Google Glassを付けたまま映画館で映画を観てたら逮捕されたでござるという話
映像の録画機能を持つGoogle Glassを付けたまま映画館で映画を観てたら逮捕という素敵な事例が発生していたようです。
山本一郎です。セグウェイで公道を走って逮捕されたKNN神田敏晶さんを心からリスペクトしています。
ところで、米国でウェアラブルコンピューティングデバイスの一つ、Google Glassを着用したまま映画館で映画鑑賞していた男性が盗撮容疑で逮捕されたというニュースが報じられていました。
やはり、先進的なものを得意がって公で使うとしゃれの通じない人に摘発されるというのは洋の東西を問わぬ通弊のようです。
「Google Glass」ユーザーに災難 - 映画上映中の着用があだに(WirelessWire News 2014/1/22)
映画館で「Google Glass」着用の男性、取り調べを受ける羽目に(CNET Japan 2014/1/22)
グーグル(Google)が開発を進めるメガネ型情報通信端末「Google Glass」(以下、Glass)を、映画館で作品上映中に着用していたユーザーが、映画盗撮の疑いをかけられ、米国土安全保障省(Department of Homeland Security)の入国・税関管理局(U.S. Immigration and Customs Enforcement、ICE)の捜査官から長時間に渡って尋問を受けたという。WirelessWire News
映画の盗撮はわれわれが非常に深刻にとらえている問題であり、当社系列の映画館管理人は、上映中のコンテンツを違法に録画している可能性がある人物がいると疑われる場合はいつでも、米国映画協会(MPAA)に通報することになっている。われわれはテクノロジや技術革新に対する圧倒的な支持者であるが、映像の録画機能を持つデバイスを身に着けることは、映画館ではふさわしくない。CNET JapanGoogle Glassには撮影機能が搭載されています。いくら本人が電源をオフにしていてもそれは当事者以外には分かりにくい一方で、Google Glassという特殊な装置をしていることが他者からも一目瞭然な状態であれば映画館側としては盗撮を疑うのも致し方無い話ではあるでしょう。まさに「李下に冠を正さず」という故事を思い出させるエピソードでもあります。
この件、ネット民の反応やいかにと思い簡単に調べてみましたが、意外にもGoogle Glass着用の男性を擁護する意見は少なく、疑われるようなことをするのが良くないという論調が大勢でした。もっと、「ギーク万歳、Google様の新しい技術に逆らう奴らがクソ」みたいな反応が見られるかと期待したのですが、あのはてなブックマークでもさすがにそういう露骨なコメントは見られませんでした。皆さんまだまだ常識あるようです。
一方で、Twitter上ではこういう指摘もありました。
これからメガネだけでなく身に付けるあらゆる装飾品がこうなるわけで、便利になる一方で当然こういった類の犯罪例も出るかもしれませんね。イーシー・ユニオン株式会社まさにその通りでありまして、昨年あたりから盛り上がりつつあるウェアラブルコンピューティングデバイスはその技術が進歩すればするほど、結果的に盗撮や盗聴といった行為が従来以上に簡単にできてしまうようになる可能性を秘めています。そして当然ながら、そういうデバイスを身につけていることで、たとえそのような意図が全く無いとしても他人の目からはまさに李下に冠を正していると映ってしまうこともありえるでしょう。
米国ではすでに昨年の早い時期からGoogle Glassに関してはその利用を法的に限定するといった議論も出ていますが、今後は他のインテリジェントなウェアラブルコンピューティングデバイスに関しても同様な問題が浮上してくることは間違いないでしょう。
波紋を呼ぶ「Google Glass」、使用を禁止する動きが米国で相次ぐ(ITpro 2013/5/8)
米New York TImesは現地時間2013年5月6日付の記事で、Google Glassによる映像の撮影が顧客のプライバシー侵害につながるとして店内での使用を禁止すると表明した米シアトルの飲食店や、自動車運転中のGoogle Glassの装着を禁止する米ウェストバージニア州の法案などを紹介した。また米ラスベガスのカジノでもGoogle Glassを装着してギャンブルをしたり、ショーに参加したりすることを禁止している。ITproもっとも、我が国ではすでにケータイカメラの進化と共に盗撮犯罪発生の勢いは止まるところを知らない状態でありますし、また、そうした状況を反映しての冤罪も生まれている状況です。さらに高度なウェアラブルコンピューティングデバイスが手軽に使えるようになったとき、一体どんなことになるのか全く想像がつきません。なかなかに微妙な問題と言いますかむつかしいですね。
経産省臨時職員が女子高生の下半身盗撮(nikkansports.com 2014/1/22)
携帯で我が子の画像見てた男性が女性に盗撮と間違えられ逮捕→調書で「AV鑑賞が趣味」と捏造される(ジャックログ)
最近、我らが家入一真さんが都知事選に出るという騒ぎを起こして「政治をハックする」等の文言で耳目を集めておりますが、よく考えたらほぼ同じようなコンセプトで2007年に立候補した神田敏晶さんがいたわけですよね。先駆者はなかなか理解されないようです。