スマートウォッチのターンがやってきたようです
GoogleがついにAndroidベースのスマートウォッチを発表、非常に興味深い展開になってきております。本当に便利な代物になるんでしょうか。
山本一郎です。ウォッチが趣味ですがスマートではありません。
ところで、しばらく前からGoogleがAndroidベースのスマートウォッチを開発中であるらしいことは観測記事として色々と報道されておりました。
グーグル、韓国LGとAndroid搭載スマートウォッチを開発か(WirelessWire News 2014/2/24)
WSJによれば、この話は欧州時間24日から「Mobile World Congress 2014」が開催されるバルセロナで関係者が明かしたもので、グーグルは将来的に「Nexus」シリーズのスマートフォンやタブレットのように、LGだけではなく他のハードウェアメーカーともスマートウォッチ開発で協力する可能性があるという。また、CNETによれば、グーグルはスマートウォッチ向けのAndroid OSを3月に発表し、その後6月に開催予定の開発者向け「Google I/O」カンファレンスでLGと開発したスマートウォッチを発表すると見られている。WirelessWire Newsこうした話から判断してGoogleは6月のGoogle I/Oで何らかのデモでもやるのだろうとばかり思っていたところが、突然、これまでの噂から予想していたものをはるかに上回るような内容の情報がGoogleによって一気に公開されました。
Sharing what's up our sleeve: Android coming to wearables(Offcial Google Blog 2014/3/18)
藪から棒に何かを発表をするのはいつものGoogleらしいと言えばらしいのですが、今回はコンセプト紹介用のイメージ動画に加えて、開発者向けプレビュー動画も同時に用意するなど、Googleとしても相当に力入ってますよというアピールぶりが感じられる展開となっています。
当然のように多数のメディアがこの発表を即座に記事として取り上げることになりましたが、概ねどこもポジティブな反応ぶりで、Googleは本当に見せ方が上手になったなと感心するばかりです。
ついにウェアラブルデバイスが本格始動、Android公式スマートウォッチ発表(ASCII.jp 2014/3/19)
スマートウォッチに革命が起こる?Googleがウェアラブル向け「Android Wear」を発表!(ギズモード・ジャパン 2014/3/19)
Android Wearは腕時計を変えるか? Googleがスマートウォッチに参入(Huffington Post Japan 2014/3/19)
グーグル、ウェアラブル製品向けOS「Android Wear」を発表--スマートウォッチからまずは展開(CNET Japan 2014/3/19)
Google、Androidをウェアラブルに拡張するAndroid Wear 発表。年内に各社からスマートウォッチ発売(Engadget日本版 2014/3/19)
Google、スマートウォッチOS、Android Wearを発表―最初の製品はLG ‘G’とMotorola Moto 360(TechCrunch Japan 2014/3/19)
GoogleのウエアラブルOS「Android Wear」、LGやMotorolaがスマートウォッチを投入へ(ITpro 2014/3/19)
Google、ウェアラブル向け「Android Wear」発表今夏に製品登場(ITmedia 2014/3/19)
グーグルが「Android Wear」発表、LGからスマートウォッチ(ケータイWatch 2014/3/19)
Google「Android Wear」発表 - 今夏に対応スマートウォッチ登場(マイナビニュース 2014/3/19)
みんな全力で期待感を煽っておられますね。
誰も「うお、いんちきくせー」とか「使いづらさマキシマムなんじゃないの?」とか「どうせ初期で買うのは人柱なんだからさあ」などとは書かないわけですね。偉いですね。
まあ、今のところはあのイメージ動画からしか判断できませんから、あまり批判的な意見が出る道理もないのですが、これまでのスマートウォッチのほとんどが既存の多機能腕時計とそれほど変わらないコンセプトしか提示できないままに終わってしまっていたのに比べると、一歩進んで「今までには無かった新しい何か」を期待させる形に仕上げてきたのはさすがGoogleと素直に誉めていいのではないかと思います。
で、ジャーナリストの松村太郎氏が、現時点でこれしかないという少ない情報の中からGoogleのスマートウォッチについて良い点と悪い点を読み取り論考することを試みられていたのでご紹介しておきます。
Googleが発表したAndroid Wearで、生活はスマートになるか?(Yahoo!ニュース 個人 2014/3/19)
最後に1点、ビデオ中のスマートウォッチのプロトタイプに、カメラがなかったことは評価できます。Google Glassは、スパイ的にカメラが搭載されていて、使用者も周りの人も非常に警戒しているのが現状。カメラの搭載は、スマートウォッチを普及させる際の障害になると考えており、絶対に搭載しない方が良いと思います。Yahoo!ニュース 個人Samsungのスマートウォッチが安易にカメラを搭載したことに対するアンチテーゼとも言えるのかもしれませんが、この辺りの指摘は今後の他社のスマートウォッチについても気にしたいところではあります。
そういえば、その話題のSamsungのスマートウォッチですが、新作ではOSをAndroidからTizenに変更しています。いいぞそこだ頑張れSamsung。OSを変更した理由の背景には何かGoogleとの確執があったのかといった勘ぐりもなくはありませんが、とりあえずはTizen陣営もウェアラブルへ向けて着々と動いているようです。
Samsung、Tizenベースのウェアラブルデバイス向けソフトウェア開発キット「Tizen SDK for Wearable 1.0.0b1」をリリース(juggly.cn 2014/3/19)
さらには、スマートウォッチへSIMカードスロットを搭載するのではという話もあるようで、Samsungとしてはスマートウォッチ戦線において打倒Googleに激しく燃えているといったところでしょうか。
Samsung、SIMスロット付き「Gear 2」を発売か─音声通話に対応(リンゲルブルーメン 2014/3/20)
スマートウォッチがモバイルネットワークに対応することは、バッテリー寿命の観点から「信じがたい」と業界関係者は驚いた様子だったということです。リンゲルブルーメン業界関係者を煙に巻いて大いに頑張ってほしいと思います。