ICHIRO BLOG引っ越しました

山本一郎です。最近は死神とタッグを組んでおります。

ところで、このところゲーム関連事業では成長性の面でやや手詰まり感のあったDeNAですが、そうした状況を打破すべくということでしょうか、教育関連事業へ参入することが発表されました。手を組むのはNHKエデュケーショナルということで、盤石の布陣で臨んできたなという感があります。

ＤｅＮＡ、通信教育に参入小学生向けアプリ月980円（日本経済新聞 2013/12/16）
ＤｅＮＡ、教育事業本格参入来年４月に小学生向け講座配信 SankeiBiz 2013/12/17
DeNAが教育分野に参入児童向け月額課金学習アプリ「アプリゼミ」、まずは新小1から（ITmedia 2013/12/16）
DeNAが教育市場へ、小1の学習をスマホで習慣化する「アプリゼミ」（ケータイWatch 2013/12/16）

ディー・エヌ・エー（2432）は16日、スマートフォン（スマホ）やタブレット端末向け通信教育講座「アプリゼミ」を立ち上げたと発表した。小学校入学前の子どもを対象にした「小学校入学準備号」の提供を同日から米アップルの基本ソフト（ＯＳ）「ｉＯＳ」向けに始めた。米グーグルの「アンドロイド」向けも近く始める。2014年４月からは「小学１年生講座」を開始。受講料は小学校入学準備号は無料だが、小学１年生講座は６月末までの無料提供を経て７月から月額980円とする。対象学年は中学生、高校生向けに順次広げる。日本経済新聞

教材の企画・監修は教育番組を多く手がけるNHKエデュケーショナルが担当。音楽や動画を利用した教育コンテンツの制作ノウハウや専門家とのネットワークを利用し、単に練習問題を繰り返すドリルとは一線を画した「スマートデバイス時代に最適な教育スタイル」の提供を目指すとしている。ITmedia

メディア向けの発表会では、DeNAの守安功社長が「中長期的には、日本の通信教育で利用者が最も多い教材にしていきたい」（SankeiBiz）と、教育市場での既存事業者へ向けてまさに宣戦布告をするような勢いで気合いが入っています。

今回DeNAが手を組んだNHKエデュケーショナルですが、多くの人はEテレ（旧NHK教育テレビ）の番組制作会社であるという認識が強いと思います。実際、教育番組の数多くを手がけていますが、それ以外にも娯楽情報系番組も手がけており、たとえばNHK総合の人気番組「あさイチ」なども同社の制作です。また、番組から派生したパッケージ商品やデジタルコンテンツの制作販売をはじめ、かなり手広く事業展開しており、NHK関連会社ではNHKエンタープライズと双璧をなす稼ぎ頭でもあります。

NHKエデュケーショナル

ホームページのトップを見れば分かりますが、B to Bを中心に打ち出したやる気満々の雰囲気です。そうしたこともあってか、実際に中の人と仕事をしたことがある方々に話を聞くとやや毀誉褒貶が激しいこともあるといった印象を抱くことがあります。やや古い記事ですが、かなりの力を割いてそうした経験を綿々と綴ったコラム記事がありましたので、興味のある方は以下を続けて読まれるとそれなりに面白いかもしれません。

NHKラジオ「ビジネス英会話」出演顛末記その１（日向清人のビジネス英語雑記帳）
NHKラジオ「ビジネス英会話」出演顛末記その２（日向清人のビジネス英語雑記帳）
NHKラジオ「ビジネス英会話」出演顛末記その３（日向清人のビジネス英語雑記帳）
NHKラジオ「ビジネス英会話」出演顛末記その４（日向清人のビジネス英語雑記帳）
NHKラジオ「ビジネス英会話」出演顛末記その５（日向清人のビジネス英語雑記帳）
NHKラジオ「ビジネス英会話」出演顛末記その６（日向清人のビジネス英語雑記帳）
NHKラジオ「ビジネス英会話」出演顛末記（最終回）（日向清人のビジネス英語雑記帳）

しかし、いわば同業他社とも言えるような企業サイトの連載ページにここまで書いてしまって良いものなのかとはらはらしてしまいます。掲載するほうもするほうという感じでもありますが。

なにはともあれ、天下のモバゲーで鳴らしたDeNAと、教育番組界の雄NHKエデュケーショナルがタッグを組んだのですから、スマホ向け市場でこれからのんびりと事業を展開しようかなどと考えていた教育産業関係者にとってはまさに青天の霹靂なのではないでしょうか。今後色々とこちら関係は忙しくなりそうですね。

個人的には、Eテレ絡みで『ピタゴラスイッチ』と『フックブックロー』と『みぃつけた』（主にオフロスキー）のアプリがあったら観賞用に購入して子供と一緒に見たいと思います。オフロスキーがしまじろうと仁義なき戦いを繰り広げる地獄絵図が教育用アプリ市場で勃発してしまうのでありましょうか。興味津々でございますね。