日本へのサイバー攻撃件数が順調に増加している件
日本の政府機関や大学、主に電力・エネルギー系の民間企業などに対して重点的にサイバー攻撃を喰らっている日本ですが、その攻撃件数が128億回というレベルにまで高まってきております。
山本一郎です。諸事ありましたが、多忙から平常運転まであと少し、といったところでございます。クソ忙しい2月って風情ないですね。雪でも降って欲しいです。
ところで、日本を対象にしたサイバー攻撃と考えられる通信件数が昨年は128億件に達したという報が流れておりました。
日本へのサイバー攻撃、最多の128億件か(日本経済新聞 2014/2/11)
国内外から日本の政府機関、大学、企業などに向けられたサイバー攻撃関連の通信が昨年1年間に少なくとも約128億件あったことが10日、独立行政法人情報通信研究機構(東京)の解析で分かった。2005年の調査開始以降最多で、攻撃の活発化を裏付けた。日本経済新聞こうしたサイバー攻撃で最近目立った例としては、もんじゅで端を発したPCのウイルス感染による不正アクセス事件がありましたが、この場合もかなり確信的な犯行だったのではないかと見られています。
ソフト更新でウイルス感染、中央省庁など狙った疑い動画ソフト「GOMPlayer」(MSN産経ニュース 2014/1/24)
ウイルスは特定のIPアドレスを持つパソコンだけに感染し情報を盗むよう設定されていた。特定IPアドレスの中には複数の中央省庁や企業が含まれ狙われた可能性があるという。MSN産経ニュースまた、つい先日も東大研究所に不正アクセスという報がありました。
東大研究所の計算機に不正アクセス国立天文台など研究データ閲覧の可能性(ITmedia 2014/2/5)
このままいけば、今年は昨年よりもさらに多くのサイバー攻撃が仕掛けられることはまず間違いないでしょう。
こうした状況を受けて政府でも対策強化を図るための動きに出ておりますが、今年の夏頃までに提言をまとめるという速度感ではたして大丈夫なのか気になるところです。
サイバー攻撃対策 有識者会議で議論へ(NHKニュース 2014/2/12)
政府は、コンピューターに不正にアクセスして機密情報を盗み出すなどの、いわゆる「サイバー攻撃」への対策を強化するため、情報通信や暗号技術などの専門家をメンバーとする有識者会議で議論を始め、ことし夏ごろまでに提言を取りまとめる方針です。NHKニュースサイバー攻撃からいかに防衛するかは今や世界中の国家が抱える最重要課題の一つですが、攻撃する側はすでに相当な力をつけているという実態があります。
エネルギー業界を狙う精巧なサイバースパイ攻撃見つかる、国家が関与か(ITmedia 2014/2/12)
ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labは2月11日、各国の政府機関やエネルギー業界を執拗に狙い続けていた極めて高度なサイバースパイ攻撃「The Mask」(スペイン語名「Careto」)を発見したと発表した。その精巧性からは、国家の関与が疑われると指摘している。(中略)Kasperskyは国家の関与を疑う理由として、作戦の遂行手順に極めて高度な専門性がみられると解説。その精巧性は、産業制御システムを狙ったマルウェア「Duqu」を上回り、「現時点で最先端級の脅威」と言えると指摘する。普通のサイバー犯罪集団にはこれほどレベルの高い攻撃はできないという。ITmediaどこかの国家がこのような高度なサイバー攻撃を仕掛けているという可能性は否定できないようですが、ここで気をつけなければならないのは本当にどこかの国家がやっているのか、それとも、そうした国家間の争いを目論む別の何者かが仕組んだことなのかということでもあります。サイバー攻撃の真の発信者を100%正確に特定するのは現状かなり困難であることからも、各国家が冷静にこうしたサイバー攻撃に対応していくことが大いに望まれる状況でもあります。
ロシアからのサイバー攻撃はあったのか?大国間でのサイバー攻撃において重要なのは信頼醸成措置(情報通信総合研究所)
今までもサイバー攻撃については、今回のような「政府が関与したのではないか」という推量や経験からの憶測に基づく報告は多数あった。そして今後も「政府が関与したのではないか」という推測や憶測に基づく報告書は増加するであろう。そのような時に政府間同士でお互いに「やった、やっていない」を述べられる場所を設けておくことは重要になる。情報通信総合研究所残念ながら我が国もこの数年で他国からの脅威を感ぜざるを得ない機会が以前よりも増えていると言えそうですが、こういう状況下であるからこそ、サイバー攻撃についてはより冷静な判断と実践的な対応の速やかなる施行が求められていると考える次第です。
まあ、中国の話なんですけどね。