無縫地帯

PCがますます売れずMicrosoftは色々と大変そうです

暴君マイクロソフトの世の中は過ぎ去りつつあり、世の中は平和になりました。

山本一郎です。今夜も子供が寝ません。

ところで、PCが売れなくなってきたという話は以前にも書きましたが、いよいよ市場は厳しい状況にあるようです。異なる2つの市場調査のいずれにおいてもPCの出荷台数が大きく下落していることが報じられています。

止まらないPCの地盤沈下 - 第3四半期の出荷台数、前年から8%減少(WirelessWire News 2013/10/10)

今年第3四半期のPC出荷台数に関するレポートが、米国時間9日にIDCとガートナー(Gartner)からそれぞれ発表された。IDCでは同期のPC出荷台数が前年同期に比べて7.6%減少の8160万台、またガートナーでも8.6%減の8030万台としている。WirelessWire News
ガートナーのアナリストによれば「日々のコンテンツ消費がPCからタブレットにシフトする動きが、引き続き先進国と新興国の市場におけるPCのインストールベース(利用台数)を減らした」(ロイター)と分析されており、今後はさらにPC市場の縮小が避けられない状況であると思われます。

当然、各PCメーカーは自分達のパイを確保するためにしのぎを削る争いを展開しているわけですが、ここに来てそれまでOSを提供するだけだったはずのMicrosoftが自ら専用ハードまで提供し始めたことで新たな火種となっているようです。

HP、誰もが知っていることを正式表明:MicrosoftはOEMパートナーと戦っている(TechCrunch Japan 2013/10/10)

今日(米国時間10/08)HPは、わかりきったことを発言し、パーソナルコンピューティングの世界、および他のテクノロジー業界分野に漂うモヤモヤを多少解消した。HP曰く、今やMicrosoftはビジネス上のライバルである。TechCrunch Japan
しかも、Microsoftとしてはこれまで仲良くやってきたOMEメーカーとの仲が悪くなることを承知の上で売り出したはずの「Surface」が期待通りに売れず、結局は安売りで在庫処分というしょっぱい展開になったのは多くの人が知るところです。

マイクロソフト「Surface」の売れ行き、いまのところは「期待はずれ」(WireleeWire News 2013/3/18)
Microsoft「Surface Pro」100ドル値下げへ─米国や中国、台湾などで(リンゲルブルーメン 2013/8/4)
日本マイクロソフト、Surface Pro/RTを最大1万円値下げ(PC Watch 2013/9/25)

このほかにもMicrosoftは、PC不調の時世を反映してスマホ・タブレット向け施策を色々と打ち出してきていますが、その内容はGoogleやAppleへの大きな譲歩と言って差し支えないもので、イケイケでやってきた往時のMicrosoftからはまず想像できなかった展開になっています。

米マイクロソフト、iPad版Officeの開発を表明(ガジェット速報 2013/10/9)
マイクロソフト、iOSとAndroidに純正リモートデスクトップアプリを今月提供(Engadget日本版 2013/10/9)

すでに引退する意向を発表したスティーブ・バルマーCEOは面白発言で世間を楽しませてくれていますが、残される人々の気持ちやいかにといたっところでしょうか。

退任するバルマー氏、最大の後悔は「Vista」(ITmedia 2013/8/26)
スティーブ・バルマー最大の後悔は「ケータイという新デバイス」に乗り遅れたこと(TechCrunch Japan 2013/9/20)
バルマーCEO、株主への最後の手紙「Microsoftの未来は明るい」(ITmedia 2013/10/8)

後任となるCEO選びが難航している気配ですが、この件がハッキリとしないうちはMicrosoftの迷走具合もしばらく続くのかもしれません。

マイクロソフト取締役会は次期CEO年内起用に努力―関係者(Bloomberg 2013/10/9)

ここまで丁寧に奢る平家をトレースしてくれると祇園精舎の鐘の声でオーケストラが組めそうな勢いですね。がんばれ、ゲイツ君。