無縫地帯

ネット選挙開幕! Twitterの自動フォローと一括フォローが禁止で皆さま大変そうですね

ネット選挙解禁の余波で、某業者が提供しているソーシャルツール類がいきなり使えなくなるなど、面白事例が増えてきております。夏ですね。

山本一郎です。山本太郎じゃないって言ってんだろ。

ところで、いよいよ日本国民全てが待ち望んだネット選挙が幕を開けました。各メディアも一斉にネット選挙の切り口で様々な記事を報じております。

ウェブ生放送で第一声ネット選挙さあ始動(朝日新聞 2013/7/4)
ネット選挙解禁、HP・ブログ・SNSなど(読売新聞 2013/7/4)
参院選公示:第一声ネットでもビル一室で「生放送」(毎日新聞 2013/7/4)
参院選、「ネット攻防」も始動党首ら未明から配信(日本経済新聞 2013/7/4)
「ネット第一声」で参院選幕開け 主要9党首の訴えで「アベノミクス」の評価分かれる(Huffington Post 2013/7/4)
参院選公示・日本初のネット選挙運動もスタート(ITmedia 2013/7/4)

それにしても、栄誉ある(?)ネット選挙初のイベントがニコニコ動画だったというあたりに、良くも悪くも今回のネット選挙のあり方がなにやら暗示されているように感じるのは私だけでしょうか。

参議院選挙の公示日である7月4日の午前0時、主要9党の党首が「ネット第一声」が流れた。事前に録画された映像を、動画サイト「ニコニコ動画」が一斉公開したものだ。:http://www.huffingtonpost.jp/2013/07/03/net_daiissei_n_3543708.html|
さらに驚くのは、アメーバピグを使った仮想街頭演説まであるという話で、これは一体どこに向けての選挙活動なのか正直よく分かりません。

仮想空間で党首が選挙カーにアメーバピグで“街頭演説”(ITmedia 2013/7/2)

アバターコミュニティサービス「アメーバピグ」内では、仮想空間の街中に選挙カーや政党党首らがアバターとして登場。党のスローガンなどのメッセージを発信したり、オリジナルTシャツやうちわのアイテムを配布するなど、仮想空間での政治活動に取り組む。4日にはアメーバピグ内の「渋谷」に自由民主党、民主党、公明党、日本維新の会の選挙カーや党首が現れ、アメーバピグのユーザーに呼びかけを行う予定だ。ITmedia
アメーバピグのユーザー層については2012年のデータですが以下のようなブログ記事がありました。

『18歳以上推奨』とは裏腹に10~14歳の年齢層が圧倒的に多く(ゲームコンテンツ)アカウントも19歳まで含めると多いのが実態ですね。ゲーム情報&ブログ2.0
もし、2013年の今もアメーバピグのユーザー層がこれと変わらない状況であるとすれば、自民・民主・公明・維新の各政党は選挙権を持たない未成年に向かって選挙活動を行うことになりますが、この街頭演説を見てそうした若いユーザーが選挙にまつわる発言をアメーバピグ上で行ってしまうと選挙法違反になる可能性もあるわけでして、これではまるで未成年に犯罪教唆しているのと同じ状況です。まぁ、ユーザーの年齢でフィルタリングして未成年にはこの街頭演説へアクセスできなくすれば済む話ですが、どうもネット選挙の向かっているベクトルがなにかずれているように感じてしまいます。ちなみに未成年者を対象にしたある調査では、回答者の67パーセントが未成年者によるネット選挙活動が違反であることを知らなかったという結果も出ています。アメーバピグで適切なフィルタリング対応が施さなければ、たくさんの違反者が出そうですね。

67%が未成年者のネット選挙運動が違反ということを知らない - 未成年者のネット選挙に関する調査(ValuePress! 2013/7/3)

さて、ネット選挙ではSNSを使った活動が多用されると想像されますが、そうしたSNSの中でも人気のあるサービスの一つ、Twitterがかなり大きな規約変更を発表したようです。

Twitter、自動フォローや一括フォローを禁止へ(ガジェット速報 2013/7/4)

まさにこのタイミングでの自動フォロー/一括フォローの禁止は、選挙活動を目的としてにわかにTwitterを利用し始めた政治家の皆様方にはかなり厳しい変更なのではないでしょうか。これを知らずに業者が提供してくれたツール任せに自動フォローや一括フォローをガンガン行ってアカウント停止となった日には目も当てられない悲惨な事態です。はたしてTwitter側で日本のネット選挙の日程を鑑みたのかどうかは知りませんが、なかなかに絶妙な采配だと思わずにはいられません。

ネット選挙、盛り上がるといいですね。