学生ベンチャーが面白Webサービス「Amazonガチャ」を始めたようです
ペニーオークション詐欺絡みから、一部で話題のamazonガチャなる微妙なサービス、そしてノマド方面の情報商材まで、最近のちょっとしたネットトピックスをまとめてみました。
やまもといちろうです。特に何もしていなかった保有株が勝手に上がって含み益が出る一方、頑張ってトレードしていたFXでは穴を開けてしまうなど、人間何もしないが吉という事態もあるのだという悟りを開いたり閉じたりする昨今です。
ところで、既存のWebサービスと連携したり、応用したりすることで、新しいビジネスを展開するという方法論がこの数年インターネットでは普通になりました。まさに「Web 2.0」がそれだったわけです。最近聞かなくなった標語ですが、時代は当然その先にいっているわけですね。
ところが、そういう新しい商慣習みたいなものが出来上がるにしたがって、既存の社会的モラルやルールとの軋轢も生じてきたわけです。
■ SNSやブログとのシームレスな連携を果たすことで、効率的な詐欺行為が行われていたのもつい先日の出来事です。
ペニーオークション詐欺:「偽落札」芸能人、二十数人か不当表示の可能性(毎日新聞 2012/12/15)
この件では、いまだに関与した芸能人叩きなどが続いていますが、問題はペニーオークションという行為が何であるかを判断できない人がたくさん関わった結果、あそこまで大きな事件になったわけです。実際、ペニーオークションは、一般的な社会常識をもって見れば、最初から怪しいという判断も可能でした。しかし、なぜか、そういう社会常識が機能しないままで事が進んでしまった感があります。
ペニーオークションの良識(壇弁護士の事務室 2013/1/9)
しかし、消費者庁は、未だ、この意見に対して真摯に対応する気は無いようである。ビジネスの自由化と規制のバランスをとるのは難しいということでしょうか。
■ さて、そんな社会状況の中、また一つ面白案件が登場したようです。
Amazonガチャ
テキトーに 刺激的な買い物どこまで真面目に考えているのかはわかりませんが、要は毎月5000円支払うと、4500円分の買い物をランダムに代行してくれるサービスだそうです。
毎月5000円で新しい出会いを
(※Amazon社の運営するサービスではありません)
そんなものが面白いのかどうかさっぱりわかりませんが、日本のネットが誇る2大ネタサイトが早くも記事で紹介しています。PRタグなどは表示が無いようなので、広告ではないのでしょうか……。
毎月5000円払ってAmazonでガチャを回す感覚を味わえる「Amazonガチャ」(ギズモード・ジャパン 2013/2/4)
『Amazonガチャ』サービスが開始される月額5000円で数千万点の商品からランダムで配送される(ガジェット通信 2013/2/5)
■ 当然のように、このサービスに対する様々な反応がネット上に表明されています。
『Amazonガチャ』の「Amazonなら大丈夫」というよく分からない思考回路(デジタルマガジン 2013/2/5)
《狂気の通販》Amazonガチャ。何が届くか不明!5000円で毎月ランダムにアマゾンから定期購入(NAVERまとめ 2013/2/5)
月額 5,000 円で Amazon から毎月ランダムに商品が届く「Amazon ガチャ」(スラッシュドット・ジャパン 2013/2/5)
アマゾン非公式「Amazonガチャ」サービス登場!!5000円払って4500円前後のアマゾンにある数千万点の中から何かが届く神システム!!(虹神速報 2013/2/4)
■ さらに、こういった一連のネット上での意見に対して、運営側は早くも声明を出して対応しています。まさに今のWebのスピード感!
弊社サービスに関する説明 ~説明不足により誤解を与えたことに関して~(株式会社 BearTail 2013/2/5)
気になる「Amazon」の商標に関する見解については、こういったことに詳しい方々のご意見を是非うかがいたいものですが、その前に当事者のAmazonが何かのアクションを起こすかもしれません。
私個人としては、この手のただ乗りモデルに対する拒否反応がでるのは自然と感じるものの、ある程度巨人の肩に乗っかりながらサービスの定着具合や反響を試して次のサービス設計に役立てる、ということであれば野心的でいいなとも思います。私にエールを送られたところで何事も起きないかとは思いますが、応援したいですね。買わないけど。
なお、この運営企業は、筑波大学の学生が立ち上げたベンチャー企業とういことで、まさにデジタルネイティブな世代による新しい動きということなのでしょう。
株式会社BearTailを設立しました(くろのーと 2012/6/26)
BearTrail - 社会の北極星
そんで、まさに奇遇なのですが、こういった新しいWebビジネスが生まれることで生じる既存の価値観との軋轢について、シリコンバレー在住の編集者・ジャーナリスト、瀧口範子氏が以下のようなコラムを書かれていました。
スマホが人間をダメにする(ニューズウィーク 2013/2/2)
テクノロジーに身を任せていると「だって、できるんだもの」ということが、限りなく出てくる。それにしたがって、失礼な人とそうでない人の見分けもつきにくくなっている。そんな環境では「これはいいけれども、こちらは止めておこう」といった判断は、もう自分の価値観を確かめながら自分でやるしかない。このコラムは読む人によってその受け止め方がかなり異なることでしょうが、なかなかに示唆的な話ではあります。あまりウェブサービスで失礼とか礼儀とか考えて構築することは無く、むしろCGM界隈で書き込み者の質の問題というようなところへ落とし込まれることのほうが多かったような気がします。
5,000円で福袋状態といえば、一時期ノマドで人気になった安藤美冬女史が、どういうわけか「サバイバルキット」なる情報商材的な商売をはじめ、一部の好事家から絶賛ヲチされているのをみかけます。また、mixiがチャレンジした新しい月額課金モデルもだいたいこういう定額サブミットを目指したものでしたので、ネットの旬はこういう月額いくらのビジネスなのでありましょうか。
普通、そっちのファンクラブグッズみたいな売りつけ方は、いくら著名人ビジネスでもいきなりは手をつけないのが礼儀だと思ったんですが、さすがポスト勝間和代的ポジションを狙う自称ノマド女王は考え方が違うようであります。