米YahooがMicrosoftに三行半を突きつけつつあるらしい件
もはや我が国のヤフージャパンとはまったく異なる企業体となっている米Yahooですが、マイクロソフトが提供する検索エンジンBingを巡っていろいろと起きているようです。
山本一郎です。いろいろ終わらない日々を送っております。
ところで、もはや米国のYahooと日本のヤフーはほとんど別の道を歩んでいるため、米国本家で何か起きても日本国内では関係ないということばかりですが、このところの米Yahooはなかなか積極的な展開に出ておりIT関連の海外ニュースでも前向きな話題で報じられることが多くなっています。そうしたニュースの中で興味深かったのが以下です。
米ヤフーがイェルプと提携、地域単位の検索機能を強化=WSJ(ロイター 2014/2/10)
WSJによると、メイヤー最高経営責任者(CEO)が7日の社内会議でイェルプとの提携を明らかにした。同会議の出席者によると、ヤフーの検索エンジンにイェルプのレビュー記事などを組み込む。数週間以内にヤフーの検索に反映されるようになるという。ロイター提携の詳細は不明とされながらも米Yahooが新たな検索技術を導入ということで、これを受けての論考記事なども出てきています。
米ヤフー、マイクロソフトとの提携解消か?(JBpress 2014/2/12)
ヤフーは、イェルプの情報を利用することで、米マイクロソフトのサービス「ビング(Bing)」との差異化を図り、米グーグルに対抗するとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。JBpressしかし、実はこのイェルプとの提携報道以前にも、すでにYahooがMicrosoftとの提携破棄を前提にした独自の検索エンジンを開発中ではないかという噂が出回っておりました。
米Yahoo!、再び検索技術開発の道を選ぶのか? 新しい検索プロジェクトを立ち上げ(ASCII.jp 2014/2/3)
米Yahoo!、独自の検索エンジンを再び開発中か(CIO Magazine 2014/2/4)
ヤフーがマイクロソフトとの提携を解消し、自社の検索技術を復活か(2014/2/6 ReadWrite Japan 2014/2/6)
re/code の報道によると、米Yahoo!が検索技術開発関連の新しい2つのプロジェクトを立ち上げたことが明らかになった。コードネームは「Fast Break」と「Curveball」。ASCII.jp
両プロジェクトの詳細は不明だが、Yahoo!がMicrosoftとの提携に関して苛立ちを感じてきたであろうことは、これまでの経緯から見てとれる。CIO Magazineで、さらにこの前ふりとなるような話は昨年の5月には出ていたんですね。
マイクロソフト、米ヤフーに対する検索売上保証を延長(CNET Japan 2013/5/8)
2013年に入り、Yahooの最高経営責任者(CEO)を務めるMarissa Mayer氏が、同社とMicrosoftの検索の提携が期待されたほどの売り上げになっていないと述べた。これが一因となり、Yahooはいずれ新しい検索パートナーとしてGoogleを望むのではないかという憶測が流れた。CNET JapanMicrosoftとしては多額の補償金を支払ってでもBingをYahooに使い続けてほしかったわけですが、その補償金が約束通りの額面では支払われていないという観測もあるようで、これまた気になる話です。
その後マイクロソフトが支払った補償額は、ほぼ一貫して取り決めの水準に達しておらず、ヤフーは決算発表時に何度もそのことを説明していた。:JBpress|http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39911?page=2まあ、YahooがMicrosoftとの提携をどうするか、また、本当に新しい独自の検索エンジンを開発できるのかは今後の成り行きを見守ることとします。
一方で気になるのはMicrosoftの方です。Yahooからも三行半を突きつけられそうな状況でBingの事業を今後継続させていくことができるのかどうか。新CEOとなったサティア・ナデラ氏はBing部門の最高責任者でもあるので今後の動向を注目したいところですが、直近でも検閲疑惑が起きるなどなかなか大変そうです。
マイクロソフト、米国でも中国語での「Bing」検索結果を検閲か(CNET Japan 2014/2/13)
ちなみに日本のヤフーは検索エンジンにGoogleを使っているので安泰なんでしょうが、検索エンジンのチョイスにGoogleしかないという状況も不健康な気がするので、ここは日の丸検索エンジンの夢よもう一度と書いてみることにします。しかし、あの「情報大航海プロジェクト」というのは何だったのでしょうか。あ、いえ、何でもありません。明日はいい天気ですかね。