無縫地帯

子供用スマホ登場も、保護者の責任はいまなお重大すぎる

子供向けスマートフォンが登場。いろいろ安全策が講じられた逸品…のようではあるが、実は保護者のITリテラシー、それもスマホ使いとしての知識が問われ時代に。もう少しどうにかならんのかと感じますよねえ…。

やまもといちろうです。本名だって言ってんだろ。

子供にケータイを持たせるかどうかって悩みますよね。私も幼い男の子が二人お家におりますが、そろそろケータイに興味を持ち始めて、勝手に私の携帯電話を持ち出してはメモリに入っている連絡先に片っ端から無言電話やスパムメールを送ってしまうので、油断も隙もない状況です。

そんな親の嘆きが聴こえるなか、NTTドコモが、小中学生を主な利用者層に想定したスマートフォン「スマートフォン for ジュニア SH-05E」を、2月上旬から発売予定であると発表しました。いままでは、ガラケーベースのキッズケータイが出ていて愛用していたのですが、ろくな機能もないくせに勝手に落ちたり、求めてもいないのにイマドコサーチしやがったりして鼻水が出ます。どうにかして欲しいところなんですが、ついにスマホですか、時代は。

スマートフォン for ジュニア SH-05Eの大きな特徴は、電話やメール、インターネット、アプリ、利用時間・通話時間などの機能を、保護者が設定して制限できるという点です。これならうっかり子供がソーシャルゲームにハマって100万も勝手に使うことなどできなさそうで安心ですね。

特に、スマートフォンの大きなメリットである一方、大きなデメリットにもなりえる存在のアプリについては、ドコモが指定するアプリのみが利用できる仕組み。もう囲い込みたくてしょうがないドコモならではの仕様です。

端末のOSそのものはAndroidを採用していますが、一般のアプリマーケットからアプリを入手してインストールすることはできず、これはAndroidの公式アプリマーケット「Google Play」も例外ではありません、また、GoogleマップやGmailなど、Googleが提供する公式アプリも利用できないようになっています。さらにWeb閲覧に関しては、ドコモが提供するフィルタリングサービスで有害サイトを遮断できます。

そして費用面で言えば、専用のパケット定額サービス「Xiパケ・ホーダイ for ジュニア」を契約する必要があり、料金は月額2,980円。まあこんなもんじゃないでしょうか。これだけセキュリティ面がしっかりしていれば、子供にスマートフォンを持たせても一応安心な気がします。しかし、すべてを任せても大丈夫なのでしょうか。

たとえば、気になる点の1つとして、ドコモが提供するフィルタリングサービスは、SNS系のサービスでも「EMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)」が認定したサイトであれば、制限の対象外となっています。つまり、「GREE」や「モバゲー」「mixi」などについては野放図になっており、うっかりmixiなどで子供が出会われた日には大変なことになってしまいます。

保護者が「ソーシャルはよくわからないけれど、ドコモやEMAが許可しているなら安心だろう」と、そこで管理を怠ってしまうのは危険でしょう。やはり、保護者自身が子供の使うサービスを実際に確認して、それを使っても大丈夫なのかどうか判断していく必要があります。

このあたりの問題についてどう考えるべきなのかは、インターネットユーザー協会の代表理事・小寺信良氏がITmediaで連載している「ケータイの力学」という一連の記事が参考になりますが、ここでも決定的な解決策のようなものには至っておらず、やっぱキャリアがいまの枠組みの下で未成年の”健全な”ケータイ利用を促進しようとしても、結局はクソのような微妙コンテンツが使われ放題になってしまうという弱点ばかりが目立つなあと感じます。

やっぱりキッズ携帯の延長線上にスマホが来るのであれば、業界標準として安全水準を満たしている状態よりも、もう少し利用者側が安全だと感じる線引きをキャリアが考えないといけないのではないでしょうか。ポケベル時代の然り、ガラケー時代然り、女子高生だけでなくいろんな若い子たちが自分の思い思いのケータイライフを楽しむにあたって、大人が思いも寄らぬような使い方をすることが往々にしてあるのだ、ということも踏まえて、こういう商品を出して欲しいと、人の親として思う次第です。

あともう少し値下げしてくれドコモ。

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関連リンク
「スマートフォン for ジュニア SH-05E」を開発(NTTドコモ)
・「ケータイの力学」(ITmedia)