無縫地帯

Googleが落ちたら世界のネットアクセスが4割減った件

Googleが都合7分間サービスが不全である状態が続き、その間の世界のインターネット全体のトラフィックが40%落ちた、という驚愕ニュース。Googleは偉大ですが、そこまで依存していいのか…。

山本一郎です。徹夜すると翌日昼間に何度も落ちますが仕様です。

ところで、Googleがトップドメインごと落ちて使えなくなる事態がありました。全体が落ちていたのが約2分間、その後徐々に回復して全てのサービスが復帰するまでには約5分ほどかかったようです。

グーグル:約2分の停止で、世界のトラフィックが40%減少!(WIRED.jp 2013/8/19)
Google のサービスが数分間停止し、世界のインターネットトラフィックが40%減少(インターネットコム 2013/8/19)
Googleのサービスがダウンして、全世界のWebのトラフィックが40%減少(IRORIO 2013/8/19)

米国 Google のサービスが、英国夏時間の8月16日23時52分(日本時間8月17日7時52分)から数分間停止した。この間、世界のインターネットトラフィックは約40%減少したという。インターネットコム
Googleが落ちるだけで世界中のネットトラフィックが約4割減少したという数字は圧倒的な破壊力だなと感心してしまいます。インターネット全体でGoogleによっかかってる感じで。また、インターネットコムの記事に引用されているリアルタイムトラフィックモニターのグラフを見ると、Googleが全てダウンした後サービス復旧時に急激にPVが跳ね上がっている様子も興味深いです。

Google のサービスが回復した後、ページビュー数が一時的に跳ね上がっていることにも注目。これは Google サイトが回復し、利用者が目的の Web サイトに辿りつけたことによるものだと分析している。インターネットコム
もっとも、Googleはこれまでにも何度か大きなサービス障害に陥る事態はありました。

「グーグル、6分間のサービス障害」が与えた影響(WIRED.jp 2012/11/5)

グーグルの発表によると、この6分間、同社のさまざまなサーヴィスを利用しようとした人のうち、約10%がアクセスできなかったという。WIRED.jp
Google、複数サービス障害で14%のユーザーに影響現在は復旧(ITmedia 2009/5/15)

米Googleは5月14日、同日午前7時48分(太平洋時間)ごろから始まった大規模な障害について公式ブログで謝罪した。この障害によりユーザー全体の約14%がGoogle検索、Gmail、YouTube、Google Analytics、Google Docs、Google Maps、Google Readerなど複数のサービスで遅延や遮断の影響を受けたという。ITmedia
2009年5月に起きた障害の際には「「世界の全トラフィックの5%が消失」(WIRED.jp)という分析もされています。

異なる測定のされ方によるデータなので2009年の数字と今回の数字をそのまま比較するのは適切ではありませんが、それにしても約4年間でGoogleが世界のネットトラフィックに与える影響の大きさがより強くなっているという印象は否めません。このままいけば、今後再び同じような障害がさらに長時間続くような事態が発生すれば、その影響はさらに増大することは間違いないのでしょう。

今回の件ではIRORIOの記事で以下のように考察されていますが、全くその通りだと思います。

私たち自身もインターネットの利用について、不測の事態に備えてバックアップを取る、複数の予備的なサービスのアカウントを用意しておくなど、リスクマネージメントしておく必要があるだろう。IRORIO
当たり前のことではあるんですけどね。その当たり前がね。

言わば営利企業の一つに過ぎないGoogleに依存し過ぎた現代社会はどこかで大きな破綻が起きても不思議ではないわけでして、Gmailにおけるプライバシーを巡った集団訴訟等も起きるのが実は遅すぎたぐらいなのかもしれません。

Gmailにもプライバシーはある(ただし, こんだけ)(TechCrunch Japan 2013/8/15)

それでも今は便利なので、つい色々とGoogleのサービスは使ってしまうのですが、来年も同じように使えているのかどうかは神のみぞ知るという感じでしょうか。

まことに残念ですが、この記事はオチません。