無縫地帯

世界的にタブレットが売れてPCは売れない時代だそうですが日本もそうなるのでしょうか

ついにタブレットの売上台数がPCを抜きそうだという予測が出て、一気にコンピューティングデバイスの主役が交代する可能性が見えてきました。レガシーなPCとネットの世界も終わるということになるのでしょうか。

山本一郎です。最近スキンケアの重要性に目覚めました。

ところで、以前からそういう動向は観測されていたのですが、ここにきてタブレット市場が顕著に盛り上がりを見せつつあるようです。

このまま行くと2014年第二四半期にタブレットの売上台数がPCを抜く(TechCrunch Japan 2013/7/30)

PCの市場は不調で、消費者はタブレットが好きだ。予測は当たらないこともあるが、今のトレンドが続けば、2014年の第二四半期には売上台数でタブレットがPCを上回る。TechCrunch Japan
現在の市場動向から突出した数字に注目すると、2013年第1四半期のPCの前年同期比減少率は14パーセント。一方で、タブレットの2013年第2四半期の前年同期比増加率は43パーセント。この勢いがそのまま変わらず継続すれば、来年の第2四半期までにはタブレットの売上台数がPCのそれを追い抜く可能性がかなり高いということのようです。しかも、2013年全期を通したタブレット売上増加率の予想では59パーセントという数字も出ており、これはかなり驚きます。

このタブレット普及における大きな推進力には当然ながらAndroidの普及が大きく影響していると考えられます。そして当然誰もが同じようなことを考えるということでもありますが、以下のような記事がありました。ちなみにこの記事は、先に挙げたタブレット好調という記事と同じ執筆者によるものです。

やっぱりAndroidはモバイル時代のWindowsか?(TechCrunch Japan 2013/7/31)

諸々の条件を比較してみると確かにWindowsとAndroidには類似点が多くあると感じます。こうなってくると、そうしたAndroidで動作するタブレットが現在のPCと置き換わっていく未来が実現するというのは、やはり可能性として相当高いのかもしれないですね。

また、過去にあったWindows PC対Apple製Macの二極対立構造と異なり、今の時代はAmazonのような全くポジションの違う巨大勢力がAndroidにフリーライドする形で低価格ハード+コンテンツマーケットという組み合わせをもって既存市場のあり方を完全に破壊するようなマーケティング展開をしてくるため、さらにPCというレガシーなプラットフォームがフェードアウトする速度は高まっているようにも見えます。

Amazonの次期「Kindle Fire HD」シリーズの一部スペックが明らかに(気になる、記になる… 2013/7/31)

発売時期については早ければ9月下旬の予定で、価格についてはAmazonは現行モデルと同じ価格帯を維持する方向で努力しているそうです。気になる、記になる…
今後Androidの普及が阻害されるとすれば、その要因はセキュリティ面に尽きるのではないでしょうか。このところの世界的なサイバー攻撃の急激な増加に対して、Androidはかなり脆弱なものである印象が否めません。しかし逆に言えば、セキュリティ面で盤石な体制が整ってしまえば、一気にAndroidタブレットは既存のPCを淘汰してしまう可能性が高いという話でもあります。あとはAppleが停滞してきたiPadの売上を次期モデルで挽回できるのかという辺りも注目点ではありますが、仮にiPadが復活すればしたで、やはりタブレットそのものの優位性が高まるだけなのでしょう。

日本国内市場だけを見るとタブレット市場が大きくブレイクする可能性はまだ低いようですが、どこかでバランスが一気に傾く「何か」がそろそろあるのかもしれません。その「何か」がハードなのか、ソフト(アプリ)なのか、その他のコンテンツなのかは分かりませんが、そういうところで新しい取り組みに挑戦できている企業が今後伸びるのは間違いないでしょう。iPhoneがないからツートップとか、スマホが売れないから事業撤退するしないというのはいまひとつ視点が合ってないように思える次第です。

NEC、スマホ事業撤退の報道に「現時点で決定した事実はない」(マイナビニュース 2013/7/30)

まあ、NECの気持ちは分かるんですけどね。