無縫地帯

AppleがOSアップデートを無料提供にして話題のようです

AppleがMac用OSであるOS Xをメジャーアップデートし、「OS X Mavericks」をリリースした件で、windowsユーザーの私があれこれ書いてみました。

山本一郎です。愛機はレッツノートですが、さすがにMACに乗り換えるか検討を余儀なくされている昨今です。

ところで、AppleがMac用OSであるOS Xをメジャーアップデートし、「OS X Mavericks」をリリースしました。アップデート内容そのものについては今年の6月にすでに発表されていたものであるためそれほど新鮮味はありませんでしたが、3世代前までのOS Xユーザーであれば誰もが無料でアップデートできるという発表にインパクトがありました。Windowsで例えれば、Vista以降のユーザーは全員Windows 8.1へ無料アップデートできるという話になりそうです。

アップル、「OS X Mavericks」を無料で提供開始(CNET Japan 2013/10/23)
アップル、「OS X Mavericks」を無料公開!(RBB TODAY 2013/10/23)
Appleイベント速報:OS X Mavericksは無料、即日公開(TechCrunch Japan 2013/10/23)

Lion、Mountain Lion、Snow Leopardの各OSのユーザーは(無料で) OS X Mavericks件に直接アップグレードできる。2007年のMacまでが対象だ。TechCrunch Japan
対応するマシンは2007年以降に販売されたモデルからとなっていますが、5年以上も前のマシンで最新OSがはたして実用に耐えうるのかどうか気になるところです。少なくともライバルのWindows 8.1に関して言えば、決して無理ではないけれどそうした使い方はあまり向いてないといった印象のようです。

そのPC、Windows 8.1にアップデートすべきか?(ITmedia 2013/10/22)

おそらくマイクロソフト自身は否定するだろうが、Windows 8.1を使っていて感じるのは「Windows 8.xは“新しいPCのため”にある」ということだ。もちろん、前述したようにWindows 8.1はチューニングが進んで、Windows 7よりも応答性のよい軽快な動作を実現している。ITmedia
まぁ、古いMacでの最新OSの使い勝手に関しては熱心なMacユーザーの皆さんに検証をお任せします。

いずれにしても、事実上ほとんどの現行Macユーザーが無料でOSアップデートを実施できるという形になったわけですが、これを実現できた理由についてはすでにTwitter等でも言及されているように、Macのハードウェア価格にOSのコストが上乗せされているからと解釈すべきでしょう。

本体価格にふくまれてんだよ。送料無料と一緒。プログラマを無料で働かせたって、コストはゼロにならないんだから。どうしてそういうことがわかんないかね。OEMがついてるMSがマネしなきゃいいけど。塩田紳二
「OSが無料!革命的お値段!」「さすがA社だ!」いやいや、SystemX.X時代やWindows OEM版あたりと同じく、本体価格に乗せてると考えるべきでは。スパイスおとこ
Microsoftも最新OSのWindows 8.1についてはWindows 8ユーザーに対して無償アップデートを提供しましたが、さすがにAppleと同じような規模でVistaユーザーや7ユーザーにまで広く無料で提供ということはやっていません。これはMicrosoftのビジネスモデルがハードではなくソフトを売ってなんぼという仕組みだからであることは明かです。しかし、もしかすると今後同社製マシンのSurfaceユーザーに限ってはOSアップデートの無料提供が継続される可能性もあり得るのかもしれません。

「Windows 8.1」無償アップデート提供開始、パッケージ製品は18日発売(クラウドWatch 2013/10/18)

それにしても、今回のAppleによるOSアップデート無料提供はその規模が大きいと感じました。ここまでAppleが踏み込んだのは、MicrosoftがWindows施策で後手に回っているうちにいくらかでもPC市場シェアを奪いたいという気持ちもあったりするのでしょうか。Macならば数年前の古いマシンでも最新OSを利用できるという認知が市場で高まれば、もしかすると従来のWindows PCばかりが占めていたような用途にMacが導入される可能性も出てきそうです。さて、そうした思惑がAppleにあったとして、はたして事が上手く転がるのかどうか。直近では中古Mac市場の需要に影響があったりするのかもしれませんね。

身の回りのMacユーザーが色めき立っているのを見ると、ちょっとばかり「いいなあ」と思ってしまう今日この頃です。