無縫地帯

XP終了で世の中が色々と盛り上がったようです

今月、混乱の中終了したマクロソフトによるwindowsXPのサポートですが、問題を読み返してみると各国いろんな反応があって面白いです。

山本一郎です。XPには本当にお世話になりました。

そのXPですが、日本時間の4月9日16時をもってWindows XPのサポート期間が終了しました。日本のMicrosoftのサイトには以下のようなページまで作られておりまして、世界的なデファクトスタンダードOSになるというのは大変なことだなと改めて思い知らされる次第です。

Windows XP のサポートを終了させていただきました。(Microsoft)

Windows XP のサポートとセキュリティ更新プログラム等の提供が終了しています。2014 年 4 月 8 日(米国時間)以降、このセキュリティ更新をせず PC を利用し続けることは、PC の脆弱性を解決しないままで使用し続けることになり、セキュリティ上、危険な状態になります。最新環境への移行をご検討ください。Microsoft
メディアもこの件では各者各様の報道を展開していました。

サイバー攻撃、標的の恐れ…XPサポート終了へ(読売新聞 2014/4/9)
Windows XPのサポート期間が終了、Windows Updateは今後1年間提供(ITpro 2014/4/9)
ウィンドウズXPサポート終了―されど慌てることなかれ(WSJ.com 2014/4/9)
ついに「Windows XP」サポート終了--6月末でも推定約600万台が稼働(CNET Japan 2014/4/9)
【新聞ウォッチ】さらばWindows XP、本日サポート終了あすから600万台”厄介もの”(レスポンス 2014/4/9)

まあ、ネタとして分かりやすいということですよね。おそらくはWindows 95が発売された時と同じように、普段はIT、とくにPCのことなどにほとんど興味の無い人々も含めて、圧倒的に大勢が関心をもって触れたIT関連ニュースだったのではないかと思います。

面白かったのは、報道系エンタメ番組においてアナウンサーの一人がこの件に対してかなり穿ったコメントを寄せたばかりにネット民から大きな反感を集めてしまったという事件でしょうか。

「報ステ」はブラック企業を増長させる?小川彩佳アナの「無料交換」発言に批判殺到(RBB TODAY 2014/4/9)

「米マイクロソフトは、発売から12年経ったOS・Windows XPのサポートを9日で打ち切る」というニュースに対して、小川彩佳アナは「(新しいOSと)無料交換して下さればいいのにって思いますよね」とコメントしていた。

小川アナのこの発言が、「企業にかかるコストを考えていない」と批判を浴びている。「マイクロソフトは慈善事業ではない」「前々から終了は告知されていたのに」という声と同時に「なんでも『無償で』と要求する消費者がブラック企業を生む」「報ステは今後、労働問題を扱う資格はない」といった意見も出ている。RBB TODAY
SNS上ではこの件を引き合いにして強引に、アナログ放送から地デジ移行時に無償でテレビが提供されなかったのだからそんなことを言う資格はテレビ局に無いみたいな歪んだ怨嗟の声まで散見されるなど、かなり心温まるものがありました。

それにしても、問題となったテレビ番組中においては上記アナウンサーの発言に対して古舘伊知郎キャスターが「Windows側はこれだけ長くアナウンスしてきたっていうのがあるでしょう」と大人なツッコミをしたそうですが、これはそこまでの流れを含めて面白おかしく演出するための台本があったのかどうか、その辺りは各視聴者の想像にお任せしたいところです。

さて、今回の件は世界的にも大きなインパクトのある出来事ということで海外からも興味深い関連ニュースが伝わってきております。

Windows XPの延長サポート契約をイギリスとオランダの政府がMicrosoftと締結(GIGAZINE 2014/4/7)

見出しだけ見るとイギリスやオランダは何をやっているのかと不思議に思いますが、こうしたサポート延長の事情については日本マイクロソフト広報による以下の説明が分かりやすいです。

海外では、政府や企業がWindows XPの利用を継続するため、有償による延長サポート契約をマイクロソフトと結んだとの報道もあるが、「これは日本を含め、マイクロソフトが企業や政府向けに個別契約にて提供してきたカスタムサポートを指している。XPにも対応できるが、XP専用というわけではない」(日本マイクロソフト広報)と説明する。ITpro
また、お隣の韓国でもXP絡みでは大変なことになっているようで、やや恣意的な記事内容であるためどこまで信じていいのかは分かりませんが、こんな話もあるようです。

韓国「XP」依存変わらずで機密丸裸危機…室谷氏「言うだけIT大国」(ZAKZAK 2014/4/15)

韓国外務省と在外公館で使用するすべての業務用パソコンの基本ソフト(OS)が、ウイルス感染の危険性が極めて高いウィンドウズXPだというのだ。今後約1年間はXPを使い続けるといい、自称「IT大国」が聞いてあきれる。外交機密が外部に流出するほか、政府機能が停止する恐れもある。(中略)朝鮮日報が10日報じたところによると、外務省の約1500台、179カ所ある在外公館の約3000台のすべてでXPを使用していた。新しいOSが導入されるのは来年上半期まで待たなければならずその間はサイバー攻撃に脆弱なままだ。ZAKZAK
上記記事が事実だとするとかなり深刻な状況ですね。一方、日本国内ではXPサポート終了後のタイミングで、改めて総務省が各自治体に対してXP搭載PC利用についての注意喚起を通知したそうです。

地方自治体が保有するPCの13%がXPを搭載、総務省が注意喚起(INTERNET Watch 2014/4/14)

総務省では、4月9日にサポートが終了したWindows XP、Office 2003、Internet Explorer 6について、サポート終了までに更新するなどの対応をこれまでも地方自治体に求めてきたと説明。今回実施した「Windows XP更新状況にかかるフォローアップ調査」によると、地方公共団体が保有する203万9828台のPCのうち、サポート期間終了後も業務で引き続き使用するWindows XP搭載PCが26万5143台あり、全体の13.0%となっているという。INTERNET Watch
いずれにしても、XPサポート終了の余波はまだまだ当分続きそうな気配がありますが、今後はXPを踏み台にした大きなサイバー事件などに対する警戒が必要かと思われます。

Windows XPでホスティングのWebサイト、世界でまだ6000以上――Netcraft調べ(ITmedia 2014/4/9)

で、XPが終わってみて本国のMicrosoftが何をしたかというと、妙なゲームを発表しておりました。

壊したいほど君が好き。マイクロソフト公式の「XP破壊」ブラウザゲーム(ギズモード・ジャパン 2014/4/17)

どうあがいてもバッドエンドにしかならない「Escape from XP」。公開されているのは、IEの開発者向けサイト「modern.IE」。そう、つまりこちらマイクロソフト公式ゲームです。ギズモード・ジャパン
なんというか、日本のMicrosoftが神妙な感じに謙って「Windows XP のサポートを終了させていただきました」などという文言を使って暗にクレーマー対策しているのに比べると、本国アメリカのMicrosoftは脳天気に楽しくやってる感じです。ちなみに、「Windows XP のサポートを終了させていただきました」に該当する本国サイトの表記も単純に「Windows XP support has ended」となっています。シンプルにサポートは終わった旨が告知されているだけで、そこには日本のサイトにある持って回ったような言い方の謝罪的ニュアンスは微塵もありません。文化の違いと言ってしまえばそれまでですが、こういう比較をすると色々な発見がありますね。

それだけXPは愛されたということで、各国なりのしめやかな対応を見比べるのは楽しいものです。まあ、特にオチはないんですが。