブアプリではなく、HTML5ベースで最初から取り組む方針で、各コンテンツ制作会社に要請しているそうで、これはドコモのかなり強い意志を感じさせます。
HTML5ベースといえば、ドコモが年内発売を目指すとされる「Tizen」です。
第三のスマートフォンOSに波は来るのか?(弊ブログ過去記事)
スマホを巡るパワーゲームがいよいよ盛り上がってきたようです(弊ブログ過去記事)
つまり、特定OSプラットフォームへの依存をできるだけ弱め、ドコモという「プラットフォーム」へビジネスを集約していきたいということなのでしょう。改めて、「脱土管」への道をまた一歩前進したとも言えそうです。好きにすればという印象を持つ読者も多いかとは思いますが、まあ戦略としてはそれなりに一貫しています。
正直なところ、通信キャリアが優れた土管であることに注力するよりも自分の店の商品を売ることに熱心な状況は、エンドユーザーとしては今ひとつありがたみのない話でもあります。もちろん、ドコモが今も通信品質の維持向上に多大な精力を注いでいることは十分に理解しているつもりですが、それでも今となってみると、iモードの成功は、良くも悪くも通信キャリアという事業のあり方を大きく狂わせてしまったのかもしれないなと感じたりもするのですよね。
「なりふり構わないで、できることを全部やる」という姿勢は素晴らしいとは思います。ただなんつーか、婚期逃した女性がお見合いサイトで手当たり次第に全員連絡するみたいなノリにならないようにお願いしたいです。