無縫地帯

日経がGREEをフルボッコにしている件

日経がまたソーシャルゲーム業界やGREE関連で面白い記事を提供していて、実に清々しい一日を過ごすことができました。

山本一郎です。誰ですか、GREEをそこまで叩いているのは。

ということで、日経のコラム記事でずいぶんとGREEが叩かれておりました。

グリーの「三年天下」、熾烈なゲーム生存競争(日本経済新聞 2013/9/2)

携帯電話向けゲームの先駆者、グリーが失墜した。スマートフォン(スマホ)時代についていけず、業績は急降下。一時は任天堂をおびやかすほどの栄華を誇りながら、その天下はわずか3年で終わった。グリーにとって生き残りをかけたサバイバルゲームが始まっている。日本経済新聞
冒頭から「天下はわずか3年で終わった」と断言され、その後に続く本文中ではさらに厳しい表現が随所にちりばめられています。さすがにここまで執拗に叩くのは何かあるのでしょうか。Twitterでもこんなつぶやきを見かけました。

しかし、GREE広報、徹底して日経新聞に嫌われてるな。何をやらかしたんや?一度田中さんが手土産でも持って日経に挨拶行ったら?広報とか会社イメージの立て直しって、日経が好意的な記事書いてくれるようになったら半分以上達成でしょ。たにやん
もっとも、この記事、実は筆者のGREEに対する溢れんばかりの愛情の裏返しなのかもしれません。最後の締めではソフトバンクや楽天の名前を持ち出してGREEの再起を促すあたりこれはもう最高に熱いエールとなっています。

ソフトバンクや楽天など先輩ベンチャーは、「成長の踊り場」を何度も乗り超えてきた。それは、経営者が失敗や誤算を跳ね返した歴史でもある。グリーの再起は田中自身の脱皮にかかっている。日本経済新聞
まぁ、愛情が溢れているのかどうかはさておき、この記事の中でGREEの置かれた状況が厳しいとする理由の一つには「セガなどゲームソフト15社がスマホ向けゲームのユーザー開拓で連携するニュース」が挙げられています。しかし、これ、いまだに日経の記事以外ではこの話を裏付けるような情報が公には出回っておりません。不思議です。もちろん、いろんなところに呼びかけているのは業界内では周知なんですが、これは某ネットワークスの役員さんが強力に推進している事案で、本来であればもう少し体勢が整ってからの公開をと思っていた案件に違いありません。誰ですか、日経にリークしたのは、って感じです。

セガなどゲーム15社が連合、スマホ向け自前で集客(日本経済新聞 2013/8/21)

セガなどゲームソフト15社はスマートフォン(スマホ)向けゲームの顧客開拓で連携する。ゲーム画面から相互に顧客を誘導しあったり、共通の窓口となるサイトを設けたりして利用者を囲い込む。参加企業は年内に約30社に増え、利用者数は延べ4000万人超に膨らむ見通し。各社からソフトを集めて配信するグリーなどに頼らない仕組みを構築し、急成長するスマホゲーム市場を攻略する。日本経済新聞
参加企業の思惑にある仮想敵が「各社からソフトを集めて配信するグリー」と名指しになっている辺り、実は今回のコラム記事へとつながるマッチポンプ的なニュアンスも感じてしまい、さすがの日経クオリティという感が無きにしも非ずですが、ここはさらなるセンセーショナルな展開を期待したいところです。

それにしても、GREEは8月9日に以下のような施策を打ち出し、スマホ向けの新しい施策としてプッシュ機能を利用した広告事業展開をやる気満々でした。

グリー、「GREE Ads Non-incentive」導入企業にプッシュ通知機能と分析サービスを無償提供(Social Game Info 2013/8/9)

今後は、「プッシュ通知」機能を利用する媒体社に「プッシュ通知」と連動した「プッシュ広告」などのサービスも展開していく予定。また、動画などのリッチなコンテンツのプッシュ配信や、位置情報を利用した「プッシュ通知」機能を取り入れる方針だ。Social Game Info
ところがその直後、Googleがプッシュ通知型広告を基本的にNGとする方針を発表しております。Googleも結構前からプッシュ通知型広告に良い感情を抱いていないのは知られていたので、それでも踏み込むGREEの漢っぷりをそこはかとなく感じていたんですけど、あまりにも直撃だったので悲惨すぎます。

GooglePlayのコンテンツポリシーのアップデート。PUSH通知型広告等をGooglePlayはNGへ。(SociApp -Social Appの分析ブログ- 2013/8/24)
【続報】GooglePlayコンテンツポリシーの変更の影響について(SociApp -Social Appの分析ブログ- 2013/8/31)

まさにスマホ市場での再起に向けた新しい第一歩が早くも暗礁に乗り上げたという感じでしょうか。どうもGREEはツキにちょっと見放された感ありますが、これにめげず今後も頑張っていただきたいと思う次第です。