無縫地帯

Googleが検索アルゴリズムをまた突然変更したようです

Google様が検索エンジンの仕様を事前通達なく突然再び変更。しかも、実はすでに実施されていた!というオチに業界が静かに震撼しています。

山本一郎です。何気にSEO会社の元取締役でございます。

ところで、毎度のことではありますが、Googleが事前の通達もなく突然に検索アルゴリズムの変更を発表しました。

グーグル、創立15周年--新検索アルゴリズム「Hummingbird」を導入(CNET Japan 2013/9/27)
“Hummingbird”が来た―Google、最大級の検索アルゴリズムのアップデートを密かに実施ずみ(TechCrunch Japan 2013/9/27)
Googleが検索結果の90%に影響する新検索アルゴリズム「Hummingbird」を導入(GIGAZINE 2013/9/27)
Google、新しい検索アルゴリズム導入を発表 - 「ハミングバード」(SEMリサーチ 2013/9/27)

今回のアルゴリズム変更は「世界中のGoogle検索の90%に影響を与える」(CNET Japan)そうですから、本来であれば世界中のWebサイト運営者やSEO事業者にとって衝撃的な大事件であるはずなんですが、今のところはまだそれほど大騒ぎになっていないようです。その理由の一つとしては以下のような事情が関係しているように思えます。

これが検索結果にいったいどんな影響を与えるのかとSEO専門家は色めきたつだろうが、少し落ち着いた方がよい。実はこのアップデートは何週間も前にすでに実施ずみだという。TechCrunch Japan
Googleは2010年6月にカフェインと呼ばれる新しい検索インフラを発表したが、この刷新は将来の技術拡張を見据えた基盤の変更であり、検索マーケターが関心のある検索順位の変動について大きな動きは観察されなかった。今回のアップデートであるハミングバードも同様に、検索順位の変動やSEO観点における影響はほぼないと推察される。事実、1か月ほど前に導入されたにもかかわらずほとんどの検索利用者やサイト管理者がこの変化を認識していないことからも裏付けられよう。SEMリサーチ
つまり、発表よりも以前からアルゴリズム変更が実施されていたにもかかわらず、世界中のほとんど誰もがその事実に気付いていなかった以上、今さらSEO事業者が騒いでもそれは単に自らの技術力の無さを宣伝することになりかねません。

こうした検索アルゴリズム変更を予期した動きが事前にSEO事業者側で何かなかったのか簡単に検索してみましたが、前回のパンダアップデート以降に噂レベルでそうした可能性を論じる人達もいたようです。タイミング的にはちょうど今回の新しいHummingbird導入時期に近いのですが、これがたまたまなのか実際に技術的に何かを察知していたのかは不明です。もっとも、こうした噂は地震予知の類と同じで、何かを事前に言っておけば偶然当たるという確率の話でもありそうです。

最新Googleパンダアップデート情報:より「やさしい」パンダへと変化?(seotime 2013/8/14)

ウェブマスターワールド内の幾つかのチャットをたどっていくと、さらなる検索アルゴリズムの更新が行なわれているのではないかと噂されています。seotime
そういえば、SEO事業者視点からのGoogle関連の話題ではしばらく前にもGoogle検索がSSL経由になり流入キーワードが分からなくなるので困るという話が出ていました。

Google検索が全てhttps:にリダイレクトされてた(SEO JUMP)
GoogleアカウントにログインしていないユーザーにもSSL検索が強制適用、(not provided)が100%になる日は近い!?(海外SEO情報ブログ 2013/9/24)
流入キーワードがわからなくなる!?すべてのGoogle検索がSSLに。(メディアマーケティングブログ 2013/9/25)

最初に思ったのは「何やっっちゃってくれてんのGoogleさんよー!」です。SEO JUMP
「メリットは無い」「僕たちにとって嬉しくない状況が発生したことは疑いようのない事実」「SEO対策を取りづらくなる事は必至」と言わしめるほどに、SEO事業者からすると困った話なんですね。しかし、一般エンドユーザーにとっては、何をキーワードにして検索しているかがサイト側へダダ漏れになるのを防げるという点でプライバシー保護を実現できる良い話でもあります。ただし、Googleには何をキーワード検索しているかは依然としてダダ漏れですから、単にSEO事業者やサイト運営者だけが損を見るという話なのかもしれず、それはそれでなかなかに微妙な話でもあるような。

検索エンジンのハッキングに端を発して大きくなってきたSEOビジネスですが、事実上独占状態にあるGoogleの立場とその圧倒的な技術力を前にして、そろそろ終焉を迎えてしまうのか、それともさらなる高みへとハッキングの技が磨かれていくのか、今後もその戦いぶりを遠くから観戦させていただきたいと思います。

イタチは追うためにいる!問題は、Googleという名前のついたイタチはでかすぎることなんですよね。ご愁傷様です。