無縫地帯

百度文庫で日本を代表する大手企業の内部資料がダダ漏れな件

中国の大手ネットサービス百度で、外部から自由に閲覧できる状態のままで日本企業の内部資料が大量にアップロードされていることが分かりました。

時事通信による第一報が他よりもかなり早かったのですが、衝撃的なニュースがありました。

日本企業の社外秘資料、大量流出=中国の文書共有サイトに―大手軒並み被害(時事ドットコム 2013/8/7)

文書・資料やデータをインターネット上で共有できる中国の有力サイト「百度文庫」に日本企業の社外秘資料や内部文書が1、2年前から大量流出し、誰でも見られる状態になっていることが7日分かった。時事ドットコム
その後他の報道機関も続きます。

日本企業の内部文書流出中国の有力サイト(47NEWS 2013/8/7)
日本企業の内部資料か、中国のサイトで“公開”(TBS News i 2013/8/7)
日本企業の内部文書、中国「百度」サイトに流出(日本経済新聞 2013/8/8)
中国のサイトに日本企業の社外秘資料など流出(産経新聞 2013/8/8)

同サイトでは、利用者が入手した文書や資料をアップロードして得たポイントに応じて、サイト内の資料をダウンロードすることができる。ポイント目当てに、合弁先や取引先を含む中国人従業員らが漏えいした疑いが持たれている。産経新聞
ちょっと面白かったのは、他が触れたくても憶測でしかないためボンヤリとしか記述していない「ポイント」システムにまつわる話を、そのままズバリと書いているあたりが産経の面目躍如といったところでしょうか。

いずれにしても、「チャイナリスク」にまつわる議論が改めて高まるきっかけとなりそうな話ではあります。

なお、この件の舞台となっている「百度文庫」ですが、問題として取り上げられるのは何も今回が初めてではありません。サービスが始まった当初から海賊コンテンツの温床ではないかということで非難されたりしています。実際に日本のマンガ等の違法コピーが大量にアップロードされ、それらが削除されたという経緯もありました。

百度よ、これはマズいんじゃないか?(ASCII.jp 2010/10/19)
百度文庫の著作権侵害、非難の的に(人民網日本語版 2011/3/31)
百度(baidu)の新サービスが違法すぎてヤバイ(やまもといちろうブログ 2011/02/01)

日本のメディア報道によると、図書出版協会、日本書籍出版協会、日本電子書籍出版社協会、デジタル漫画協会がこのほど、同社が知的財産権を侵害し、違法なアップロードを促していることに関する抗議文書を百度に提出し、対応措置を講じるよう求めた。百度日本法人の広報担当者は、問題の解決に向けて、各出版社と協議を進めていると語った。2月18日まで百度文庫にアップロードされていた「ワンピース」などの人気漫画3千冊分は、すでに削除されているという。人民網日本語版
もっとも、先日も話題として取り上げましたが、日本の省庁や企業が自らGoogleグループ等のWebサービス上で機密資料をオープンにしていたりするわけで、百度文庫だけを責めても仕方ないことなのかもしれません。逆に、ポイント目当ての中国人従業員が…という目線で考えると、それは冷蔵庫に入ったコンビニ店員のモラルと大差ないともいえます。残念ながら一度ネットに流出してしまった情報は事実上もう消し去ることはできませんし、今回の件はどうやって大切な情報を守るかということを真剣に考えなおす良い機会ととらえるしかなさそうですね。

で、どうせなのであれこれ閲覧しようとアクセスしてみたら、結構とんでもないファイルもあったり、ほんとこれどうするんでしょうね。こういうデータ漏洩を避けるためにも、ぜひ一度プリントアウトしたものをスキャンしてpdfに…