高木浩光先生からドコモ個人情報問題の濃厚解説ツイートが来たる
昨日のエントリーに対して高木浩光先生より正確なご指摘を頂戴しましたので、こちらに引用、転記いたします。高木先生、ご解説賜りましてありがとうございました。
山本一郎です。清廉潔白だって言ってんだろ。
先のエントリーでドコモの個人情報問題について触れましたが、まさにその問題について高木浩光先生が解説のツイートを送ってくださいました。ここに内容も踏まえて引用したいと思います。高木先生、ご多用のところありがとうございます。皆さん、パソコンの液晶前やスマホ・タブレット前で正座して読みましょう。
やまもとさん、ブログ拝見しました。「業務委託であったかどうかで問題の本質が変わるわけではありません」とのことですが、そうではありません。委託か否かは重要なポイントです。詳しくは先週公開した講演スライドをご覧頂ければと。高木浩光
続きです。業務委託であるなら、元々、同意は不要であり、規約にも書く必要がないのです。そのかわり、業務委託である限り委託先が勝手にデータを委託業務の範囲を超えて利用することは許されません。それは委託ではない第三者提供だ、ということになり、その場合、同意が必要なのです。高木浩光
もう一つ、「書いてあるのだから読まないエンドユーザーが…」の点。このケースでは、全体の規約とは別に、問題となる「5分おきにGPS」の機能に個別の注意書きがあり、「(1)…の範囲に限り利用します」と、つまり、この機能については第三者提供しないと約束されていたのです。高木浩光
詳しくは講演スライドp.29の図をご覧下さい。全体の利用規約をオーバーライドして、特定の機能について「(1)に記載するサービスの範囲に限り利用します。」と約束していたのですから、利用規約がわかり易いか難いかという話ではなく、第三者提供の同意など全く無かったのです。高木浩光高木先生の講演スライドはこちら。ただしマジ重なので、ご指摘の場所をjpgで引用します。
[[image:image01|left|高木先生ご指摘の箇所のjpg]]
その点、日経新聞の記事 (山本註: 以下リンク)なんかを読まれますと、そういう話なんだと誤解してしまいますので、日経新聞の記事を読む際には注意が必要だと思います。高木浩光ドコモ、個人情報規約をわかりやすい表示に切り替え (日本経済新聞 13/11/19)
高木先生の講演資料は実に示唆に富むもので、心あり眼開かんとする者は一兵残らず閲覧し吟味租借するべき内容となっておりますので、サーバーに負担がかからない程度に各自ダウンロードするなどして毎朝通勤中に拝読欠くべからずの逸品であります。
重ねてご指摘いただきました高木先生には御礼申し上げます。ありがとうございました。