Appleが掟破りなSIMロックフリーのiPhoneを発売した件
突然、AppleがSIMロック規制のかかっていないiPhoneの販売を、同社オンラインストアのみで開始しました。告知もなかったので驚きに包まれています。
山本一郎です。おろしたてのシャツと新品のズボンを履いて出歩くと、まるでこちらまで新品になった気分がして清々しいですね。爽やかな気分になるのは自分だけであって、他人から見ると服以外は何も新しくないわけですけどね。むしろ古めかしい感じですね。
今日も勘違いすることなく頑張って生きたいと思います。
ところで、AppleがSIMロック規制のかかっていないiPhoneの販売を同社オンラインストアのみで開始しました。この件については事前情報などが一切出回っていなかったため、発表当日はネットでも一部でちょっとした祭りだったようです。
SIMフリー「iPhone」国内でも販売ネットで(朝日新聞 2013/11/22)
「乗り換え自由」のiPhone、アップルが国内発売(日本経済新聞 2013/11/22)
SIMフリーiPhone 5s/5c国内発売Apple Storeで公式に(ITmedia 2013/11/22)
アップル、SIMフリー版iPhone 5s/5cをApple Storeで販売開始(ケータイWatch 2013/11/22)
SIMロックフリー版 iPhone 5s と iPhone 5c、アップルストアで販売開始。5sは7万1800円~(Engadget日本版 2013/11/22)
アップル、国内でもSIMフリーiPhoneを発売--アップルストアで購入可能に(CNET Japan 2013/11/22)
Apple,SIMロックフリー版のiPhone 5sとiPhone 5cを直販サイトで突如発売(2013/11/22 4Gamer.net)
4Gamerの記事見出しにある「突如発売」の言葉に皆の思いが集約されているとも言えそうです。
これまでSIMロック規制のかかっていない端末は「SIMロックフリー」という言葉で表されるのが通例でしたが、Appleが商品名として「SIMフリー」という表記を使ったことから、今後はSIMフリーが日本ではデファクトになるのかもしれませんね。
こうした端末は「SIMフリー版」、あるいは"SIMロック"がかかっていないという意味で「SIMロックフリー版」、英語圏では「アンロック版(Unlocked)」などと呼ばれている。今回アップルは「SIMフリー」としており、以後はそのように表記する。マイナビニュースところで、iPhoneを扱う各キャリアはこの事態を事前に知っていたのかどうか気になるところですが、以下の記事から推測するにおそらくAppleからは事前通知があったのでしょう。それが一体どれくらい前に知らされたのかはよく分かりませんが。
ソフトバンク、SIMフリー版iPhone 5s/iPhone 5cの受け入れをこっそりと表明(マイナビニュース 2013/11/22)
ケータイWatchも各社広報へ発表当日直ぐに確認取材を行っており、「今回発売されたSIMロックフリー版のiPhoneも同じように扱われる。ただし、各キャリアとも各種割引プラン等は適用されない」(ケータイWatch)という回答を得ています。
しかし、これまで海外から並行輸入してSIMロックフリー版のiPhoneを販売していた小売業者にとってはまさに青天の霹靂。もっとも、これまでボッタクリ価格で十分に儲けてきたでしょうからザマーという感がなくもありません。
SIMフリーiPhoneがアップル発表後に大幅値下げ、直輸入店「寝耳に水…」(AKIBA PC Hotine! 2013/11/23)
SIMロックありの国内キャリア版より高い約11万~13万円(16GB~64GB)で販売。その後もゴールドの高騰(最大19万円)や値下がりを経つつ、継続的に販売されていた。AKIBA PC Hotine!で、実際のところ、SIMフリー版のiPhoneは万人向けなのかどうかという疑問については、既に様々な記事において論考されていますのでそちらを参照して各自で検討するのが良いかと思われます。
SIMロックフリー(SIMロック解除)とは?(All About)
SIMフリー版iPhone 5s/5cは誰が使うべきか、そのメリットと注意点まとめ(マイナビニュース 2013/11/23)
iPhoneのSIMフリー版が日本でも販売決定!実質無料で持つことが出来る(かもしれない)方法。(隠居系男子 2013/11/23)
SIMフリー iPhone 5S/5C 日本発売 格安SIM利用で最強に!各キャリアの2年間通信料と徹底比較した結果…(Google の新型7インチタブレット 2013/11/24)
SIMフリーiPhoneの正直なところの使い道(More Access! More Fun! 2013/11/23)
SIMフリー版と格安SIMの組み合わせはiPhoneの魅力を半減させる(ふーてんのiPad 2013/11/25)
これはあくまでも個人的な憶測となりますが、Appleは随分前から日本国内でもSIMロックフリーでiPhoneを売りたかったのではないでしょうか。今回、国内最大キャリアのドコモとも販売契約を実現したことで、各キャリアの都合をあまり斟酌する必要がなくなったことから、自社サイトのみという形でSIMロックフリー版の販売に踏み切ったものと思われます。この考え方がもし正しいとすると、iPadについてもドコモでの販売が始まった後、そう遠くないタイミングでSIMロックフリー版が出る可能性もありそうです。
すでにGoogleも自社ブランド「Nexus」シリーズの端末をSIMロックフリーで販売開始していますが、各国キャリアの思惑等にとらわれることなくグローバルに事業展開できる海外大手の場合、今後こうしたパターンが多くなるのかもしれません。Microsoftもどうせ後発でキャリアの都合を考えても仕方ない立場ですから、ここはいっそのこと日本市場ではWindows PhoneをSIMロックフリーで売り出せば面白いのかもしれません。
TizenのSIMロックフリー版の発売を心よりお待ち申し上げております。