無縫地帯

ドコモがAppleとiPhoneを随分と特別扱いしているようです

Appleが新型iPhoneを発表し、予想通りにドコモの参入も報じられて、年末に向けて通信業界が一層ヒートアップしております。

山本一郎です。フサフサであります。

Appleが新型iPhoneを発表し予想通りのドコモ参入もあって、ネット界隈がいつになく騒がしい今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。新型iPhoneに関しては、現時点ではまだ国内キャリアの各サービスプランが発表になっていないのでしばらくは静観したいところですが、ここ数年来にいたる日経の悲願が達成されたのは喜ばしいことなんじゃないでしょうか。

現在、さまざまな角度からドコモ、au、ソフトバンクモバイルの戦いぶりが検証されており興味深いです。ご関心のある向きはこちらもご覧いただけるとよろしいかと存じます。生え抜き社長の面目躍如といったところでしょうか。

各社トップによる対決。Docomoがかなり有利な模様(Twitter/DJあそう/あさなま(麻生よう子))

で、一つだけ面白いなと思ったのは、ドコモのプレスリリースの筆致が従来とちょっと異なっている点です。

NTTドコモとApple、日本でiPhoneを9月20日(金曜)より提供開始(NTTドコモ)

株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモとAppleは本日、世界で最も先進的なスマートフォンとなるiPhone 5s、これまでで最もカラフルなiPhoneであるiPhone 5cの両モデルを、9月20日(金曜)よりドコモのネットワークで利用可能にすることを発表しました。NTTドコモ
ここしばらくの間、ドコモのプレスリリースで新型端末を発表する際、端末メーカー名を記事タイトルに表記したり、わざわざ「ドコモのネットワークで利用可能にする」という表現を用いることはなかったと思います(もしかしたら極端な例外は他にもあったのかもしれませんが)。

例えば直近の新型端末発表向けプレスリリースの件名をいくつか拾い出すとこんな感じです。

「法人向けスマートフォン(仮称)」を開発 -電話もメールも使いやすい、ビジネスに最適な操作性とあんしんセキュリティ-
「らくらくスマートフォン プレミアム」を開発
「Xperia feat. HATSUNE MIKU SO-04E」を開発
2013夏モデルの11機種を開発・発売

いずれも記事タイトルにメーカー名は表記されず、端末そのものはドコモが開発したと謳われています。また、メーカー名を確認できるのも端末のスペック一覧表のみといった体裁。

これらの過去のプレスリリースと比べると、いかに今回のiPhoneとAppleの扱いがドコモにとって特殊かがよく分かります。Apple恐るべしということなのか、ドコモも随分丸くなったということなのか。まぁ、ソフトバンクやKDDIが通ってきた道を、いよいよドコモも通らざるを得ないということなのでしょう、これからが大変そうです。

それにしても、今回のドコモのプレスリリースはAppleのプレスリリースと共通みたいですが、さすがに注釈にある「LTEは一部の通信事業者が提供しています。通信速度は事業者のネットワークにより異なります。詳細はご利用の通信事業者にお問い合わせください」という文言ぐらいはなんとかならなかったのでしょうか。ちょっと格好悪いかもしれませんね。

このあたりは、早くLTEを植えた者勝ちということで、毛並みの良いインフラを早急に整備していただきたいと願うところであります。