なにやらドラクエ周りで炎上案件発生中のようですが無事に鎮火することをお祈りいたします
スクウェアエニックスのスマートフォン向け最新作「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」の有料ガチャで、大金を突っ込んでも価値のあるモンスターが出ないと騒ぎが広がっています。
山本一郎です。苦い紅茶が好きです。
ところで、消費者庁がソシャゲにおけるコンプガチャを景表法違反であると断を下したのは2012年の5月でした。大変な騒ぎでしたね。変な騒ぎを起こす人がいるとだるいので気をつけましょう。
消費者庁、「コンプガチャ」は景表法違反と正式見解、7月1日以降は行政処分も(INTERNET Watch 2012/5/18)
消費者庁は18日、いわゆる「コンプガチャ(コンプリートガチャ)」と呼ばれるソーシャルゲームのアイテム販売の手法について、景品表示法に基づく告示で禁止されている「カード合わせ」に該当するという正式な見解を示した。INTERNET Watchこれによりコンプガチャは一掃されたわけですが、ガチャというシステム自体が無くなることはなく、その後もソシャゲの中でマネタイズを実現するための重要なアイテムとしてCPから重用され続けてきました。
ガチャの課金バランスをどうするかという問題はCP側の裁量でありますが、そこはゲームバランス設計の要であると同時に、商売をする者のモラルが問われるいわば試金石でもあります。
ガチャをどのように設計するかということについてはこんなブログ記事が参考になるかもしれません。
【計算】ガチャの計算と企画職(都内で働くソーシャルゲームプランナーのブログ)
当然ですがどこかの縁日のくじのように当たりの存在しないガチャは許されませんし、また、ユーザーが納得できるような確率で当たらない不当な設定もクソゲー呼ばわりされることになります。ま、それは仕方ないですね。
で、どうやら今回、ユーザーからクソゲー呼ばわりされてしまうような事例がまた一つあったようです。
ドラクエ新作のガチャの確率がヤバ過ぎるとネットで大炎上(秒間SUNDAY 2014/2/3)
この記事によると、あるユーザーが60回課金ガチャを試みたがレアモンスターを引くことができなかったという話のようです。60回試すためには3万円が必要となるそうですが、まあ、確率の問題ですからどんなに回数をこなしても当たらない可能性はあるわけでして、この話だけから同ゲームを強く非難するのは筋違いかと思われなくもありません。
しかし、こうした評判に尾ひれがついてしまいネット民の一部で騒ぎが大きくなった結果、やや想定外の祭りに発展してしまったようです。
【返金祭】ドラクエのガチャに怒ったユーザーが怒りの返金祭り開催。次々と課金額が返金されてるぞwwww(IT速報 2014/2/5)
発端はガチャの画面。画面上では8割が金色の地図として表示されています。しかし、この表示は全くの嘘であり2chやYouTubeによれば「約5%しか金の地図は引けない」ようです。その後、スクエニ側はガチャの確率ではなく、この表示を変更しました。もちろん表示が変わるだけで納得いくはずもなく・・・じょじょにユーザーはブチ切れ始めます。そんなこんなで現在多数のユーザーが「返金を求めるメール」をGooglePlayやAppleに送り続けています。そして、幾名かが返金されたと書き込んだことを起爆剤にその数は増え続けています。IT速報今のところ2ちゃんねるの投稿でしか事態を知ることができないため、なんとも微妙ですが、アプリを配信しているGoogleとAppleが返金対応しているらしき様子が窺えます。もし、これが事実だとした場合、GoogleやAppleは何を基準に返金することを決定したのかが気になります。はたしてゲーム中のイラストによる演出が不当表示として解釈されたのかどうか。
ただ、アプリストア側が同様な形でユーザーに返金対応を行うのはこれが初めてというわけではありませんし、よくある事故の一つという見方もできなくはありません。今回の場合に痛いなと感じるのは、ゲーム業界におけるトップブランドの「ドラクエ」絡みでこういう事故が起きてしまったということでして、ブランドそのものの毀損だけに収まらず、業界全体にネガティブな影響を与えかねないというところでしょうか。
この件に関しては誰かがプラットフォーム側に凸るだろうし、判断基準待ちかなあ。表示(景品表示)の問題なのか、ガチャの問題なのか、それとももっと広範なのか、で影響うける範囲・業界が大きく変わってくるので。河井孝志/Takashi Kawaiまさにそういうことでして、今後の成り行きをしばらく静観したいと思います。まあ、この手の問題を起こすスクエニはそれだけユーザーから待望されているからだ、ということでもありますが、最後に綺麗なフォローを入れた私にSクラスモンスターをください。