無縫地帯

もうドコモはBlackBerryと一緒になってはどうか(提案

日本では一人負けが板についてしまったNTTドコモ。危機感を感じていろんな施策を打ってはいますがどれもこれからという感じですが、同じく世界的に敗勢著しいブラックベリーと組んだらどうでしょう。起死回生に。

やまもといちろうです。ですから、本名ですってば。

で、以前もドコモに関してはあれこれ記事でも取り上げてきておりますが、いまなおドコモの苦境を伝える報道が絶えません。

ドコモ、iPhone5対抗に懸命販促費かさみ第3四半期は減益に(東洋経済 2013/1/30)

こちらの記事はドコモの決算発表会を取材した記事ですが、収益向上施策としてドコモはコンシューマー事業のテコ入れに熱心な様子がうかがえます。

音声認識サービス「しゃべってコンシェル」や定額動画サービス「dビデオ」、さらに12月に開始したばかりの「dゲーム」、「dショッピング」など、独自サービスを一段と広げていく方針だ
本来のドコモの強みはコンシューマー市場よりも法人市場にあると思われるのですが、しかし、そちらへの対応強化などはこの記事から見えてきません。単にこの場では発表されなかっただけなのか、東洋経済がネタとして面白くないのでとりあげなかったのか、それともドコモが何も考えていないからなのかは不明ですが……。

同じドコモの決算発表会を取材した記事で以下のようなものもありました。

今後のスマホラインアップ、精査して絞り込む――NTTドコモの加藤社長(ITmedia 2013/1/30)

スマートフォンの立ち上げ期には、性能面で開発途上だったこともあり、各シーズンに20機種前後が投入された時期もあったが、「今はそういう時期ではなくなった」(加藤氏)。今後は、「売れると思う端末をきちっと目利きする」(同)方針で、その結果、端末数は減ることになるという。
ドコモの新機種発表会を見る度に、その機種数の多さと、どれも同じようなハッキリ言ってつまらない機種ばかりで、一体何が違うのかサッパリわからない具合に驚いてきましたが、ようやくドコモの中の人達もその事実に気がついたようです。

この件では、まさにドコモの多機種展開について問題提起したブログがありました。もっとも、1機種のみの発表会にあれだけリソースを割くKDDIも謎ではありました。

コラム:ドコモとKDDIのAndroid戦略の差異が明確化した2つの発表会(AppLab 2013/1/24)

そんな最中に、なんと、元祖スマートフォン「BlackBerry」を製造販売してきたカナダのResearch In Motion社(RIM)が、社名をBlackBerryに変更するというニュースが入ってきました。

RIM、社名をBlackBerryに変更(ITmedia 2013/1/31)

iPhoneとAndroidに押され、もはやこのままフェードアウトしていくと思われていたBlackBerryですが、ここで最後の踏ん張りを見せたというところでしょうか。

しかも、最新OSの「BlackBerry 10」を発表し、そのOSを搭載した新型端末も同時発表です。

Blackberry Z10発表―BB10 OS初の強力なハードウェアだが、BB復活にはアプリの充実が急務〔抜粋〕(TechCrunch Japan 2013/1/31)

上記の記事は、筆者が実際に1週間、最新モデルのBlackberry Z10を使っての詳細なレビューですが、これを見るだけだと、かなり良さそうに見えます。

BlackBerryのシステムは、iPhone(iOS)やAndroidよりも、セキュリティに強いと言われ、そのメリットから特に海外では法人ユーザーに人気がありました。どこがどう強いかは、以下の記事などが参考になりますが、概ね社内イントラネットにおけるセキュリティポリシーと統合した情報管理を実現しやすいというところがポイントかと思われます。

安心して社内メールを扱えるBlackBerry(ITpro 2011/6/23)

また、使い勝手は良いようで、実際に使っている人はBlackBerryを高く評価する人も少なくありません。

BlackBerry Bold 9900を僕が毎日持ち歩いている理由 by本田雅一(週アス+ 2012/8/14)
BlackBerry Bold 9900購入感想(えるじーくおりてぃ 2012/5/25)
Blackberry Bold 9900をレビューする!(Tokuzeのコラム 2012/4/8)

ドコモでは、2006年9月からと、Androidよりもずっと早くから法人ユーザー向けスマートフォンとしてBlackBerryを販売してきましたが、いまひとつパッとしないようです。現時点でもひっそりと販売されていますが、力が入っているようには見えません。

しかし、ここにきて、セキュリティ面でザルのようなAndroidよりも安心できそうなBlackBerryが捲土重来を期する新型端末を出してきたわけです。大統領使用のBlackberryが中国で盛大に情報漏れを起こしたのは今は昔。これは同じ負け組同士(?)、ドコモとBlackBerryで手を繋いで新しい日本のスマートフォンの歴史を作ってみることに賭けるのも面白いのじゃないでしょうか。