無縫地帯

Twitter連携アプリでスパム発生

Twitterも8周年、これだけ定着すれば、悪質業者に目をつけられてもおかしくない状況になるのは当然としても、それらの良し悪しを見分ける力がユーザーの側に求められているようです。

山本一郎です。お世話になっております。

ところで、Twitterがこの前の3月20日でサービス提供開始から8周年だったそうです。で、それを記念してちょっとした面白ツールが提供されております。

気になる人の #FirstTweet を探しましょう。(Twitter)

要は、任意のユーザー名を入力すると、そのユーザーが初めて投稿したツイートをのぞけるというもので、Twitterの公式ブログでは以下のように説明されています。

8年目:初めてのツイートを探してみませんか?(Twitter Blogs 2014/3/20)

このツールでご自分や、お友達、気になる有名人、各国の大統領などなど、いろいろな方の初めてのツイートをチェックしてみてはいかがでしょう。@ユーザー名 を入力するだけで初めてのツイートが表示されます。Twitter Blogs
ちなみに拙ツイートを確認してみたら約7年前のものが発掘されました……。

社員を誘って飯に逝こうとするが、誰もついてこなかった。やまもといちろう
切ないな。

で、面白ツールの方は各自ご自由にお楽しみくださいという感じなのですが、実はこのツールを告知するためのTwitter公式アカウントによるツイートを、そのままパクって怪しい連携アプリに誘導しようとした輩がいたようです。

Twitter公式をかたるスパムツイートに注意8周年に便乗公式が警鐘(ねとらぼ 2014/3/21)

アカウント名が「@twittter_JP」と“t”が1個多いこと、公式の認証マークがないことなどから判別はできますが、それ以外はTwitter公式アカウントのツイートとほぼ同じ内容。特に最近は連携アプリを装って認証ボタンを押させる手口が流行しており、安易に認証ボタンを押してしまわないよう注意が必要です。ねとらぼ
現時点では既に問題のツイートそのものは削除されていますが、公式アカウントになりすまそうとしたアカウントはまだ凍結などの措置が取られることもなく生きています。単なる愉快犯だったのかどうかはさておき、こういうことが簡単に出来てしまうのが今のネットということですね。

これまでにも同様な形で連携アプリが悪用された事件は起きており、拙ブログでもそうした話は過去に取り上げています。

スパム業者がいよいよTwitterへも本格参戦した模様です

またTwitter側でも連携アプリの利用については公式ブログで注意を促すなど行っています。

サードパーティのアプリとの連携(Twitter Blogs 2014/3/14)

例えば「あなたの〇〇を占ってみましょう」「この画像見たことがありますか?」などのツイートにあるリンクをクリックすると、アプリとの連携の承認を確認するページが表示されます。このページ、読まずにアプリの連携を認証していませんか?Twitter Blogs
しかし、多くのユーザーは相変わらず自分の好奇心の赴くまま、知りたいという欲求に身を任せて、何も考えずに連携アプリの認証ボタンをドンドン押しているという感が拭えません。こういう事態を憂えて、もうTwitterの連携アプリを使うのは一切やめようと呼びかける意見も出てきました。

もう「Twitterのアプリ認証」は使わないに限る(Business Media 誠 2014/3/24)

Twitterの連携アプリ認証を要求するアプリは、フォロー/投稿を要求する悪意あるものがほとんどです。プレゼントやキャンペーンの応募などでも利用されますが、自営するためには、「正しいものすべてをひっくるめて、もう使わない」こともやむを得ないでしょう。Business Media 誠
もっとも、「正しいものすべてをひっくるめて、もう使わない」というような次元まで自制できるユーザーであれば最初から怪しい連携アプリを踏むようなことはあまり無さそうでして、なかなかこれはむつかしい注文だなとも感じます。あとは上記の記事中でも書かれてますが、この手の怪しいツイートに限って「信用しているフォロワーからリツイート(RT)されて」くる場合が結構あるということですね。その辺りがSNSの罠ですし、狙う側もそうした信頼関係の隙を突いてくるということなんですが、ここまでくると単にITリテラシーがどうこうというよりは、人付き合いをちゃんとできるかどうかという話でもあります。素のコミュニケーション能力みたいなものですかね。ますます家庭や学校での教育が重要になるわけですが、簡単には解決できない問題だなとしみじみしてしまいます。

「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉を地で行く現在の展開には、個人的には無力感を抱きます。本来はサービス運営側がなんらかの強権を発動するべきかとは思いますが、セキュリティはどうしても後手に回らざるを得ません。とても残念なことです。Business Media 誠
まあ、ネットユーザーにできることは、こういった「悪貨」を白日の下に晒して危険を集団で回避していく行動様式を徹底することなんでしょうけどね。