無縫地帯

iPhoneが日米で盛況のようですがはたして中国ではどうなるのでしょうか

アメリカでもiPhone販売が好調に推移していますが、普及期から成熟期に入ったスマホ市場でその販売を支えたビジネスモデルがどこまで続くのか興味深いところです。

山本一郎です。未来のTizenユーザーです。

ところで、米国4大キャリアの携帯電話端末売上でiPhoneが9月から11月までの3か月間ずっとトップを独占しているそうです。

Apple's iPhone 5s remains 'by far the top selling smartphone'(Apple Insider 2013/12/12)
「iPhone 5s」が3ヶ月連続でアメリカの4大キャリアすべてで販売台数トップを記録(Linkman 2013/12/13)
iPhone 5sが米の全キャリアで売り上げトップに!iPhone 5cもトップ3にランクイン(携帯総合研究所 2013/12/13)

AppleInsiderは、Canaccord GenuityのアナリストT.Michael Walkley氏のレポートによると、「iPhone 5s」は9月の販売開始以降3ヶ月連続(9~11月)で、アメリカの4大キャリアすべてで販売台数トップとなったと伝えています。Linkman
グローバルレベルで見ればAndroid搭載スマホが市場を圧していると言われていますが、米国と日本に限ってはiPhoneが強いということが改めて実感できる数字です。
しかし、それよりも興味深いのは、ここで紹介されているリストの上位3位に入っている端末がApple製とSamsung製しかないという事実です。

iPhone 5sが発売開始から3ヶ月連続で首位を獲得していることよりもランキングがiPhoneとGALAXY S4だけでうめつくされているのが驚きですね・・・携帯総合研究所
Apple Insiderの記事によれば、iPhone 5s/5cが発売される以前は他社製品も上位3位の中に含まれていたそうですから、iPhone新製品の発売が米国携帯端末市場に対していかに大きなインパクトであったかがよく分かります。米国市場向けへスマホを出荷しているメーカーの多くは、今後この状況が一体どれくらい続くか固唾をのんで見守るということになりそうです。

日本における直近のスマホ市場状況に関しては、IT系ジャーナリスト神尾寿氏のコラム記事が全てを語っている感が強いです。米国との違いは、Samsungが日本での存在感を失った代わりにソニーが台頭してきたというところですが、それでもAppleが圧倒的に有利な展開をしている点は変わりません。

絶好調はいつまで続く?「iPhoneひとり勝ち」な日本のスマホ市場(Business Media 誠 2013/12/9)

神尾氏は、日本でiPhoneが有利となる理由の一つとして助成金の存在を挙げています。当たり前といえば当たり前ですけど重要な指摘です。

日本ではキャリアがスマートフォンの販売モデルを構築しており、各キャリアは競争上の戦略商品である「iPhone」を端末価格や利用料金面で優遇している。Business Media 誠
で、この助成金というカラクリは米国のキャリアも全く同じ状況です。しかし、そうした助成金によるユーザー獲得施策はそろそろキャリアにとって大きな負担になってきているという話も出てきています。

携帯電話の助成金はもうすぐ終るかもしれない(TechCrunch Japan 2013/12/12)

当初ビジネスを大きくする時には、人々をネットワークに呼び寄せるために、大胆な端末助成金が必要だ。しかし普及率が90%に近づくにつれ、維持モードに入る。つまり、端末の買い換えが多くなるという意味だ。だからモデルは変わる必要がある。もはやそういう助成を続ける余裕はない。TechCrunch Japan
こうした事情は日本のキャリアも同じですから、もしかすると助成金というシステムが廃止されれば、端末市場の動向も大きく変化する可能性はあると思われます。

さて、中国のキャリアもこの助成金システムで端末を販売しているわけですが、その中国で最大のシェアを誇る中国移動が遂にiPhoneの販売を開始します。

遂に中国移動がiPhoneを販売へ、プレオーダーページを公開!!(Blog of Mobile!!~最新ケータイ情報~ 2013/12/12)

China Mobileは世界最大の移動体通信事業者で、7億以上の契約件数を抱えている。Blog of Mobile!!~最新ケータイ情報~
すでに中国国内では他のキャリアがiPhoneの販売を開始しており、販売動向も悪くないようです。

2013年10月中国市場のアップルのシェア12%とiPhone 5s/5c発売で好調!(IT Strike 2013/12/13)

中国移動でのiPhone販売に関する観測記事は色々と出ていますが、ここでの成果が後々世界のスマホ事情を大きく決定付ける鍵となる可能性は小さくないかもしれないですね。

中国移動、まもなく「iPhone」の販売開始加入者数7億人以上、アップルはシェアを伸ばせるか?(JBpress 2013/12/11)

ウォールストリート・ジャーナルによると、中国移動の加入者のうち3Gサービス利用者の割合は25%で、残りは2Gサービスを利用している。中国移動は同国で裕福な顧客が最も多い携帯電話会社。あるアナリストは、同社全加入者の少なくとも10%がアイフォーンの潜在顧客と見ているという。JBpress
上手くいけばAppleは中国で7000万台のiPhoneを売れるということです。ちなみに、中国では12月4日から4G免許の交付が開始されていますから、当然LTE対応端末のiPhoneはそうした新サービスにおける目玉商品的なポジションにあるとも言えます。

中国で4G免許が交付、2014年は4G普及が一気に進む(マイナビニュース 2014/12/12)

はたしてAppleは中国でも日米と同じような成果を得ることができるのか、躍進するiPhoneとAndroidの間にTizenはどう割ってはいるのか、そしてmixiの運命は…しばらくその成り行きに注目したいところです。