無縫地帯

Amazonはスマホ市場の荒野を目指すのか

先週、Amazonがスマホ市場にハードウェアで参入という素敵なニュースが流れ、低価格路線以外生き残り難しそうだねという論考が出回っているので改めてピックアップしてみました。

山本一郎です。咳止めとビールを飲み合わせるとヤバイということが理解できました。

ところでこれまで何度も噂が出ては立ち消えていたAmazonスマホの話題ですが、Wall Street Journalのスクープ記事をきっかけに、先週あたりから再びITニュース系サイト周辺で盛り上がっています。

アマゾン、6月にもスマホ発表―9月末までの出荷目指す(WSJ.com 2014/4/12)

関係者によると、アマゾンはここ数週間、サンフランシスコや本社のあるシアトルの開発業者にスマートフォンを披露している。アマゾンは6月末までにスマートフォンを発表し、年末商戦前の9月末までに出荷を開始したいと説明したという。WSJ.com
ネタ元となったWall Street Journalの記事を真に受ければ、すでにデモ機は稼働しているようですが、市販を前提とした量産を開始するとなれば話は全く別の次元になりますから、そのうちどこかの生産工場からのリークなどで実態が明らかになっていくのかもしれません。

それにしても、今のスマホ市場は上記記事の中でも解説されている通り、「アップルとサムスン電子だけで世界市場の49%を握っており、新規参入の余地はほとんどない」状況なので、単にスマホを作って売るというだけではビジネス的にかなり厳しいことは容易に想像できます。

で、そうした状況に対する一つの回答としてAmazonは今回、ギークが喜びそうなギミック満載の端末を用意することで市場における差別化を図るようです。

アマゾンの独自スマートフォンは6眼カメラ&裸眼3D採用?「流出写真」も登場(Engadget日本版 2014/4/16)

アマゾンフォンはこの多数のカメラやセンサ群でユーザーの視線や頭の位置、画面との相対角度などを認識することで、新しい3Dインターフェースを導入する、とされています。Engadget日本版
裸眼3D立体視というとどうしても任天堂の3DSを思い出さざるを得ないわけですが、商品説明の際のキャッチの一つとしては機能しても、ユーザーが本当に楽しいと思えるような体験はほとんど提供されなかったという感慨がありますし、テレビにおける3Dブームもアッという間に忘れ去られつつある時勢を考えると、ここであえてAmazonがまたそこに挑戦するあたり、常に世間の常識とは逆張りに賭ける同社CEOジェフ・ベゾスならではの流儀なのでしょう。

こうした状況に対して、かなり辛辣な論考を加えたコラム翻訳記事が出ていたのでご紹介しておきます。

うわさのアマゾン自社開発スマートフォン--熾烈な競争を勝ち抜くために必要なこと(CNET Japan 2014/4/17)

Amazonがスマートフォンの世界に大きな影響を与えたいのなら(報道によれば、2014年秋に発売する準備ができているという)、過去にうまく成し遂げたことに賭けるべきだ。つまり、競合他社よりも安い価格で製品を提供する必要がある。確かに、3D機能や複数の前面カメラは魅力的な機能に思える。しかし、Appleの「iPhone」とサムスンの「GALAXY S」シリーズが支配する世界において、本当の意味で注目を集めるには、可能な限り価格を抑えたデバイスを出すしかない。CNET Japan
記事の冒頭からAmazonに期待されるのは「安い価格」であって、それ以上でも以下でもないという身も蓋もない話になっています。まあそりゃそうですよねー。また、タブレットとは異なりスマホの場合にはキャリアとの紐付けが生じ販売奨励金などで低価格化が進んでいるため、従来のKindleで取ったような価格戦略だけではユーザーの目には魅力的に映らないだろうと指摘されています。

当然ではありますが、上記のようなことはAmazon側も十分承知のことでしょうから、もしかするとスマホ発売と併せてキャリア事業も開始し、破壊的な価格で通信プランを打ち出してくるといった可能性もあるのかもしれません。少なくとも、Amazonの通販に便利だからという理由だけでスマホを選ぶというユーザーはかなり限られた数しかいないのではないかと思う次第。

いずれにしても、このAmazonスマホについては当面米国内だけでの提供になるだろうという見方が大勢であり、当面はネタとして以外あまり関係ない話でもあります。それよりも、いよいよ我らがTizenスマホが年内にも製品化されるだろうという報が入ってきておりまして、これを機にドコモも再びTizenに向けて立ち上がることを大いに期待したいところであります。

サムスンの「Tizen」搭載スマホ、第2四半期末ごろ発売へ--Reuters報道(CNET Japan 2014/4/17)

サムスンは米国時間4月16日、Reutersに対し、同社初のTizen搭載スマートフォンを2014年第2四半期末ごろにリリースする予定だと述べた。同端末はハイエンド機種になる予定で、「Android」を搭載する主力スマートフォンに匹敵する製品になる可能性もあるという。CNET Japan
やはりかねてから本サイトでも主張している通り、mixiはクソみたいなゲーム事業で粉飾紛いしてないで、早々にTizen搭載モデルのmixiフォンを安価で発表して社運をかけて急旋回の上ミサイルを撃ち込まれて轟沈するのがお似合いだ。