Winampが終了だそうでお悔やみ申し上げます
昔懐かしいWinamp、時代の流れに勝てず、また適切な経営が行われないことで取り残され、敢え無く終了となったようです。いろんな意味で残念な話ですね。
山本一郎です。パソコン通信時代から現役の古参兵です。
ところで、まだデスクトップPCが当たり前だった時代にMP3で音楽を聞き始めた世代にはちょっと寂しいニュースが入ってきました。
老舗メディアプレーヤーのWinamp、15年の歴史に幕(ITmedia 2013/11/21)
さよならWinamp、16年の歴史に幕。来月でダウンロード終了&サイト閉鎖(Engadget日本版 2013/11/21)
90年代の思い出がまた1つ消える―Winamp、15年の歴史に幕(TechCrunch Japan 2013/11/21)
15年の歴史のある音楽プレーヤーソフト「Winamp」が12月20日(現地時間)に終了する。Winampのダウンロードページに11月20日、告知が表示された。ITmediaもはやスマホしか知らない世代であれば、このソフトの名前を知らない人も多いことでしょう。そう、昔は「ソフト」と呼んだものですが、いつの間にか「アプリ」となったあたりにも時代の流れを感じます。で、このWinampは、まだ世の中にiPodが存在せず、Appleの製品なんかを使うような人間はかなりの変わり者という時代に、Windows PCで音楽を聞くためのソフトとして一世を風靡したものです。
Winamp といえば1990年代後半に Windows用の無料ソフトウェアとして登場し、もっとも多くダウンロードされたWindows用ソフトウェアのひとつに数えられるほど人気を博したソフトウェア。Engadget日本版それが、いつの間にか音楽再生と言えばiPodとiTunesがデファクトとなり、さらにはファイル単位で音楽データを扱うことなく水道の蛇口をひねれば水が出てくるように音楽が流れてくるストリーミングサービスをスマホで聴くという時代となりつつあります。そうした流行やテクノロジーの移り変わりの中で、音楽ユーザーの求めるニーズに対してWinampは的確に対応できなかったということなのでしょう。また、経営母体の事業計画が杜撰だったという話もあるようです。
Nullsoftの最初の社員でWinamp担当の最初のゼネラル・マネージャーを務めたRob Lordが去年Ars Technicaのインタビューで語ったところによると、 AOLの買収直後に起きた経営の失敗がなければWinampがiTunesになっていても不思議ではなかったという。(中略)AOLは最初から最後までWinampをどうするかはっきりした考えがなかったようだ。TechCrunch JapanAOLの迷走については数年前に色々と総括されたりもしましたが、そうした大企業ならではの事情が不幸なことにWinampにとってネガティブな方向で大きく影響した可能性はあります。一方で、最近のAOLは地道にメディアビジネスで成果を出しているようでもありますが、そうした状況ですでにWinampのようなビジネスモデルは必要とされていないという見方もできます。
10年目の独白「世紀の合併」はなぜ失敗したのか(日本経済新聞 2010/4/1)
AOL: オンラインビデオ向け広告売上高でGoogleを抜く(BusinessNewsline 2013/10/18)
AOLがオンラインビデオ向け広告の分野でGoogleを抜くことができたのは、9月末でオンラインビデオ向け広告代理店となるAdap.tvの買収が完了し、同社を子会社化したことが要因となる。BusinessNewslineオンラインビデオ向け広告事業にまつわる最近の動向は大いに注目したい話題の一つでもありますが、その件に関してはまた別の機会に触れたいと思います。
それにしてもネット民からWinampはずいぶんと愛されていたようです。
Winamp開発終了に悲しみの声(さまざまなめりっと 2013/11/21)
「realplayerよりwinampが先に死んでしまうなんて」というツイートを見ると、まさにそこにこそWinampが終わってしまう理由のヒントが隠されているのではと感じつつ、まあ、RealPlayerもどうなんでしょうねと言葉を濁して終わりたいと思います。
濁した言葉の先にはAOLと朝日新聞とで合弁会社を作って華々しく立ち上がったはずのハフィントンポスト日本語版がうわなにをするやめr