無縫地帯

Tizen、ついに立つ

Tizenがついに新たな時代の幕開けとなる発表をして胸が熱い展開となっております。また、WWDC2014ではAppleが次期OSの発表をしているようです。

山本一郎です。これは泰然としていられません。

というのも、Appleが開発者向けイベントWWDC 2014で次期OS関連の発表をして世間が騒がしいようです。

アップルWWDC 2014 キーノート速報。iOS 8、OS X Yosemite発表(Engadeget日本版 2014/6/3)
Appleが「iOS 8」を発表――iOS 7からココが変わった(ITmedia 2014/6/3)
アップルの「OS X Yosemite」、デザインなど「iOS」に近づく(WSJ 2014/6/3)
Apple、新プログラミング言語 Swift を、iOSおよびOS Xアプリ開発用に提供(TechCrunch Japan 2014/6/3)

まだ発表されたばかりで実態がどうなるのかはよく分からない部分も多いですが、注目点はやはり新しいプログラム言語が発表され、アプリ開発者界隈に対して影響が色々と出てきそうなところでしょうか。デモを見る限りでは、ゲームハード専業メーカーが涙目になりそうな機能も目白押しといった感がありますが、はたして本当のところどれくらい使えるのか検証はこれから始まるわけでして、まずは今後の諸方面の動向に注目したいところです。まあ、Googleも今月下旬に開発者向けイベントを行いますし、それを待って今後の情勢を占いたいとは思います。

しかし、AppleやGoogleがどうこうと無駄に騒いでも、これからは我らがTizenの時代が到来することは間違いないようでして、AppleのWWDC開催にぶつけて(なのか?)細かいネタを色々と披露されておりまして、なんとも胸熱な感じです。

WWDCの裏で、「Tizen」のカンファレンスもやってた!(ギズモード 2014/6/3)
やっと出た、初のTizenスマホ「Samsung Z」正式発表(すまほん!! 2014/6/2)
初の「Tizen」スマホが登場、指紋・心拍センサ備えた「Samsung Z」(インターネットコム 2014/6/2)
Samsung、Android搭載のGalaxy GearでもTizenを利用可能にするアップデートを提供開始(TechCrunch Japan 2014/5/31)

サムスンが開発しているTizen OSのデベロッパー向けカンファレンス、「Tizen Developer Conference 2014」が開催されています。

開催場所はWWDCと同じくサンフランシスコ。開催日時も被っているところがあるので、あっち行ったりこっち行ったり、両者に精通したデベロッパーたちは大忙しかもしれません。ギズモード
噂通りQ3よりロシア市場に投入予定となっています。先進国市場ではiOS・Androidがシェアを握っており、同じような路線のTizenが入り込むには不利です。噂では、まだiOSやAndroidの基盤が固まっていないインドなどの新興国市場にTizen搭載機を投入していくと伝えられています。すまほん!!
アプリは専用の「Tizen Store」からダウンロードする仕組み。App Store や Google Play に匹敵する品ぞろえを用意するのは容易ではなさそうだが、今後の動向は興味深い。インターネットコム
新機種をTizenベースとしたSamsungは、旧機種のGearでもTizenを利用できるようにすると言っていた。それは本気の表明だったようで、実際に使えるようになったようだTechCrunch Japan
ロシア市場…。

各メディアの論調にはいずれもTizenを侮っているようなニュアンスが読めますが、しかし数年後の今頃にはAppleもGoogleもTizen陣営に平伏して影も形も無い有様になっている可能性も決してゼロではないかもしれません。人生何が起きるか分からないもので、数百万分の一の可能性に夢をかけるのもまた楽しからずやということであります。

Samsungは他にもOculusと組んで新型VRヘッドセットを開発中という話もありまして、まさに沸々と野望が煮えたぎっている様が素晴らしいですね。

サムスンがOculusと共同でモバイル端末向け新型VRヘッドセットを開発中(GIGAZINE 2014/6/2)

engadgetは「もし、サムスン電子の開発中であるVRヘッドセットが成功しなければ、バーチャルボーイの二の舞になってしまう」とサムスン電子が抱えるリスクを説明。一方で、「サムスン電子のような世界規模の企業がVRヘッドセットを販売するとなると、大きなニュースになる」ともしています。GIGAZINE
Samsungの野望に巻き込まれて、Oculus、さらには同社を買収したFacebookもついでにグダグダとなってしまう可能性も見えてきたりするのでしょうか。こうなったからには「Oculusで遊べるのはTizenだけ!」みたいな方向へとことん迷走してさらなるネタとして楽しませてくれることを期待したいと思います。

このままTizenを切ったドコモ涙目みたいな展開になってしまうのでしょうか。