面白いアベノミクス批判に釣られる人殺到の趣
光文社「女性自身」の記事で、いまの自民党安倍政権が弱者によりそう政策を採っていないという批判をしていますが、なぜか根拠の数字が2011年までの餓死者という安倍晋三首相と無関係そうなデータで物議に。
山本一郎です。激しい咳のついでにアレまで漏らしそうになりました。病気は確実に人をお爺ちゃんにしますね。気をつけたいものです。
ところで、光文社「女性自身」が興味深い記事を掲載していました。
弱者追いつめる政策で…さらに悪化する「アベノミクス餓死」
アベノミクスによる好況が伝えられているが、日本人の「餓死」は特殊なことではなくなりつつある。‘11年の国内の餓死者は栄養失調と食糧の不足を合わせて1,746人。およそ5時間に1人が餓死しているという状態だ。 弱者追いつめる政策で…さらに悪化する「アベノミクス餓死」冒頭からいきなり2011年の餓死者とか政権成立前のデータを持ってきて状況説明をしているあたり、凄い記事ですよこれは。
もちろん、生活保護の切り下げなど社会保障の引き下げや、格差社会の問題などもあるわけなんですが、消費税や復興税の問題然り、今後の日本社会については増大するであろう社会保障費を賄い切れないので、段階的に給付を引き下げていく以外方法がなくなっています。確かに今後は格差が広がっていく方向にあるわけなんですよね。
国が面倒を見切れないので、家庭や地域で頑張りましょうという話になるわけですが、そうすると今度は老老介護や孤独死の問題が広がるわけですね。全体の数字からするともうこれはアベノミクスがどうであるか無関係に悪化するものなので(それも急速に)、政府に対応をしろといわれても近い将来は国や自治体に対策予算が欠如している状態になって執行できないよねという話になるんじゃないかと思います。
生活保護の親族扶養義務強化っていうのも、例の芸人の生活保護不正受給疑惑で社会的に騒ぎになった事情もありますし…正直思うのはいまの政権がどうという以前に、日本は未曾有の高齢化社会に直面して、いままでどおりの社会保障のサービスを国民が享受し続けることなどできないのだ、という理解はやはり必要じゃないでしょうか。
むしろ、アベノミクスに対して注文が出るとすれば、そのような社会保障費の増大が今後見込まれるにも拘らず(なんてったって、団塊の世代が今後ごっそり後期高齢者に入るんですからね)、その費用を負担する子供が増えないことや、稼ぎ出すための産業育成、成長戦略が必ずしも功を奏していないんじゃないか、という点なのかなあと思うわけですが。