無縫地帯

GREE、未成年者課金上限設定ミスを半年以上隠蔽か

今年4月、ソーシャルゲーム業界の健全化を目指し取り組むと発表した未成年者への高額決済上限設定が、GREEのカード決済等において実施されず事態の発表もされていなかったことが関係者への取材で分かりました。

あのとき…私に言ってくれた言葉は嘘だったのね…

MobageとGREE、青少年ユーザーの課金上限額を制限へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/23/news096.html

というわけで、GREEが未成年者向けの課金決済において、フィーチャーフォン向けのカード決済の上限設定を忘れ、半年以上にわたって問題の所在について外部に認めてこなかった件について、メルマガにて号外を書きました。

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以前、NHKでも報道されたんですけれども、高額決済のトラブルについて消費者庁、生活消費センター宛の相談件数がコンプガチャ規制後も引き続き高い推移で続いている件で消費者庁でも警察庁でも海面水位が上昇しております。しかし、まさか「ミスがあってほとんど対策されてなかった」というオチが待っていようとは思ってもいなかったのではないでしょうか。

問題はこの設定ミスという技術的なところに留まらず、GREEが会社組織全体としてこの事態を隠蔽しようと動いた節が強いことが、内部文書と関係者からの証言で明らかになりました。というか、まあ9月にはそういうことらしいというのは知っておったわけではあるのですが、肝心のGREEサービスセンターをブチ抜いて複数の怒れる親がゲーム会社に高額決済されたどないしてくれんねんオラという抗議をするトラブルがコンスタントに発生しており、もう毎日が楽しくてしょうがない中で選挙戦に突入してしまい号外を出して読者の皆さまにお裾分けすることができなかったのが残念です。

まずは年忘れということで「GREEもあんな儲けておいて、隠蔽した挙句バレやがって、高い給料とっていながら馬鹿ばっかりなのかなあ、あっはっは」と笑っていただければこれ幸いでございます。

「年末年始のこのクソ忙しいところでこんなラブレター送ってもガン無視されてしまうのかな」となかば怯えながらGREEのサイトで晒してあった広報窓口に正面玄関から野良取材メールを送ってみたのですが、大変丁寧な対応をGREE広報にはしていただき感謝しています。しかも、未成年者向けの高額利用制限に対する設定が行われていなかった事実確認も、いままで社としての判断で関係者を含む一般に対する事態の公表、謝罪等は見送ったことも教えていただけて、本当に幸せな年末を迎えることができました。改めて、GREE広報の皆さまには深い御礼を申し上げたいと存じます。

なお、当局からの怒りのリークが公共放送の電波を通じて皆様のお茶の間に届いた一部始終については、残念ながらNHKのサイトから消えてしまいましたので、適当に検索したら出てきた2ちゃんねるまとめサイトに書いてある無断引用をご参照いただければと存じます。

「高額を請求された」ソーシャルゲームの相談が依然相次ぐ
http://okanehadaiji.doorblog.jp/archives/7472797.html

この記事のポインツは、「その後もソーシャルゲームに関する相談は後を絶たず」という文言でありまして、その真意は「コンプガチャ規制を消費者庁にやらせてみたけど被害実態が減らないようだから、また新しい規制を考えないといかんな諸君」という規制当局の熱視線がどぼどぼとソーシャルゲーム業界に注がれて大河となり、そして溢れ、堤防が決壊して家や畑や車を押し流して自衛隊が災害出動という一連の流れであるとお考えいただけると嬉しく存じます。

しばらく忙しくて大人しすぎたかなと反省している次第でございまして、来年はいま以上に焦らず弛まず業界事情の掘り起こしに精を出したいと考えておりますので、皆さまも良い年をお迎えください。